白石麻衣卒業 いじめ・不遇乗り越えた乃木坂46隆盛の立役者

こじらぶ ライター
更新日:2020-10-31 09:21
投稿日:2020-10-31 06:00

単独センターのシンクロニシティでレコ大V2

 18年には生駒や西野など乃木坂46の創成期を支えた同期が次々と卒業していく。その頃には白石自身も写真集「パスポート」が爆発的大ヒットを記録したり、CM女王になるなど個人でも活躍し、名実ともにアイドル界のトップに到達していた。だが、グループのために卒業を思いとどまった。同年末には白石が単独でセンターを務めた「シンクロニシティ」でレコ大連覇を果たした。

 今では乃木坂46の“顔”としてのイメージが強いが、意外にも白石のセンター回数はグループ歴代3位だ。1位の西野が在籍7年半で7回、2位の生駒が在籍7年で6回。白石は在籍9年で5回(最新の配信シングルを含めると次のエース齋藤も同様)。

 それでも白石センター曲のレコ大受賞率は5回中2回。いかに彼女が長くグループのために出過ぎることなく、しかし要所を押さえながら貢献してきたかが分かる。

白石の握手列は平時で8時間待ちも

 加入したての3期生、4期生がセンターに抜擢されていく中でも白石がそばにいることで、グループの安定感が揺らぐことはなかった。その人気と美貌におごることなく、グループ冠番組では身体を張ったり、ひょうきんな一面を見せ笑いもとって後輩の手本となった。多くの人気メンバーの卒業を見送りながらも同時に後進が育っていく手助けをし、乃木坂46の先頭を走り続けた。

 グループや白石個人の人気が爆発していくにつれ、彼女の握手列は空前絶後の規模になっていた。最初期の「待ち時間無し」から1時間待ち、3時間待ちとどんどん伸び、後期には8時間待ちもあった。卒業発表などしていない平時でそれだけの集客をし、対応し続けた白石には頭が下がる思いだ。疲れも見せず、常に笑顔で神対応なところは変わることはなかった。

乃木坂46、欅坂46、日向坂46の中央で舞う

 後輩が育ったことを確認し、今年初頭ついに白石は卒業を発表。その直前の19年NHK紅白歌合戦では「シンクロニシティ」を坂道シリーズの後輩である欅坂46、日向坂46と合同で披露した。乃木坂46ファンからは、他の2グループがそれぞれ単独でも持ち曲を披露するのに不公平だという声もあがった。それでも白石は自身のグループだけでなく、坂道シリーズ全体の繁栄を象徴するようにそのセンターで舞った。

 おそらく、自分ばかりが注目されないようにか、卒業発表は紅白前ではなく年明けになった。後輩グループもすでに大きな人気を獲得していたが、彼女や乃木坂46に憧れてオーディションを受けたメンバーはとても多い。現在の「坂道隆盛を築いた立役者」といっても過言ではないだろう。

 彼女が残した功績にふさわしく、5月に東京ドーム3daysでの卒業ライブが予定されていた。しかしコロナ禍でそれは幻と化す。と同時に、ファンとの交流型アイドルである乃木坂46にとって握手会・ライブ開催ができないという一番のピンチを迎えた。白石は当初の卒業予定を伸ばし、音楽特番など随所でグループ活動に参加した。このことで乃木坂46から離れなかったファンがどれだけいるだろうか。

ここまで乃木坂46に残ってくれてありがとう

 28日の卒業ライブは無観客だったが、結果的に配信ライブとなったことで本来なら会場で見ることができなかった国内外のファンも含め、推定68万人が視聴できた。白石人気を裏付けただけでなく、乃木坂46をあまり知らない一般層にも後輩を披露する形となった。

 アイドル最後のライブまで、常にファンを気遣いプロフェッショナルであり続けた。同期に愛され、後輩からの人望も絶大だ。ライブ冒頭からのメンバーたちの早すぎる号泣の嵐がそれを物語っていた。彼女のファンだけでなく、他メンバーの多くのファンからも、「ここまで乃木坂46に残ってくれてありがとう」と感謝と労いの言葉がネット上に溢れた。

