悲しみに暮れる人を慰める枕花とは…人の優しさと花のチカラ

斑目茂美 開運花師
更新日:2020-10-28 06:00
投稿日:2020-10-28 06:00

「枕花」ってなんですか?

 唐突でございますが、アナタは「枕花(まくらばな)」という言葉をご存知でございますか?

「枕花」とは、亡くなってからお通夜まで故人の枕元で飾られるお花のことでございます。「供花(くげ、きょうか)」とは違うの? と疑問に思ったアナタ。故人に思いを馳せて飾られる花、という点では同じではございますが、時間と場所に違いがございます。  

「枕花」は、亡くなってすぐからお通夜まで故人の枕元でご自宅に飾られるお花。「供花」は、お葬式の会場にて飾られるお花のことでございます。

 コロナ禍の今年は、従来のお葬式が様変わりいたしました。もちろんお土地柄の違いも多少ございますが、それでも確実に縮小方向であることは間違いございません。お通夜から本葬という2日間の流れが本葬のみ1日になったり、密葬や家族葬などの参列者の制限。あるいはそれすらなくなって、「直葬」と呼ばれる焼場でのお別れのみ……というご遺族の選択が増えてまいりました。

「近しい人が亡くなる」という信じがたい事実を受け入れるだけでもエネルギーが必要なのに、「お葬式」という、ある日突然唐突にやってくる大イベントを短期間で乗り越えるという大きな負担って、実際ご遺族にとってはどうなのかな……と、思っておりました。

 お花屋さんとして口にしてはいけないことなのかもしれませんが、自分の経験値から言っても、悲しみの淵に無理やり立たされている時に正直辛いよぁ、と思っていたところがございます。もちろん、可能な方もいらっしゃいますし、考え方は人それぞれでございますが。

 しかし、昨今のお葬式事情だからというだけではなく、最近「おや?」と気がついたことがございます。それは「枕花」という、ある意味ちょっと制限のあるお花をお買い求めになる若者が増えてきた、ということでございます。

「あの〜、ばーちゃんが死んじゃったんでぇ、ばーちゃんが家に帰ってくる前に花でも飾ってやろうかって孫たちで話してたんっすけどぉ、どうやって頼めばいいのかわかんなくて、どうしたらいいっすか?」などと言いながら、孫一同がゾロゾロとご来店なさったり、「お葬式がないから、せめてお花だけでも届けたいと思って……」と言いながらご来店なさる若者が、よくいらっしゃるようになりました。

 そんな、「花を贈りたいけれど、どうやって頼めばよいかわからない」という場面に遭遇したアナタにお教えさせていただきます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


愛に犠牲はつきものなのよ…無類の猫好きが諦めた4つのこと
 自他ともに認める猫好きです。思えば人生の半分以上の時間を猫と一緒に過ごしてきました。うれしいときも、悲しいときもいつも...
U1000円のファブリックミストは香水の代わりになる? 3商品で実験
 物価高っていつまで続くんでしょうか。いろんなものが値上げされて、お財布が大ピンチ。  筆者が大好きな香水も、結構いい...
40代女性のソロキャンプ 最低限の持ち物&防犯面で気を付けたいこと
 大自然の中、自分と向き合い、静かで何もない時間を過ごせるソロキャンプ。忙しい日々から逃れ、内面を丁寧に整えたい40代女...
開運の実「イイギリ」はお正月限定ではない!クリスマスも守ってくれる
 クリスマスやお正月などイベントづくしの12月。今回はお正月の生け込みには欠かせない開運素材「イイギリ」のお話です。名前...
電話の声似すぎ問題でお母さんも大混乱! 仲良し姉妹LINEあるある3選
 仲の良い姉妹に憧れる人は多いですよね。実際に、仲の良い姉妹は、成人して家を出ても頻繁にLINEのやりとりをする仲良し姉...
年齢差感じる“トンデモ新入社員”の珍行動 あちこちマイペースすぎん?
 仕事に対する姿勢は、年代によって大きく違います。そのため「仕事とはこうあるべき」と信念を持って進めてきたお局や大先輩た...
隣に誰かがいるのに「人恋しい」と思ってしまうこと、ない?
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
40女、無印良品でクリスマススワッグづくりに人生初挑戦!
 クリスマスシーズン到来。40半ば、人生初のクリスマススワッグづくりに挑戦してきました。おいおい自分、丁寧な暮らしをして...
独身友人が“メンタル落ち”に…結婚しないなら孤独を避けよ!
 セックスレスや婚外恋愛、セルフプレジャーをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  現代は、結婚する・し...
つーかなんであの子が? 同僚への嫉妬心の抑え方と嫉妬された時の対処法
 同期入社の同僚でも、時が経つと仕事ができる人、できない人、差が出てきますよね。中には、同僚に嫉妬してしまう、もしくは嫉...
猫島の美しい光景…探検ごっこで美少年“たまたま”が見張り番
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ストレスで声が出ない…急遽ソロ参戦した夫の「親子遠足」で学んだこと
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
いじめてる? 抱きしめてる? 君たちにはどう見えるか?
 どちらにみえるかは、そのときの自分の心の持ちようで見え方が変わりそう。  きっと、それって狛犬だけの話じゃなくて...
「嬲ると嫐る」“本家”はどっち?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり読み切り漫画/第62回「おとこまえ ダンシ会」
【連載第62回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
流鉄・幸谷駅で発見!「猫のコーヒー」自販機で出合った癒しの紙コップ
 千葉県の松戸市と流山市を結ぶ、6駅しかない小さなローカル線、流鉄流山線。常磐線と武蔵野線につながるJR新松戸駅への乗り...