デミセクシュアルって? 多様な性が存在することを認識して

うかみ綾乃 小説家
更新日:2020-05-20 11:19
投稿日:2020-05-11 06:00

デミセクシュアルとは

 今回はさまざまなセクシュアルの中から、デミセクシュアルについてお話しします。デミセクシュアルも、最近になって認知されはじめたセクシュアルです。主な特徴としては、以下があげられます。

基本的に恋愛感情や性的欲求がない

 デミセクシュアルはふだんから恋愛欲求、性的欲求を持ちません。恋愛&性の対象を求めないため、合コンや出会い系への興味はなく、ムラムラすることもないので、オナニー欲求も、AVや風俗にも興味もありません。この特徴はアセクシュアルと似ていますが、違うのは、恋愛感情や性的欲求が皆無ではないとの点です。

恋愛感情を抱いた相手にのみ、性的欲求を抱く場合もある

 いったん相手を好きになれば、性的な繋がりを欲する場合もあります。この、恋愛感情を抱くまでに、相当な過程を要します。
 

深い絆と信頼感を得た相手にのみ恋愛感情を覚える

 デミセクシュアルの恋愛は、深い絆を覚えたところから始まります。ルックスで一目惚れすることはなく、短時間の対話でビビッとくることもありません。長い過程をかけて育んだ友情や信頼関係こそが、恋愛の土壌となります。デミセクシュアルの恋愛感情、性的欲求のスイッチは、多くの人よりも深く潜った場所にあるのです。

 ちなみに私の知り合いのデミセクシュアルは、芸能人やアニメのキャラを好きになるにも数年がかかり、ファンになった頃には相手が引退したり話題が薄れていて切なくなることも多いそうです。

好きになる相手は無差別

 デミセクシュアルは好きになる相手に、ルックス、立場、人種、年齢、性別などの、一切のこだわりがありません。

 相手が同性でも既婚者でも、老人でも幼児でも、好きになるときは好きになります。

 そして人形でも石の塊でも……と果てしなく続けると、この場合にもそれぞれセクシュアルの名前があるのですが、自分の特徴に名前がついている、と知るだけで、救われる人は多く、自分の生き方の指針を見つけられるとも思います。

 次回に続きます。

うかみ綾乃
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小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

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