無頓着な夫が急にオシャレ服を…浮気の芽を潰した妻の機転

うかみ綾乃 小説家
更新日:2020-07-02 06:00
投稿日:2020-07-02 06:00

タンスから徐々に消えていく勝負服

 浮気心の芽は早いうちに潰すべき。C子はタンスから、少しずつDのお気に入りの衣服を隠していきました。最初は一着。次は二着。じわじわとDの勝負服を奪い、それらを自分の勤め先のロッカーに隠伏します。ときたまDが、「あれ、あのシャツってどこ?」と訊いてきます。C子はとぼけて「知らな〜い」。

 洋服が減るにつれてDも不審がります。でも後ろめたさがある以上、やぶへびを突くような真似はしてきません。代わりに黙って自分のお小遣いで新しい衣服を購入しています。C子はそれらも容赦なく隠します。

 Dのタンスがどんどん淋しくなりました。やがて残っているのは、着古した数着の普段着と喪服だけとなりました。ようやく事態を飲み込み、観念したD。ある日、おずおずとした様子で声をかけてきました。

「今度の日曜、一緒に買い物に行かない? 僕の服、またC子に選んでほしいな」

 C子はにっこりと答えました。

「いいね。久しぶりのデートだね」

 Dは休日にLINEをすることもなくなりました。アルバイトの女の子にも脈がなかったのでしょう。C子は徐々に、彼のタンスに衣服を戻していきました。いっぺんにではなく、半年くらいかけてじわじわと。一着を戻すたびに、「わかってるな。私はわかってるよ」と無言の重圧をかけながら。

 という、ちょっと怖くもあるC子の態度ですが、アルバイトの女の子にとっても、既婚者社員にちょっかいをかけられていたところを救われたことにもなり、平和で穏便な解決ができて良かったと思います。

 さて、夫(彼氏)の浮気を未然に潰した女性たちのエピソードをふたつ紹介しましたが、これらは相手の女性にその気がなかったから成立したことで、中には浮気が実体化するケースもあります。

 そのとき、妻たちはどうしたか。続けて書かせていただきます。

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

関連キーワード

ラブ 新着一覧


婚活で譲れない条件4つ…身の程を知った上で高望みでもない。ただ急ぐあまり、見逃さないで
「身の程を知れ」、「高望みするな」。婚活をしているととにかく「理想を高く掲げてはいけない」と言われますよね。もちろん自分...
恋バナ調査隊 2025-01-29 06:00 ラブ
夫に隠していることの一つや二つ…? 夫婦であっても隠したくなる8つの話
 夫婦だからといってすべてオープンに話すわけではないでしょう。特に自分が不利になること、夫に知られたらマズいことは、たと...
恋バナ調査隊 2025-01-29 06:00 ラブ
「夫よ、当たり前と思わないで!」妻たちが抱える不満6選。いくつ共感できますか?
 今回は「夫よ、当たり前と思わないで!」という妻たちの悲鳴に近い不満を集めました。あなたにはどんな不満がありますか? き...
恋バナ調査隊 2025-01-28 06:00 ラブ
不倫経験者の男性を彼氏にする4つのリスク。それでも交際継続を見極めるポイントは?
 気になっている彼、あるいはすでに付き合っている彼が不倫経験者なら、この先のリスクを覚悟しておくべきかもしれません。リス...
恋バナ調査隊 2025-01-27 06:00 ラブ
「俺の体に悪いものは入れたくない」姉の占いで“すべて”を決める45歳男性、シスコン疑惑を否定するが…
「冷酷と激情のあいだvol.230〜女性編〜」では、結婚前提で同棲中の恋人・ヨウジさん(45歳・仮名)がベッドインの日程...
並木まき 2025-01-25 06:00 ラブ
衝撃!恋人が夜の営みを占い師の姉に相談していた…。“将来の夫と小姑”に幻滅する35歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-01-25 06:00 ラブ
サレ妻回避! 不倫男たちの身勝手な理由10選。カリギュラ効果で“隠れ常習”の可能性も?
 世の中には、隠れて不倫している男性がごまんと存在します。大人の女性なら「男ってそんなもんだろうな」と、薄々気づいている...
恋バナ調査隊 2025-01-25 06:00 ラブ
15歳下の不倫男に“頂き男子”の匂い。私は色ボケATMの女医ですか #4
 久美さん(36歳大学病院勤務医/既婚・子供なし)は、医師として仕事に邁進する日々だったが、母がガンで亡くなったことで人...
蒼井凜花 2025-03-03 19:09 ラブ
夫からのうれしかったサプライズ5選。アラフォー女性が思わず惚れ直した“ブツ”は?
 今回は、女性たちに「夫にされてうれしかったサプライズ」を聞いてみました。意外にも「高価なものをプレゼントをされた」とい...
恋バナ調査隊 2025-01-24 06:00 ラブ
「芸能人と知り合いたい、恋愛したい…」アラサー上京女子が選んだ3カ所のバイト先とその顛末
 芸能人や有名人と付き合ってみたいと考える女性は少なくありませんが、どこに行ったら有名人に接近できるのか分からず、遭遇す...
内藤みか 2025-01-23 06:00 ラブ
元カノの話をする男性の心理6選。モテ自慢? 脈なし? 判断するのに大事なこと
 聞いてもないのに自分の元カノの話ばかりをする男性、いますよね。何かと元カノの話をしてくる男性は何を考えているのか、気に...
恋バナ調査隊 2025-01-23 06:00 ラブ
真っ裸で「俺、プレゼント」と言われても喜ぶべき? 夫からのうざいサプライズ5選
 女心をよく理解していない男性は、妻に“うざいサプライズ”を仕掛けることがあるようです。夫からこんなサプライズをされたら...
恋バナ調査隊 2025-01-23 06:00 ラブ
これって離婚理由になる? 夫に隠されていたこと5選。「知らぬが仏」でいいのかっ
 信頼している夫の秘密を知ったとき、あなたは冷静でいられるでしょうか? 今回は“夫に隠されていたこと”をエピソードととも...
恋バナ調査隊 2025-01-21 06:00 ラブ
「俺の妻としての評価と、母親との相性は別物ですよね?」悪化する嫁姑関係を傍観する42歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.229〜女性編〜」では、コロナ禍が明けて義実家との接点が増え、義母の干渉に悩む加恵さん(42...
並木まき 2025-01-18 06:00 ラブ
「義実家からの第二子への圧、義母の小言が止まりません…」離婚の2文字が頭をよぎる42歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-01-18 06:00 ラブ