電話の主は意外な人物…浮かび上がった“怪しい女性”の存在

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-08-11 14:52
投稿日:2020-08-04 06:00

白い封筒の差出人と関係が?

「それで咲子さん、最近、陽介は元気にしてるの? 実はね……、先日陽介宛に、女性の声で電話がかかってきてね……」

 安堵したのも、つかの間。咲子は、義母の言葉を疑った。

(え……!? 陽介宛に、女性から電話? しかも実家に!?)

「お義母さん、その電話は誰からだったんですか……? 陽介さんは、元気にしていますよ。最近はリモートワークと出勤とで以前より家にいる時間が増えているので、本人は少し太ったとは言ってますけど。それで、その電話ってどんな用件だったんですか?」

(まさか白い封筒の差出人……? 最近の不倫女性は大胆な人もいると聞くし、実家に探りを入れたかったのかしら……?)

 義母には平静を装った口ぶりで対応している咲子だが、当然ながら、心中は穏やかではいられない。義母からの返事を待つわずかな時間にも、心を落ち着かせようとリビングの窓の先に広がる栗林を見ながら、深呼吸をして心を整える。

「それがねぇ、陽介は結婚して関東にいますって伝えたら『そうですか』とだけ言って切られちゃったの。どちら様なのかも聞いたんだけど、答えてくれなくてね……。それで、陽介が変なトラブルに巻き込まれていないといいけどって心配になって、まずは咲子さんに電話をしてみたのよ!」

 陽気な声を出しているわりに、義母から飛び出す話は深刻だ。必要以上に暗くならないように、わざと明るい声色で話しているのかもしれないが、そんな義母の様子が、今の咲子には少し癇に触る。

夫の実家に電話をかけた女性は誰なのか

「そうですか……。お義母さん、その電話はいつかかってきたんですか?」

「えーっとね、先週の……。あぁ、水曜日の夕方だわ。ちょうど、スイミング教室から帰ってきたときに電話がかかってきたから、たぶん夕方の4時半頃だわねぇ」

 不自然な差出人からの封書が、自宅に届いたのは今日。怪しげな女性からの電話が夫の実家にかかったのが先週。咲子の直感が、(この電話は、絶対に封筒の件と関係がある)と騒ぎ始めた。

「お義母さん……。そのときの電話の主の番号が、ナンバーディスプレイに残っていませんか?」

 義母に動揺を悟られないよう、できるだけ穏やかな口調を心がけながらも、内心では怒りが収まらない咲子。

(どこの誰なの、その女はーー。実家に電話なんて、ずいぶん大胆なことをしてくれるじゃないの!)

 夫と結婚してはや数年、初めての浮気疑惑に戸惑いながらも、果敢に立ち向かおうと決意する咲子。リビングにはうっすらと西陽が差し込み始め、夫の陽介がこよなく愛している栗林は黄金色に染まっていた。

 夫の実家に電話をかけた女性は誰……? 次回に続きます。

【取材協力】
富田不動産株式会社
千葉県市川市大野町2-232
TEL:047-338-1351/FAX:047-338-6408
HP:http://www.tomitafudosan.jp/

株式会社岡村工務店
東京都江戸川区瑞江2-21-5
TEL:03-3679-5582/FAX:03-3679-5574
URL:http://www.yoi-sumai.com

【並木まきオンラインサロン】スマホ時間で毎日を楽しく!

 コクハク内の並木まき公式オンラインサロン「#まきコク」では、現在新規メンバーを募集中。

 自宅でライタースキルの資格が取得でき、大好評の「オンラインライター講座」、悩める妻をサポートする「集まれ!毒義母の森~ヨメノミカタプロジェクト~」など多彩なコンテンツ。

 いつものスマホ時間を使って自分磨きしてみませんか?

↓詳細はこちら↓
https://salon.kokuhaku.love/namikimaki

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

ライフスタイル 新着一覧


ロボット掃除機より優秀!? “激落ちくん”のお掃除スリッパが突き付けた我が家の床の現実
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
私の心が狭いのか? 甥っ子が放った「お金持ちだから好き」発言にモヤモヤした話
 あっという間に、9月ですね。早い! 夏休みの帰省で姪っ子や甥っ子に会った方も多いのでは。  筆者にも、5歳の甥っ子が...
テーブル下でこっそり放熱中…ステンレスで涼をとる賢い“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どものいない祭り
 都会の喧騒の中で見つけた祭り。  そこにははしゃぐ子どもの姿はなかった。  たまにはいいかな、自分のためだ...
ほっこり癒し漫画/第81回「センセッ ジカンデスヨッ」
【連載第81回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「鉄漿」って読める? ヒント:最古のメイク
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
子ども同士のLINEにもドラマが!将来の夢はスパイに忍者…ピュアな感じがたまらん
 最近では、小学生でもスマホを持っている子が増えていますよね。連絡ツールとして友達とLINEを使いこなし、時代は変わった...
女はお嫁さん要員? 年収800万でも「行き遅れ」と見下される田舎の地獄
 西新宿の高層ビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、悠々自...
毒親の介護をしたくない 実家から逃げた女が「決別」のため払った金額は
 西新宿のビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、おひとりさ...
田舎を捨てた「独身女」は不幸ですか 絶縁した家族が来て…今さら何の用?
 いまだ残暑が残る9月の初め。月曜日のAM7:30。  すでに汗ばむ陽気に包まれながら、西村咲子は新宿西口の高層ビ...
職場で飛び交う「大人のちくちく言葉」4選。無意識に同僚・後輩のモチベを下げてない?
 人の気持ちを不快にさせる、ちくちく言葉。子どものちくちく言葉は「アホ」「バカ」「マヌケ」などストレートですが、大人にな...
“たまたま”に見覚えあり!尾道市立美術館の「ケンちゃん」ではないかぃ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
大優勝!秋から元気な“開運最強”花5選。一輪挿しでも存在感たっぷりで映える1本を紹介
 台風10号の遠隔豪雨は、神奈川にあります猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも様々な影響を及ぼしました。大雨を睨みなが...
みんなどうしてる? 大地震の経験者が語る我が家のリアルな地震対策7選
 南海トラフ地震の危機感が高まる中、「我が家も地震対策を見直さないと」と思っている人は増えているようです。ただ、実際に被...
バツイチ女一匹「昭和の意地」を捨てたおじさまから商店会会長を任されましたよ…!
 前回、ポンコツ商店会再起動という渦に巻き込まれた私。とりあえず、様々な問題解決のため、床屋さんと元酒屋さんとの密なミー...
猫飼う40独女が準備する「防災グッズ」元カレのアレと被災した親の経験談が沁みる…
 9月1日は「防災の日」でした。地震や台風などに対する不安が高まっている今、災害に備えていますか? 私は、しなきゃしなき...