配信者にとっては厄介!「察してもらいたい欲」がすぎるひと

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-12-25 06:00
投稿日:2020-12-25 06:00
 ライブ配信は、まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうごめく世界。今日も今日とて、多くのライバーやリスナーは、配信をめぐってアレやコレやの大騒ぎでございます。メンタル心理カウンセラーであり、配信者としての顔も有する並木まきが、“ライブ配信にいるアレなひとびと”を解説するこちらの連載。第7回は「察してもらいたい欲がすごすぎるひとびと」でございます。

アレな人図鑑7:察してほしくて仕方がないひと

 ライブ配信は、公共の通信上に自らの顔を出している配信者に対し、リスナーは基本的には顔を見せずに文字だけでコミュニケーションをとれる世界でございます。すなわち、配信者から見ると、どんなに頻繁に訪れてくれているリスナーであっても、顔も見たこともなければ、どんな属性の人なのかすらわからない場合も多いのです。

 しかしながら、一部のリスナーの中には、わずか数十文字のコメントを送るだけで「俺の言いたいことを、この人は全て理解しているはず」「私の言いたいことは、完璧に伝わっているはず」という前提でコミュニケーションをとりたがる、いわゆる極度の“察してちゃん”も散見されるのでございます。

 こういった方々には、配信者からご自身の思い通りの反応が返ってこないと、深く傷つき、その傷心がやがて怒りに変化して、配信者を逆恨みするひとまで出てくるので、実は非常に厄介なタイプと言えましょう。

見れば見るほど親近感が湧く弊害

 真面目に取り組んでいるライブ配信者の多くは、毎日コツコツと定期的に配信を続け、雨の日も風の日も雪の日も、おそらく槍が降ろうとも、自分を応援してくれるリスナーに元気な姿を見せるプロ魂に溢れております。ですので、熱心なファンである人ほど、お気に入りの配信者の顔を毎日、数分あるいは数時間にわたって見ることが叶うのでございます。

 すると、以前にもこちらの連載でお話した「ザイオンス効果(同じものや人に接触する頻度が高いほど、好感が上がる心理的効果)」も働きます。

 配信を見ている側は、一方的に配信者に対して親近感が高まり、自分のことを理解してくれている旧知の友人であるような錯覚に陥りやすいのです。その結果、いわゆる「勘違い」の極みである発言や行動に走ってしまう人も出てくると言えましょう。

 そして、もともとの性格が「察してくん」や「察してちゃん」である人ほど、そんな性分がチラ見えどころか“丸見え”になり、あたかも配信者のことを深く理解しているつもりになりやすく、自分のことも同じくらいに理解してもらえている前提で振る舞うようになるのです。そんなリスナーに絡まれてしまった配信者は、ちょっとした悲劇であるのは間違いございません。

 配信上だけならまだしも、ダイレクトメッセージやSNSを通じて、そんな“察して欲”を、お構いなしにぶつけてくる方々もいて、そこまでくるとやはり「アレなひと」の様相としか言えません。

おわりに

 さりとて、配信者から見れば、その人物が熱心なファンであるほど、冷たくあしらうこともできず、苦悩を抱える日々が訪れるのも常でございます。そして、そんな厄介な人物に出会うのも、決して珍しくない世界がライブ配信界の現実でもあるのです。

 ライブ配信は、配信者とリスナーの心の距離が近いことが魅力であるのは、確かでございます。しかしそんな側面が、ときに暴走する「アレなひと」を生み出してしまうのも、また真実なのでございましょうね。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

ライフスタイル 新着一覧


何コレ!? 天然の「旅人の木」はコバルトブルーの種がヤバい
 ある冬の日のお話しでございます。  猫店長「さぶ」率いる我がお花屋さんに、ややご年配の、でもやたらと威勢の良い殿...
アラフォーが「テヘッ」はねぇ…今どきの「痛い女あるある」
「いい年してそれは痛いでしょ」と思える言動をする女性、あなたの周囲にいませんか? 若い頃は「かわいい」と言われた行動も、...
服が捨てられない!片付け下手に神グッズ 2022.10.18(火)
「1枚服を買ったら1枚は捨てる」「触ってみて心がときめくか」「お店のように美しく飾る」などなど、クローゼットを整えるメソ...
どうしてそんなに尊いの?“たまたま”を真面目に考察してみた
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
家庭で簡単にできる節電対策6つ 子供が楽しめるアイデアも!
 東日本大震災のあと、日本中で節電運動がはじまった時、当たり前にある電気のありがたさを痛感しましたね。震災後ではなくても...
いつもの道にも秋が落ちている 2022.10.16(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ママ友地獄LINEにムカッ「その歳でアンパンマン」何が悪い?
 大人になると、付き合う人って自分で選べますよね。でも、子供を産んだらそうはいきません。  子供同士のつながりで出会っ...
今日からできる「SDGs」スーパーの食品棚は手前から選ぶ!
「継続可能な開発目標」の略称として「SDGs(エスディージーズ)」の言葉もだいぶ浸透してきましたね。将来の地球を守るため...
断るのが苦手!身内の弔事を使い尽くした私のテッパンワード
 気分の乗らない誘いを断る時、みなさんはどうしていますか?  私は「今日は体調が悪くて……」とか「どうしても外せない...
神戸っ子溺愛!「とくれん」まみれの部屋 2022.10.13(木)
「とくれん」――。それは、神戸っ子が歓喜する魔法の言葉。1970年代から学校給食のデザートとして登場した冷凍フルーツゼリ...
実はハイスぺ!“たまたま”の後ろ足が実力を発揮するのは…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
幸せは庭やベランダから!春まで百花繚乱「秋に仕込む植物」
 ワタクシの住む神奈川では、今年も「いきなりの冬」のような事態でございます。昨日までは冷房だったのに今日から暖房かよ……...
同じような毎日に飽きたら 2022.10.12(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「女性の新成人は30歳」では?20代で結婚が叶わずヘコんだ夜
 みなさんは「30歳を迎えた時」「30代を迎える前」どんな思いがありましたか? 29歳の時、女性はさまざまな葛藤を抱えま...
私、狙われてる?「重い話をされやすい人」の特徴と対策
 付き合いが浅いのに、重い話を打ち明けられたらあなたはどうしますか? おそらく多くの人は、返答に困ってしまうか、「なんで...
おちび“たまたま”の戦いごっこ♡ 勝ったのはどっちかにゃ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...