浮気疑惑だけでこんなに苦しいの?
「ちょっとお風呂してくるね。疲れちゃってたら、先に寝室に行って寝ててね」
陽介と離れてひとりで考え事をしたい咲子は、陽介からの返事を待たずに、早々にリビングを立ち去る。
(今日は本当に奇妙なことばかり起こるなぁ……。白い手紙といい、お義母さんからの電話、それに陽介は変なこと言い出すし……)
今日起きたことをひとつひとつ思い出しながら、咲子はモヤモヤした頭を少しでもスッキリさせたくて、バスタブに頭ごと潜る。
このバスルームも、咲子が気に入っている空間で、自然に調和する白色を基調に、シンプルながらも落ち着く造りにこだわった。
バスルームの天井からは、やさしい灯りが咲子を照らす。
(はぁ〜っ。夫の浮気疑惑が浮上するだけで、妻ってこんなにしんどいんだなぁ。
しばらく陽介の様子を見ようと思っていたけれど、こんなにしんどいなら、早く白黒はっきりつけたほうがいいのかなぁ)
答えの出ない悩みに、咲子はいったん頭を切り替えようと、気に入っているバススクラブに手を伸ばした。
妻の一言に夫は顔色を変えた
入浴を終え、リビングに戻ってくると陽介の姿はない。
(こっちはいろいろ考えてしんどいっていう時に、陽介は呑気でいいわよね!
私になんにもバレていないとでも思っているのかなぁ)
すでに咲子の頭の中では、夫の浮気疑惑から、直感的な確信に変わりつつあり、いつも通りに生活を送っている夫の様子に苛立ちさえ覚えるようになっていた。
「とりあえず、私も今日は早めに寝るかな」
独り言をつぶやくと、咲子は夫がいる階上の寝室へと向かった。
ガチャッ……。寝室のドアを開けると、スマホをいじっている陽介が顔を上げた。
「お。風呂上がったの?」
そのとき−−。咲子の中で、衝動的に、自分でも予想もしていなかった言葉が口をついた。
「あのさ、陽介。単刀直入に聞くけど、私に言えないことしているんじゃない?
今なら怒らないから、ちょっと話してもらえるかな……」
咲子の言葉を聞いた陽介の顔色が一瞬で変わった。その顔には困惑と焦りが混じり、これまでに見たこともないような不可解な表情を浮かべた夫の姿があった−−。
咲子は、夫から白い封筒の真相を聞き出せるのか!?
いよいよ次回、最終回に続きます。
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