ついに夫婦が直接対決! 妻に問い詰められた夫が語った真実

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-09-01 06:05
投稿日:2020-09-01 06:00

差出人はまさかの元カノ?

「これな……、咲子が心配するものではないんだけど、だけど、わざわざ見たいものでもないはずなんだよな。まさか本当に届くとは俺も思っていなかったからさ……、正直ものすごくびっくりしてる。これはね……、ごめん。元カノからの手紙なんだよね」

 封を開けたわけでもないのに、陽介はなぜか中身が何であるのかをわかっているような口ぶりだ。

「えっ? 元カノ……? どういうこと!?」

 夫が現在進行形で浮気をしているに違いないと思っていた咲子は、夫からの予想外の言葉に拍子抜けした。

「これなぁ……、昔、地元にいた頃に付き合ってた子と、ふざけて貯めていた結婚資金の通帳。その時はお互い真剣に付き合ってたから、バイト代からせっせとふたりで貯金貯めてたんだよ。それで別れるときに、貯まったお金どうする? ってなってさ……。そうしたら、この元カノが『陽ちゃんが結婚したのを知ったら、お祝いとして通帳ごと送るよ!』って、言ってたんだよな……」

 陽介は封筒の中身を見なくても、そこに何が入っているかわかっていたようだ。しかし、なぜ元恋人である女性に、陽介たちが引っ越してきた新居の住所が分かったのだろうか。咲子はその疑問を夫にぶつけた。

「実は先週、地元の仲間から連絡あって。『元カノのちぃちゃんが、俺の住所をどうしても知りたいって言うから教えちゃった』って、謝られたんだよな。だから、その話を聞いた時から、ひょっとしてあのときの通帳を本当に送ってくるんじゃないかって思ってたってわけ……」

 ここまでの陽介の話に、どうやら嘘はなさそうだ。咲子は、ほんの数時間とはいえ、白い封筒の中身も確認しないままに夫の浮気を疑った自分を反省した。

「そっか〜! なーんだ。そういうことなのね!? 本当によかった! 陽介が浮気してるんじゃないかって心配で仕方なくて、頭がおかしくなりそうだったんだから!!」

 不審な封筒の真相がわかり、さっきまでのモヤモヤした感情が嘘のように消え、すっかり心が晴れた咲子。どうやら今回の疑惑は、すべて取り越し苦労だったようだ。

「ねぇねぇ。じゃあ今、一緒にこれ開けてみよう……?」

 いつものいたずらっぽい表情に戻った咲子は、陽介の隣に腰掛けた。ふたりで顔を見合わせると、思わずゲラゲラと笑い声が溢れた。

 夫婦2人で手に入れた念願のスイートホーム。庭からリビングにそよぐ風が秋の訪れを告げていた――。

(完)

【取材協力】
富田不動産株式会社
千葉県市川市大野町2-232
TEL:047-338-1351/FAX:047-338-6408
HP:http://www.tomitafudosan.jp/

株式会社岡村工務店
東京都江戸川区瑞江2-21-5
TEL:03-3679-5582/FAX:03-3679-5574
URL:http://www.yoi-sumai.com

