しっかりと真心のこもった「神対応」の握手
筆者もそんな彼女の握手を体験してきた一人だ。おとなしく、返答もままならないようなTVでの姿とは180度打って変わって、前のめりで両手恋人つなぎ、声もリアクションも大きい。力強くファンの手を引き、ファンの老若男女は問わずに自らの顔に寄せる。
ここで大事なことは、彼女の一見「釣り師」的な握手に、しっかりと真心がこもっていることだ。長年アイドルの握手現場を経験してきた筆者は、握手の「神対応」の中にも、売れたくて必死な技術先行の釣り握手と、ファンを本当に大事に思い全力で対応する握手の2種類があることが見てとれるようになった。渡辺はもちろん後者だ。
他の握手会を行う女性アイドルグループのほとんどの場合には、握手を頑張った分だけ人気が上がり、最後列や選抜外からフロント、センターへのし上がることができる。
握手人気や売上枚数は反映されない欅坂46
しかし欅坂46は楽曲の世界観を表現することが最大の目的だ。平手のセンター固定だけでなく、1列目~3列目のポジションも、真ん中だろうが端だろうが握手人気は全く反映されない。ともすれば、握手のモチベーションの低下にも繋がりうる。
それでも渡辺は目の前の、自分の列に並んでくれたファンにいつも全力で心を込めて対応してきた。パフォーマンス重視の欅坂46内でダンスを不得手とする彼女は、フロントメンバーから2列目、3列目と徐々にポジションを下げてしまったが、それでも彼女の握手対応は「ヤバい」「凄い」と評判で常に長蛇の列をなし握手人気トップクラスだ。
またダンスが不得意とはいえ、一貫して努力を怠らず一人居残りで必死に練習する姿を多くのメンバーが目撃している。デビュー当初から比べれば成長度は随一なのではないか。
そんな彼女からはプロ意識が低いとか、甘やかされているだけなどという印象は全く受けない。職人気質のパフォーマンス集団欅坂46でこれまでに厳しい指摘を受けてこなかったとも思えない。
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