メンバーは欅坂46改名をどう受け止めたのか
映画公開が発表されたのは、平手らが脱退・卒業発表した今年1月23日直後。前述の通り、平手脱退に最も重きを置いたドキュメンタリー映画になる予定だったのだろう。
しかし先月、欅坂46初の無観客オンラインライブ「KEYAKIZAKA 46 Live Online, but with YOU!」で突如、今年10月に“欅坂46”の名前と前向きなお別れをし、その後改名することが発表された。今年4月公開予定だった映画が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されている間に、平手脱退と同等かそれ以上の重大な発表がなされてしまったのだ。メンバーは残るとはいえ、欅坂46の歴史は幕を閉じる。
映画公開が延期されている間もその重大な出来事にまつわるメンバーの動きは記録され続け、9月の公開時にはその部分が追加されることになった。
以前の記事(平手&欅坂46 ドキュメンタリーと新体制をヲタ目線で熱烈分析)で筆者は今年2月に解禁になっていた「誰がその鐘を鳴らすのか?」(今月21日配信リリース)で平手抜きの欅坂46メンバーたちが新しい第2章を踏み出すことを期待していた。この楽曲解禁時、メンバーも同じく新体制の“欅坂46”での再出発を待ち望んでいたのか。はたまた当時から改名を視野に入れながら動いていたのか。
前述のオンラインライブではキャプテン菅井友香(24)が“すぐに受け入れられるメンバーばかりではなかった”、“スタッフ、メンバーみんなと話し合った結果”という主旨の発言をしており、平手脱退以降に運営から提案された再出発のための改名への葛藤も描かれるだろう。デビューから愛着があり偉大な記録を打ち立ててきた“欅坂46”と決別し、いかにメンバー達が前を向けるまでになったのかも注目したい。
どんな内情も吹き飛ばす 欅坂46圧巻のライブパフォーマンス
最後に、この映画は欅坂46の舞台裏だけでなく、未公開だったライブ映像も多く含んだ“音楽映画”とも銘打たれている。予告編では単独ライブで一度だけ披露された昨年5月開催の武道館千秋楽アンコールでの「黒い羊」のパフォーマンスも見受けられる。アイドルのライブというより一つの劇のような鬼気迫るパフォーマンス。まさに魂を削りながらメンバーが一丸となって楽曲の世界観を体現する姿がそこにはある。
ストイックすぎるほどに楽曲を表現することにこだわってきた平手や欅坂46。その内情がどんなものであったとしても彼女たちが素晴らしい作品、パフォーマンスを残したことに変わりはないという証がこの映画に刻まれているだろう。
ファンはもちろん、興味本位で見に行くであろう多くの一般の人々にこそ、見終わって彼女たちを応援したいと思ってもらえる作品になっているはずだ。
※最初に公開された予告編に、改名を巡る動きも追加された新予告編/TOHO Visual Entertainment 公式YouTube 「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」新予告編よりエンタメ 新着一覧