“超年の差婚”で夫の死後に勃発する前妻とのトラブルとは?

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2019-11-17 12:04
投稿日:2019-11-17 06:00

他人なのにすんなり保険金受取ができる唯一の存在

 離婚・再婚時の受取人変更忘れは多く、遺族からの苦情を受ける保険会社も頭が痛いそうです。生命保険が犯罪に利用されないよう、保険金の受取人は「配偶者および2親等以内の血族(祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫など)の範囲」と決められています。

 しかし、離婚した配偶者だけは別扱いで、他人になってからも保険金を受け取ることができるのです。「受取人変更は簡単な手続きなのに、それを行っていないのは夫の意志」という最高裁の判例がありますし、もし前妻が「私は要りません」と辞退したとしても、今の妻に支払われるわけではありません。

相手が元気なうちだからこそできる相続の話

 結局、A子さんは行政書士を通じて前妻に連絡を取りました。「よく考えてみたら、夫が生命保険に入ったのは私と結婚する10年前。会社を興した当時はお金もなく、前の奥さんは家計をやりくりして保険料を払っていたはず」と、考え直すことにしたのです。

 前妻からは感謝を伝えるていねいな手紙が届き、保険金が下りたら離婚以降の保険料をお返しします、と書かれていました。「前妻と争いになれば社長も浮かばれません。賢明な選択でしたね」と行政書士にも褒められたそうです。

終わりに

 超年の差婚の相続では、忘れていた保険金や負債が出てくることがよくあります。生きている人に相続の話をするのは気が引けるものですが、元気なうちだからこそしておくべきことなのです。

 死後に心配ごとを残さないのは愛情、死後に争いごとを起こさないのも愛情です。超年の差婚のお別れのときに起こりやすい、お金の問題についてまとめてみました。

神田つばき
記事一覧
女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

関連キーワード

ラブ 新着一覧


私たちが事実婚を選んだ3つの理由 デメリットも忘れないで
 婚姻届を提出せずに、夫婦と同じような関係で生活を送る「事実婚」。内縁関係とも言われますね。女性なら、結婚して籍を入れる...
恋バナ調査隊 2023-01-27 06:00 ラブ
ATMにされてない? ママ活男子のおねだりに必殺返しワザ3選
 パパ活の逆ヴァージョンであるママ活という言葉が生まれて数年が経ちました。  それ以降、マッチングアプリではお金目当て...
内藤みか 2023-01-26 06:00 ラブ
連チャン最優先!? ギャンブル好き彼氏の激ヤバエピ&上手に付き合う法
 どんなにイケメンで魅力的な彼氏でも、ギャンブル好きだとわかった時点でドン引きしてしまう女性も多いでしょう。今回は、ギャ...
恋バナ調査隊 2023-01-26 06:00 ラブ
友達を好きになったら…告白で関係を壊したくない人の注意点
 今まで恋愛感情がなかった異性の友人に対して、ひょんなことで「自分はあいつが好きなんだ」と気づいてしまった……なんてこと...
若林杏樹 2023-01-25 06:00 ラブ
ガソリン残量は盲点!男が見ている意外な“浮気バレ”ポイント
「結婚する前にちょっとだけ遊んでおきたい……」「一人でも多くの男性からモテたい」なんて願望があり、浮気に興味がある女性も...
恋バナ調査隊 2023-01-25 06:00 ラブ
夫婦のセックスレス問題 解消されれば離婚は回避できるのか
 本連載やSNSで長年のセックスレスについて発信している私ですが、たまにこんなことを聞かれます。 「旦那さんとセックス...
豆木メイ 2023-01-24 06:00 ラブ
既婚の女友達が漏らす旦那の愚痴!結婚は本当に墓場なのか?
「結婚に希望を感じない」、「結婚は人生の墓場だ」。今、未婚世代で結婚をネガティブに捉える人が増えているという。周りの既婚...
ミクニシオリ 2023-01-24 06:00 ラブ
未婚・傷心の友達に結婚報告する際の注意点&伝え方のコツ
 結婚が決まったらやることの一つが、周囲の友人への結婚報告ですよね。ですが、友達の中には今まで未婚同士で励まし合ってきた...
恋バナ調査隊 2023-01-23 06:00 ラブ
愛を確かめ合った後こそ抜かるな!男性がドン引きしたピロートーク集
 身体を重ね、愛を確かめ合ったあとに繰り広げられるピロートーク。気持ちが高まっているため、女性も本音や本性が出やすいシー...
恋バナ調査隊 2023-01-22 06:00 ラブ
更年期の私に夜の営みをグイグイと…50代交際男性への恨み節
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-01-21 06:00 ラブ
「夜もガンガン励みます」恋人を自分色に染めたい50男の野望
「冷酷と激情のあいだvol.126〜女性編〜」では、恋人・ヒトシさん(仮名)が強引に自分の好みを押し付けてくることに不満...
並木まき 2023-01-21 06:00 ラブ
アプリで惨敗なら…勉強をしながら年下彼氏をゲットする方法
「年下彼氏が欲しいけど、どこに行けばいいの?」と悩んでいる女性は実はかなり多いのです。  マッチングアプリではなかなか...
内藤みか 2023-01-19 06:00 ラブ
もう一度あの頃に戻りたい…夫婦の“再構築”を成功させる方法
 夫との冷え切った毎日に「夫婦関係を再構築したい」と感じている人は多いかもしれませんね。でも、夫婦とはとても難しいもの。...
恋バナ調査隊 2023-01-19 06:00 ラブ
いい男に出会いたい! 良縁に恵まれるためにやるべきことは?
 学生時代は自然にいろんな人と出会えますが、社会人になると合コンなり飲み会に積極的に出かけて「出会うための行動」をしない...
若林杏樹 2023-01-18 06:00 ラブ
天国から地獄にズドーン…婚約中の彼に浮気されたらどうすりゃいい?
 大好きな彼にプロポーズされてから結婚するまでの「婚約中」は、幸せでいっぱいなはず。でも中には、幸せ絶頂期の婚約中に浮気...
恋バナ調査隊 2023-01-18 06:00 ラブ
夫婦円満のキラキラアカウントに嫌悪する私、どう対処する?
 ちょっとしたすき間時間があると、Twitterを見てしまう。最新の情報はインスタグラムで手に入れる。現代では当たり前に...
豆木メイ 2023-01-17 06:00 ラブ