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

ラブ 新着一覧


え、何ナニ? 夜の生活までオドオドビクビク…10歳上彼氏の異常な気遣いに嫌悪感を抱く40女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-11-16 06:00 ラブ
セックスレス無縁夫婦は存在する…。レス回避4つの掟&グッとくる3つの誘い文句
「出産してからほとんどセックスしてない…」と、レスに悩んでいる夫婦は多い様子。しかし反対に、レスとは無縁の夫婦が存在する...
恋バナ調査隊 2024-11-16 06:00 ラブ
鈴木紗理奈まさかの不倫疑惑報道【弁護士解説】「妻がいたら怖いから聞かない」も過失になり得る
 タレントの鈴木紗理奈(47)の不倫交際疑惑が世間を騒がせている。14日発売の週刊文春によれば、鈴木は約1年前に知人の紹...
“レス夫は同居人”と割り切る40代主婦の告白「まさか女性に惹かれるなんて…」#1
 近年、LGBTが当然のように謳われている。自身の性の自認をためらうことなくオープンにできる時代となった。そんな中、初め...
蒼井凜花 2024-11-15 06:00 ラブ
夫婦喧嘩の“テッパン仲直りワード”6選。「ごめん」が言い出せない時、あるよね
 夫婦喧嘩が長引くのはストレスですよね。とはいえ、気が知れた家族だからこそ「ごめん」の一言を言うのが難しい場合もあるもの...
恋バナ調査隊 2024-11-15 06:00 ラブ
痛い目に遭わない「担当ホスト」4つの見つけ方。ホストクラブ乱立、近年急増する意外な展開も…
 ホストクラブ乱立のため、ホストの人数も増えています。そうなると、指名ホストを選ぶ側の女性も「どの店の誰にしよう?」とか...
内藤みか 2024-11-14 06:00 ラブ
「マチアプ疲れ」7つの原因。優しい女性ほどドツボに…場合によっては休憩も必要
「恋愛したい」「結婚したい」と思い、出会いを求めてマチアプを利用している人は多いでしょう。  でも“マチアプ疲れ”を感...
恋バナ調査隊 2024-11-14 06:00 ラブ
女が彼氏を家に呼びたくない4つの理由と無難な断り方。その悩み、あなただけじゃないよ
 誰よりも大好きで大切な彼氏。でも「どんなに好きでも、自分の家には呼びたくない!」と彼氏が自宅に来るのに嫌悪感を抱いてし...
恋バナ調査隊 2024-11-12 06:00 ラブ
新婚旅行、あなたは行く派or行かない派? 両サイドの意見を聞いてみた
 夫婦になった2人の最初の思い出づくりの場、新婚旅行。「新婚旅行は絶対行かなきゃ!」と張り切る夫婦もいる一方で「新婚旅行...
恋バナ調査隊 2024-11-11 06:00 ラブ
ウチの夫ができないこと6選。妻の不満爆発! いい年してそんなこともできないの?
 あなたの夫ができないことはなんですか? 今回は“うちの夫ができないこと”をテーマに、妻たちが抱える不満をご紹介します。...
恋バナ調査隊 2024-11-10 06:00 ラブ
《やっぱりそうなるか》3児の母・菊川怜が離婚…結婚生活がうまくいかない男の特徴は?
 女優の菊川怜(46)が6日、自身のインスタグラムを更新。2017年4月に結婚した実業家の穐田(あきた)誉輝氏(55)と...
「笑ってくれなくても妻が好き」事実婚を解消できない人見知り男の悲哀
「冷酷と激情のあいだvol.220〜女性編〜」では、事実婚の夫であるトシカズさん(46歳・仮名)が、家のことについて毎回...
並木まき 2024-11-09 06:00 ラブ
事実婚夫の「やらされてる」感アピが許せない! 46歳女は“完全無視”作戦も視野に
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-11-09 06:00 ラブ
マッチングアプリのデートを早く切り上げたい! 違和感→自然と撤収するマル秘テク
 マッチングアプリでやりとりをしてなんとかデートに漕ぎ着けたものの、いざ会ってみると「なんか思っていた人と違う…」「さっ...
恋バナ調査隊 2024-11-09 06:00 ラブ
「ちゃんと愛してもらえた?」シャワー禁止のミッションで芽生えたある感情 #3
 真理子さん(仮名・32歳ホステス/独身)は、現在不倫中。お相手はクラブのお客様である亮平さん(仮名・45歳建築会社社長...
蒼井凜花 2024-11-08 06:00 ラブ
婚活女性の問題7選。結婚したいのに気持ちが追いつかない原因はなに?
 結婚したくて婚活しているものの、なかなか「好き」という感情が湧かず苦戦している女性は少なくないようです。なぜ気持ちが追...
恋バナ調査隊 2024-11-08 06:00 ラブ