外出自粛でDVや虐待増加…エスカレートの理由を心理士に聞く

田中絵音 日本合コン協会会長
更新日:2020-04-14 06:23
投稿日:2020-04-14 06:00

 新型コロナ問題は、家庭内にもさまざまな影を落としています。その一つが暴力です。

 現在、日本よりも厳しく外出制限がなされているヨーロッパや欧米では、DV(家庭内暴力)や児童虐待の増加が深刻となっており、この問題は日本にも見られる傾向にあるとのこと。

 どうやら外出できないストレスや経済的な不安などの要因が、DVや虐待をエスカレートさせているようです。

 コロナウイルスから命を守ることに加えて、一つ屋根の下でパートナーからのDVや虐待に怯えながら暮らすことは、どんなに辛く恐ろしいことでしょう。

 そこで今回は「DVと虐待」について、教育機関で働く一児のママであり、臨床心理士・公認心理師のMiKiさんにお話を伺いました。

DVをする男性に見られる5つの特徴

――男性が手を上げたくなる動機や心理とは?

 DVをする男性にはいくつかの特徴があると言われていますが、今回は代表的な特徴を5つご紹介します。

1. 性別役割意識が強い

 DV加害者の男性には「女性は男性の要求に応えるのが当然」「家事や子育ては女性の役割」「男性たるもの浮気の1つ、2つしても仕方ない」などといった、性役割思考が強いとの報告があります。男女平等が叫ばれて久しいですが、表立って言わないにしてもこういった思考の男性は一定数いると考えられています。

2.「べき思考」が強い

「べき思考」とは文字通り「~すべき/~であるべき」といった、いわば固定化された思考のことです。自分の考えは正当なものであると思い込んでいるため、それに沿わないパートナーを強く非難する傾向にあります。

3. 人や社会に不信感が強い

 DV加害者の男性は、「人や社会は、自分を騙したり、陥れたり、裏切ったりするもの」といった考え方をする人が多いと言われています。ある意味、孤独な人だとも言えるでしょう。

4. 話し合いで解決できないと思っている

 DVをする男性は、相手の気持ちや考えを決めつける、固定化された思考が強いと考えられています。そのため、相手を理解しよう、歩み寄ろう、コミュニケーションをとろうというモチベーションが低い傾向にあります。

5. 自分の感情に気付き、言葉にするのが苦手

 DV加害者の男性に限らず、暴力で物事を解決しようとする人は、自分の感情に気付き、言葉にすることが苦手です。

 子どもは自分がどうしたいか分からない時や、分かってもどう伝えていいか分からない時に癇癪を起こしがちですが、DV男性の思考はこのメカニズムと同じ。精神面が未分化・未発達なため、言葉ではなく乱暴な言動や暴力で自分の気持ちを表現する人が多いようです。

 1つでも当てはまれば、「DVをしてしまう人」というわけではありません。しかし、性役割思考や「べき思考」が強かったり、人や社会に不信感を抱きがちで話し合いをすることが苦手、など、いくつかの特徴を併せ持つ人はDVのリスクファクターとなります。そこに外出制限といったストレッサーが加わることで、さらにDVのリスクが高くなるとのだと考えられます。

 少しでもパートナーにDVの不安を感じる人は、この5つに当てはまらないかチェックしてみてください。

田中絵音
記事一覧
日本合コン協会会長
一般社団法人日本合コン協会会長、恋愛アドバイザー。2000回以上の合コンイベントに携わり、男女の恋愛心理に精通する。また一児の母であり、ママ向けイベントを行う「東京ママパーティー」の主宰も務める。著書に「こじらせ男子の取扱説明書(トリセツ)」
(双葉社)など。
ブログXInstagram

