離婚の裏に2つのエピソード…結婚1年で軌道修正した妻の激白

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-01-09 06:06
投稿日:2021-01-09 06:00
「冷酷と激情のあいだvol.28〜男性編〜」では、わずか結婚1年で、年上妻から離婚された男性・Hさんの困惑をご紹介しました。では、Hさんの元妻であるCさんの真意は…?

苦手な「年下」だけど大丈夫だと思った

「Hとの結婚生活は、短期間ながらも、とにかく苦痛にまみれたものでしかありませんでした…。もともと年下の男性が苦手だったけれど、交際中のHは年下とは思えないくらいに頼もしく、何でも私をリードしてくれたし、相談にも乗ってくれて頼り甲斐がありました。

 けれど、結婚した直後から、そういった私が好きだった面はすべて消えてしまって、“姉さん女房”である私に、経済的な面から家事、料理に至るまですべて“おんぶにだっこ”に切り替わったのです」

 Hさんとの結婚前にも婚歴があるCさんは、Hさんとの再婚当時には「バツ2になるのは勘弁だから、今度は絶対に離婚しない相手と結婚したい」という思いから、悩んだ末にHさんからのプロポーズを了承したとのこと。

「実は、年下っていうのが最後まで、引っかかっていました。だけど、交際中のことを思えば、Hなら、大丈夫かもって思えたので、結婚を決めたんです。交際期間は1年ほどでした。

 一緒に暮らし始めて、1週間もしないうちに、Hは本性を出し始めましたね。私が年下嫌いなのを知っているくせに、わざと自分が年下であることを事あるごとにアピールし、甘えた声を出しながら、なんでも私にやらせようとするのです。

 そんな様子を見るたび、年下嫌いの私のイライラが募り……。それでも、結婚を決めたのは自分なのだから、という責任だけで我慢しようと努力しました」

離婚に至った2つのエピソード

 料理は趣味でもあるのでCさんにとって苦痛ではなかったものの、掃除や洗濯などもすべて自分に任せっきりで、手伝おうともしない元夫に、毎日苛立ちを感じたというCさん。テレワークだったこともあり、そんな元夫に苦言を呈する機会が増えるたび、どんどん自分の気持ちが冷めるのがわかったと言います。

「いろいろ不快なことだらけでしたけど、私が『ありえない、もう無理だ』と思った瞬間は2回ありました。

 1回目は、元夫の独身の友人たちに、食事を作って冷凍して宅急便で送るよう頼まれたとき。ちょうど、1回目の緊急事態宣言が出ている時期で、友人でひとり暮らしをしている人たちがかわいそうだと元夫が言い出し、料理を作って冷凍にして、宅急便で送るよう頼まれたんです。

 そのときは渋々ながらも応じましたが、私に相談もなくそんな話をしてきて、しかもその食費も元夫ではなく私の負担だし、ちょっと違うんじゃないのって違和感しかありませんでした。

 そして2回目は、家事を一切しないことに文句を言ったら『そんな俺に、母性本能がくすぐられるでしょ?』ってニヤニヤしながら言われたとき。年下が苦手だって話を散々してきた私に、それをニヤつきながら言うなんて……って愕然としました。その瞬間、私の中では『あ、無理だ』ってなったんです」

 そのときの元夫のニヤニヤした顔には、強い嫌悪感を覚えたというCさん。それまでは「バツ2になるのは親を悲しませるから」と我慢していた感情も一瞬にして消え、「この人とこれ以上一緒にいるのは無理」「この結婚は失敗だった」としか思えなくなってしまったのだそうです。

後悔は一切ない

「そして、同じ空間にいるのも苦痛になり、とにかく家を出ようと決めました。親友には、それまでもずっと元夫のことを相談していたので、電話をすると『いますぐ来ていいよ』と言ってもらえたので、衣類や化粧品など身の回りのものをまとめて、すぐに行きました。

 離婚の意思はずっと迷いながらも頭のどこかにあったので、元夫に切り出すのは思っていたよりも負担ではありませんでしたね。むしろ、Hとの結婚は間違いだったという気持ちのほうが強かったし、だから離婚した今でも後悔は一切ありません。

 バツ2になりましたけど、思ったよりそこも負い目には感じないものですね(笑)。Hとの結婚を決めたのは自分ですけど、やっぱり最初から引っかかるところがあるのに、そこに目を瞑って結婚するのは、絶対に良くないなってつくづく思いました」