 白石自身が開設しているYouTubeチャンネルの登録者数は2カ月で115万人に上っている。卒業後も女優やモデルとしてだけでなく、インフルエンサーとして君臨し続けるだろう。彼女が抜けた乃木坂46ではすでに次世代のエースたちが躍進している。

 置かれた場所で常に全力を尽くし模範であり続けた白石に心からの賛辞を贈りたい。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


フワちゃん炎上で再評価? 竹内涼真ら「誤爆」で好感度が上がった芸能人
 タレントのフワちゃん(30)がお笑い芸人のやす子(25)に向けて放った暴言が大きな騒動を巻き起こしている。8月4日、X...
【写真特集】懐かしい!16年前の渡辺梓さん
  【この写真の本文に戻る⇒】「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になって...
「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になっていた
 リモートワークの日は、羽鳥さんのモーニングショーからそのまま「じゅん散歩」(月〜金曜9時55分、テレビ朝日系)を見るの...
「クソばばあ」に「クソ小僧」、涼子のリアクションにも注目
 寅子(伊藤沙莉)は、戦争によって航一(岡田将生)が背負った苦しみに寄り添いたいと思う。  一方、寅子から「よりど...
桧山珠美 2024-08-08 16:37 エンタメ
早くも“NHK御用達俳優”の片鱗が?「虎に翼」出演の岡部ひろきはそんじょそこらの2世俳優とは違う
 1日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系・読売テレビ制作)に故・西城秀樹さんの息子・木本慎之介(20)が出ていました...
なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力
 芸歴10年以下のお笑い賞レース「ABCお笑いグランプリ」(テレビ朝日系/以下ABC)が7月7日に開催。M-1に続き、令...
帽子田 2024-08-03 06:00 エンタメ
航一の秘密、明かされる。久々の回想シーンでも発揮した直道の顔芸パワー
 判決後、涼子(桜井ユキ)の店で寅子(伊藤沙莉)らと杉田(高橋克実)たちは偶然顔を合わせる。  戦争で娘と孫を亡く...
桧山珠美 2024-08-02 16:00 エンタメ
【写真特集】ワンピース姿を披露する、珍しく清楚なあやまん監督
【この写真の本文に戻る⇒】 【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない...
優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず...
桧山珠美 2024-07-31 16:30 エンタメ
赤いミサンガの女・美佐江、来た~!“放置エピソード”の回収がお見事
 寅子(伊藤沙莉)と優未(竹澤咲子)の姿を見ていきなり号泣した杉田(高橋克実)。実は杉田は昭和20年の長岡空襲で娘と孫を...
桧山珠美 2024-07-29 16:45 エンタメ
目黒、ニノを“沼落ち”続出の松村北斗「西園寺さん」が猛追!視聴率やTVerではない意外なデータが急上昇
 7月も後半に入り、2024年夏期主要ドラマの初回がほぼ出揃った。その中でも特に、STARTO ENTERTAINMEN...
こじらぶ 2024-07-27 06:00 エンタメ
「ごめんなさい」を連呼する航一。“戦時中の何か”は来週判明する?
 玉(羽瀬川なぎ)の将来を奪ったのは自分だと、涼子(桜井ユキ)も悩んでいた。寅子(伊藤沙莉)は2人の決断を応援するため、...
桧山珠美 2024-07-29 15:49 エンタメ
涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味
 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。  出勤すると、杉田(高橋克実...
桧山珠美 2024-07-23 15:45 エンタメ
夏ドラマ何見てる?『新宿野戦病院』『ブラックペアン2』への本音を調査
 2024年7月スタートの夏ドラマが出揃ってきましたね。今期もたくさんのドラマが放送していて、どれを見ればいいのかわから...
“カウンセラー”星航一(岡田将生)、ちぐはぐぶりがチャーミングだった件
 父親の話が聞きたいと言う優未(竹澤咲子)に、寅子(伊藤沙莉)は優三(仲野太賀)の話をすることができない。寅子は航一(岡...
桧山珠美 2024-07-18 15:50 エンタメ
なぜ塚地武雅、藤井隆はドラマ出演が続く? 不人気芸人との決定的な違い
 7月に入り、2024年夏の新ドラマが次々にスタートしています。なかでも話題になっているのが、宮藤官九郎脚本の『新宿野戦...