ラブ 新着一覧


わかってるのに…なぜ“都合のいい関係”を続けるの? 女たちの切ない言い分
「曖昧な関係を終わりにしたい」と思いながらも、なかなか別れられずにいるそこのあなた。その背景には、満たされていない思いや...
恋バナ調査隊 2025-05-02 08:35 ラブ
上京して人生変えたい…アラサーが陥る「勘違い」と「モテるため」のファイナルアンサー
 人生をやり直すために東京に行く! という人が時々います。中にはノープランで上京するケースもあります。  アラサー...
内藤みか 2025-05-01 06:00 ラブ
大人の男が悩殺された6つのセリフ。「私がいるじゃん!」「やだ♡」は疲れた社会人に刺さるのよ…
 いったい男性はどんなセリフにキュンとしたりメロメロになったりするのでしょうか?今回は、大人の男性が悩殺されるセリフを中...
恋バナ調査隊 2025-04-29 07:22 ラブ
それ、デートDVを受けてない? 束縛や避妊なし…日常に潜む8つのパターン
 交際相手から受ける暴力のことをデートDVといいますが、その暴力の中には精神的な暴力や性的な暴力なども含まれます。しかし...
恋バナ調査隊 2025-04-28 06:00 ラブ
地雷踏んだ? 気になる彼とのLINEが途切れてぴえん。嫉妬させるはずが大失敗!
 気になる男性とのLINEが急に途切れた! 脈なしだから? それとも送った内容に問題があった? 3つの例とともにその理由...
恋バナ調査隊 2025-04-27 06:00 ラブ
ノリ悪すぎてつまらん! 夫婦間の「関西人vs 東京人」バトル。妻が夫に感じる“地域差”あるある
 出身地域によって、常識や価値観が違うのは当然です。当たり前だと思っていたことが通じないと、イライラが溜まりますよね。夫...
恋バナ調査隊 2025-04-26 06:00 ラブ
「甘い言葉はバカバカしい」行為嫌いな46歳夫、妻に“演技で”求めた時に気付いたこと
「冷酷と激情のあいだvol.243〜女性編〜」では、夫婦間のレス解消への努力を始めた早織さん(仮名)の迷いをお届けしまし...
並木まき 2025-04-26 06:00 ラブ
45歳女が“夜の営み”作戦に悔やむワケ。友達夫婦の話に刺激されて…
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-04-26 06:00 ラブ
金目当てと罵られ…水商売あがりの女が“禁断不倫”に走るとき「義弟がたまらなく愛しくて」#1
 あまたある不倫でも「身内の婚外恋愛」は珍しくないのかもしれない。  今回取材に応じてくれたのは直美さん(45歳主...
蒼井凜花 2025-04-25 06:00 ラブ
つらすぎる!「40代の大恋愛」が終わっちゃった…別れた後の“ズタボロ”はどう癒せばいい?
 40代で失恋するのは、心身ともにとてもつらいものですよね…。今回は40代の失恋にありがちな別れの理由や、立ち直り方をご...
恋バナ調査隊 2025-04-25 06:00 ラブ
えっ、そんなことで? 勝手な男が語る「飽きる女」の特徴。尽くすのは勘弁…とか何様だよ
「付き合ってもすぐフラれる」「好きな人といい感じになっても連絡が途絶える」と、恋愛が長続きしないことに悩む女性は男性にす...
恋バナ調査隊 2025-04-25 06:00 ラブ
20代イケメン先生めぐりママたちが壮絶バトル…いまやPTAの係決めは新学期の風物詩に
 新入学や新学年の季節。子どもたちも新しい環境で張り詰めている時期ですが、そのウラで保護者のPTA役員決めの熾烈な争いも...
内藤みか 2025-04-24 06:00 ラブ
値上げラッシュで恋も砕けた… 物価高のせいで終わった恋愛エピソード。一方、得したことも?
 どこも値上がり、値上がりで勘弁してほしい! その物価高は、恋愛にも大きく影響しているのだとか…。悲喜こもごもなエピソー...
恋バナ調査隊 2025-04-24 06:00 ラブ
私はATMだった…彼が「お金目当て」と気付いた残酷な5つの瞬間。あんなにラブラブだったのに!
 世間一般的に、お金目当てで異性に近づくのは女性の方が多いと思われがち。でも、実際はお金目当てで女性に近づく男性ももちろ...
恋バナ調査隊 2025-04-23 06:00 ラブ
期待した私がバカだった…特別な日の「がっかりデート」体験談。私服に秒で蛙化、パチ屋で待機ってアリ?
 気張ったバレンタインデーの1カ月後にやって来たホワイトデーのデートに心躍らせていた女性もいるはず。でも、予想外のデート...
恋バナ調査隊 2025-04-22 06:00 ラブ
女をダメにする「メンヘラ製造機」男のヤバすぎる6つの特徴。当てはまったら即逃げて!
 不安が爆発して泣きじゃくったり、ヒステリックになって彼を追い詰めたりする、精神的に不安定なメンヘラ女は男性に敬遠されが...
恋バナ調査隊 2025-04-21 06:00 ラブ