「素直になれない→チヤホヤされたい」願望の何が悪い!
ひろみが3年間でフッた男性の数は600人。確かにこれだけ多くの異性から「好き」と告白されたら、女性としての自信にはつながるでしょう。
ですが個人的に筆者は、「好き」という気持ちが伝わり合い、交際が始まってからが本当のスタートだと思っています。たくさんの異性から「好き」という言葉をもらうよりも、自分が愛する唯一の男性から「好き」を毎日もらいたい。何なら、関係に飽きがきてからが本番=勝負! だととらえています。
ひろみは本番という土俵にも上がらず、逃げ出してしまっている印象を受けたのです。ただし製作者側によれば、ココこそが女性が共感できるポイントとのこと。「自信がない、素直になれない。だから、チヤホヤされたい」という主人公の感情は実は誰もが心の奥に秘めているので、ひろみの生きづらさや不器用さに共鳴する女性が多いのでは、とのことです。
ほかにも本作は、「あるある!」や「これはしてはダメ!」、「ああ、胸に刺さる……」と、感情移入できるシーンが盛りだくさん。ひろみが“隠れビッチ”を卒業しようと本気で人を好きになった途端、悲しい経験をする場面は、「人に悪行をはたらいてきたツケが回ってきただけ。因果応報」と思う人もいるかもしれません。
上司役・森山未來との恋の行方は…
“隠れビッチ”と知りながらも受け入れた、森山未來さん演じる職場の上司・三沢光昭との関係も見どころのひとつです。三沢はなぜか毎回、牛乳を買い忘れ、ひろみが「あなたには私のすべてを受け入れる義務がある!」とブチ切れるシーンは、人により意見がわかれるところかと思います。
佐久間さんは別インタビューで、「めちゃくちゃだけど、女性なら誰もが望んでいることかも。私自身も、ありのままの自分をすべて受け入れてくれる人がいたら素敵だなと思います」と語っていました。
筆者は、三沢が仕事で遅くなると伝えるとひろみが激怒し、手料理をシンクに流してしまうシーンを観て、「重い、重いオンナすぎる!」という印象を持ちました。
余談ですが、ひろみが“隠れビッチ”時代に身につけていた、ゆらゆらと揺れる耳飾り(ピアスかイヤリングか判別できなかったので、あえてこの表現で)は、個人的にもオススメです。以前ある識者に取材した際、「ゆらゆらと揺れるタイプの耳飾りは、男性のハンター欲求を刺激する」と語っていたからです。顔の横で揺れることで喜怒哀楽の表現がより大きく見えるため、実は筆者も仕事やプライベートで愛用しています。
まだまだお伝えしきれない魅力がいくつも詰まった本作。ご自身の女性としての立ち位置や価値観と照らし合わせながら、“最狂ヒロイン”の成長過程を見届けてみてはいかがでしょうか。
12月6日より全国ロードショー。出演:佐久間由衣、村上虹郎、大後寿々花、小関裕太、森山未來 監督・脚本:三木康一郎
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