幻の「平手センター・二期生7人初選抜」9thシングル
平手が“卒業”という言葉を避けた意味――。それは、妥協を許さない彼女が、自身の全ては出し切ったが、何か完全にはやり遂げていない、という心残りが少なからずあるからではないだろうか。先月の二期生田村との約束も守れなかった。昨秋から冬には発売される予定だった平手センターで二期生7人が初選抜されていた9thシングルも幻に終わった。
いつも欅坂46のことを考え、ライブの構成や演出をスタッフと共に練るのが大好きだった平手。他のメンバーからも「平手は誰より欅坂46を想っている」と口々に聞かれた。まだまだ欅坂46でやりたかったこと、観せたかったことが本当はあったかもしれない。それでも、心身の限界が来た。その心残りが、晴れ晴れとやりきったニュアンスも含む“卒業”ではなく、“脱退”という言葉の選択に繋がったのではないか。
“離れる”は「間隔がひらいた状態」の意味も
元でんぱ組.incの最上もがも自身のTwitterで「卒業と脱退の違いの話で、ぼくは“脱退”、ねむは“卒業”したけれど、続けたくても身体的にも精神的にも限界だったために、抜けざるを得ないという選択を自らしたので、どうしても卒業という表現ができなかった。」と解説している。
さらに言えば、先述のラジオであった、欅坂46から“離れる”という発言。“卒業”とは、「規定の全課程を修了すること」だが、“離れる”とは「関係がなくなる」意味もあるが、「接していたものの間隔がひらいた状態になる」という意味もある。
もし平手が欅坂46から早く辞めてやりたい、メンバーやスタッフとの確執からおさらばしたい、アイドルのイメージは払拭したいというのなら、わざわざ“離れる”という言葉を選ばなかったのではないか。
そして仮に“離れる”が「接していたものの間隔がひらいた状態になる」ことを意味するなら。これは希望的観測だが、完全に欅坂46から接点を分断したわけではないのでは、とも思える。
だがもちろん、ひとまず公式に“脱退”を発表した平手に、もう一度欅坂46に戻って欲しいという期待を押し付けることはできない。
彼女は、何はともあれ全てを出し切った。結成から4年強、一度も妥協することなく全力で駆け抜けた。その姿に多くの人々が胸を打たれた。欅坂46をトップアイドルに押し上げた彼女の功績は計り知れない。
女優業は続ける可能性
今月に入り、彼女が明らかに欅坂46ではない、ドラマか映画か何らかの撮影をしている、との目撃情報がネット上に続出している。今後の活動は未定としているが、女優業は続ける可能性がある。
どんな決断でも、彼女が決めた未来ならばそれを全力で支持したい。だがまずは、異次元のパフォーマンスで、この奇跡のような4年間をアイドルとして見せてくれた“欅坂46の平手友梨奈”に心から、おつかれさまと言いたい。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。私は“欅坂46の平手友梨奈”を、ずっと忘れることなく胸に刻んで、心の糧に生きていく。
今月29日には欅坂46平手友梨奈の最後のライブとなった、「欅坂46 LIVE at 東京ドーム ~ARENA TOUR 2019 FINAL~」のDVD&Blu-rayが発売される。欅坂46として彼女が残した伝説の時間は、永遠に色褪せることなく語り継がれるだろう。
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