斎藤工が童貞！？
全ての画像を見る前野さんだけではなく、キャスト全員が“振り切った”お芝居をしているのも、この作品の魅力です。前野さん演じる幹夫が好意を抱く秋山雪乃を演じた佐野ひなこさんは、幹夫がピンチを迎えると「私もガンガン◯◯したい！！」と絶叫。映画『カメラを止めるな！』で一躍時の人となった濱津隆之さんが演じた幹夫の上司、小池は幹夫に暴力を振るい、雪乃にセクハラを繰り返します。ですが、実はある事情を吐露するシーンでは「役の人生がご本人の人生と重なり合っているのでは」と感じるほど哀愁をたっぷりと味わわせてくれるのです。
見目麗しくても童貞
伝説の童貞魔法使い・高橋役で出演している斎藤工さんも、しっかりと爪痕を残しています。筆者の予想ではありますが斎藤さんは、台本には書かれていない「高橋が童貞である理由」をしっかりと作り込んできていたと思われます。別インタビューで前野さんは、「何をしてくるかわからないので、怖いと思うぐらいでした（笑）」と答えていました。「精子が心中してどこかに浮き出た（状態にした）いんですけど、小麦粉を買って行っていいですか？」とのプランも提案したそうで、「見目麗しい斎藤工さんが、童貞役なんてありえない！」という印象は微塵も感じさせませんでした。
童貞ヒーローたちが大暴れ
前野さん演じる幹夫と、同じく童貞で幹夫の同僚、芹澤興人さん演じる月野雅臣が魔法使いとして変身した際のスーツは笑える要素のひとつ。「そのスーツ、おそらく後ろにジップがついていてすぐに着脱可能ですよね？」とわかるほど、ユルイのです（それが宇賀那健一監督の狙いでもあるようです）。
ほっこりしてクスッと笑える
童貞（人によっては処女）だった頃のストレートすぎる想いを懐古、あるいは自身の現在をオーバーラップしてしまいそうな作品です。個人的に筆者は独身時代を思い出しました。手当り次第に「誰か紹介してください！」とお願いしたところ、48歳の童貞（正真正銘の魔法使い！）と会うことになったのです。聞くところによると彼は、「ここまで（童貞を）守ったんだから、本当に好きな人としかシタくない！」と、“プロ”のお世話にもなった経験が皆無だそうで。筆者は「わたしが童貞を卒業させる役目を担ったら、彼はきっと別の人に“旅立つ”からイヤです」とお断りし、結局お会いしていないのですが、今はどうしているのかしら……と、過去を振り返りました。
童貞ヒーローたちが大暴れしてクスッと笑えるラブコメファンタジー。肩の力を抜いてただ笑いに行くためだけにでも、鑑賞する価値アリの作品です！
12月6日より新宿バルト9、梅田ブルク7、ほか全国順次ロードショー。配給：vanldalism 出演：前野朋哉、佐野ひなこ、芹沢興人、田中真琴、濱津隆之／斎藤工ほか。監督：宇賀那健一
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