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


ゆるっと婚活で射止めた彼氏はサイコパス“ほぼ確”案件。ビビりながらも43歳女が別れないワケ
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-07-27 06:00 ラブ
不倫相手からのマウントを経験した4人の妻たち キスマ、高額プレ…慰謝料がっつりとったろか?
 人の旦那に手を出す不倫女は、常識はずれな面を持ち合わせているもの。不倫するだけでは満足せず、奥様にマウントをとる女性も...
恋バナ調査隊 2024-07-27 06:00 ラブ
送別会、花火大会…夏の思い出“ワンナイト”4選。アラフォーとて現役♡
  解放的な気分になる夏は“ワンナイト”の季節。ひと晩限りの関係を楽しむのは、なにも若い女性に限ったことではありません。...
恋バナ調査隊 2024-07-26 06:00 ラブ
マチアプに“借金男子”が増殖中!生活苦を訴え、カネを無心。助けを求められたら即すべきことは…
 マッチングアプリで近ごろ見かけるのが「借金男子」です。支払いが大変なので、支援してくれる女性いませんか、と呼びかけてい...
内藤みか 2024-07-25 06:00 ラブ
夫婦喧嘩は“自ら折れる”で片付ける!賢い妻は謝罪感謝をポチってハイ終了
 夫婦喧嘩をする時、自分から折れるのは悔しいと感じてしまいがち…。  でも実は、夫婦喧嘩は自ら謝ったほうが問題は解...
恋バナ調査隊 2024-07-24 06:00 ラブ
「レス離婚」は夫に慰謝料請求可能?弁護士に相談したら意外な答えが…
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  実は先日...
豆木メイ 2024-07-23 06:00 ラブ
封筒の中からオンナの毛髪が…もう恋愛したくない! ゾッとした体験談4選
 あなたは、恋愛で怖い思いをした経験があるでしょうか?  今回は、女性たちに“ゾッとした体験談”について話してもらいま...
恋バナ調査隊 2024-07-22 06:00 ラブ
すべてクロ!夫の不倫を見抜いた 探偵級妻たちの鋭すぎる「女の勘」5選
「ん? なんか怪しい…」、そんな女の勘は意外と当たるもの。実際に夫の不倫を、女の勘によって見抜いた女性たちがたくさん存在...
恋バナ調査隊 2024-07-21 06:00 ラブ
婚活市場で「尊敬婚」が増加中。男性に選ばれる女性は若さよりも収入?
 近年、「尊敬婚」が非常に増えています。以前の多くの男性の価値観は、若くて気立ての良い女性を好み、「夫を支える良き妻」が...
植草美幸 2024-10-24 14:23 ラブ
「妻とはマジで離婚」自分の親への非礼に我慢しバカにされ続けた41歳男
「冷酷と激情のあいだvol.204〜女性編〜」では、結婚12年目にして、レスを理由に夫から離婚を突きつけられた妻・絢音さ...
並木まき 2024-08-17 09:04 ラブ
「もう限界だ」レスを理由に夫から離婚届を突きつけられた41歳女の画策
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-07-20 06:00 ラブ
夜職彼氏との付き合い方「虎の巻」全方位モテ男を骨抜きに♡
「付き合い始めた彼氏が夜職で、女性との接点が多くて不安…」「彼にとって、お客様とは違う特別な女性になるにはどうすればいい...
恋バナ調査隊 2024-07-19 06:00 ラブ
暑すぎる…!彼氏との幸せ気分をぶち壊す「夏の失敗デートスポット」4選
 いや日本の夏、暑すぎ〜(泣)! 最近は朝からクーラーつけないと滝汗かいちゃう毎日で、彼氏とのあまあまデートにも支障を来...
恋バナ調査隊 2024-07-19 06:00 ラブ
『バチェロレッテ・ジャパン』S3“本当”の楽しみ方 偏差値高めな人の“頭で恋する恋愛学”が詰まっている!
 恋愛リアリティー番組『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3(Amazon Prime Video)が、今まで観たことが...
内藤みか 2024-07-18 06:00 ラブ
元彼と友達になるメリットとデメリット。完全に縁切りする時はいつ?
 彼氏と別れるとき、バッサリ縁を切るべきか、それとも友達になるべきか悩みませんか? そんな悩みを抱えている女性に、元彼と...
恋バナ調査隊 2024-07-18 06:00 ラブ
妻の「レスだけど仲良し」に潰された夫の本音 無言の圧力をかけてない?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  セックス...
豆木メイ 2024-07-16 06:00 ラブ