平手友梨奈の"相棒"長濱ねる 欅坂46卒業の真相を再考する

こじらぶ ライター
更新日:2020-02-29 06:00
投稿日:2020-02-29 06:00

グループの“可愛い”を一手に担った長濱

 しかし本人の理想とは真逆に、彼女のルックスや声質はとても“可愛らしく愛嬌いっぱい”がよく似合った。“クールでカッコいい”欅坂46の楽曲たちの中で、彼女のソロや少人数でのユニット曲は王道のアイドルソングばかりで、グループの“可愛い”を一手に担った。平手が長く欅坂46のセンターで叩きに遭ったように、人気者であるがゆえに長濱も大いに叩かれた。

 そして“クールでカッコいい”を求められる坂道AKBセンターでは、周りの先輩が上手くできる鋭い表情も自身は納得するものが出せず苦しんだ。ここでもまた心ないバッシングに遭うこととなったのだ。

 長濱が欅坂46を卒業するに至ったのは、一部報道にあるようなメンバーとの確執などではなく、人々に求められる“可愛くて愛嬌いっぱいの優等生”と“クールでカッコいい”楽曲の表現への葛藤、壮絶なネット叩きといった背景が重なって、本人の卒業イベントでの発言通り、自身が持ち得るものを放電しすぎて空っぽになってしまったこと、そして人前に出ることから距離を置きたいというのが真相だ。またアイドルとして紅白連続出場、武道館ライブ到達、各メディアでの露出やラジオMC、写真集女王を経験し「やり切った」という言葉も嘘偽りない真実だ。

 その決心をする約半年前、グループから離れていた平手が18年7月に復帰して以降も、長濱は常に平手を思いやった。平手が音楽番組で欅坂46に合流し初めて「ガラスを割れ」のセンターに皇帝然と帰ってきた時も、「最後のてっちゃん(平手の愛称)の目を閉じているところが好き」と褒めた。

 同年8月発売の7thシングル「アンビバレント」のMVについても「てっちゃんの最後の笑ってる顔が好き」と言い、同曲の音楽番組披露では「『感情は二律背反』のてっちゃんの決めポーズが好きで後ろからこっそり見ている」と明かした。

 一方の平手も自身のラジオ「SCHOOL OF LOCK」(TOKYO FM)にて、アンビバレントで長濱の両膝を自身の両手でつかんで側転する大技を2人で本番前に何度も練習したこと、次第に2人のあうんの呼吸でできるようになり事前練習も不要になっていったことを、絵付きで解説していた。

 この大技は下手をして失敗すると大怪我にもなりかねないもので、平手の身体能力とそれを支える長濱の体幹、そして何よりお互いの信頼関係がなければ成立し得ないものだ。

メンバーは皆、おえつ交じりに号泣

 また同年8月から始まった欅坂46の全国ツアーでも、平手が上手くファンサービスをできずにいたところへ長濱が頭を撫でて、笑い合うシーンも見られた。

 9月のツアー千秋楽では4曲目の「ガラスを割れ」で感情のすべてを爆発させ、“ビーストモード”に入った平手は誤って花道で2mの高さから転落し、公演中に病院へ救急搬送された(このパフォーマンスの様子は前述のドキュメンタリー映画予告編でも一部確認できる)。

 その後は残されたメンバーでライブは進行し、途中、キャプテン菅井友香(24)から説明がなされファンにも非常事態だと伝わった。

 検査結果で軽い打撲と診断された平手はすぐに公演へ戻ろうとした。このままではツアーは終われないという思いからだ。アンコールを含めた19曲目の後、平手は間に合った。ダブルアンコールに登場し多くのメンバーが涙した。メンバーのあまりの号泣ぶりに平手は穏やかに微笑み返した。その中でも、平手は後ろで号泣する長濱を抱きしめたのだ(このことも後に長濱はとても嬉しかったと話していた)。

 曲中、平手はアドリブでメンバーの方を向いて、とても柔らかい笑顔で両手を広げた。それを見たメンバーは皆、おえつが入るほど号泣した。

 ダブルアンコールが終わり全曲目を終え、舞台から掃けたメンバーたちだったが、カーテンが開いたままで、客席からはメンバー皆が平手の元へ集まり泣いていたのが見えたという。

 また同年9月に収録された、メンバーがスタッフ抜きで豪邸で1日を過ごす企画「KEYAKI HOUSE」(8thシングル「黒い羊」初回限定盤特典映像)では、長濱が平手に「『微笑みが悲しい』またやりたいねー! やろうねー!」と語りかけるシーンがあった。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ
『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。主人公は日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルとした猪爪寅子。彼女が投げかける疑...
竹もとで勉強する寅子たちは今時のノマド?法律事務所の初仕事はお茶入れ
 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び...
桧山珠美 2024-05-07 14:20 エンタメ
あさイチで光った令和の“料理男子”の新星、キスマイ横尾のライバル現る!?
 ゴールデンウィークといっても、どこかにお出掛けの予定になんの予定もなく、ただ漫然とテレビを見ていたら、神様から思わぬご...
直言ら16名全員無罪!憲法記念日に放送された寅子が語る「法」の解釈
 昭和11年12月。1年半に及んだ直言(岡部たかし)の「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。  寅子(伊藤沙莉)...
桧山珠美 2024-05-04 06:00 エンタメ
直言の判決いかに? 寅子の表情、優三腹くだり…テンポ絶妙な法廷シーン
 公判中に倒れた直言(岡部たかし)は、自分の無実を信じる寅子(伊藤沙莉)の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを...
桧山珠美 2024-05-02 17:13 エンタメ
『虎に翼』の週タイトルになぜ「?」はる記“主婦乃手帖”で一発逆転なるか
 直言(岡部たかし)は寝たきりでろくに食事も取ろうとしない。そんな様子をはる(石田ゆり子)は心配していた。  一方...
桧山珠美 2024-04-30 13:50 エンタメ
大谷結婚モロ被りの不穏も何のその!各世代イケメン網羅のキムタクドラマ
 木村拓哉(51)主演ドラマ「Believe-君にかける橋-」(木曜21時、テレビ朝日系)がスタートしました。待ちに待っ...