中森明菜の配信復活で注目されるもう一人の歌姫…ちあきなおみは“生ける伝説”に

更新日:2024-04-27 17:03
投稿日:2024-04-27 17:00
ちあきなおみ(C)共同通信社
ちあきなおみ(C)共同通信社

 自身のYouTubeチャンネル「AKINA NAKAMORI OFFICIAL」(チャンネル登録者数74.6万人=4月26日現在)で、5月1日のデビュー記念日に向けて4月3日から毎週水曜日に、最新のセルフカバー動画を配信しているのが歌手の中森明菜(58)。

 第1弾の「TATTOO-JAZZ-」(580万回再生)からはじまり、「BLONDE-JAZZ-」(320万回)、「ジプシー・クイーン-JAZZ-」(462万回)、「北ウイング-JAZZ-」(133万回)の4曲を披露。いずれも100万回再生をゆうに超えるなど、いかに昭和の歌姫の復活を多くの人が待ちわびているかがわかる。

 6年ぶりの歌手復帰が注目されている明菜同様、復帰を望む声が多くありながら、いまだ実現していないのが、歌手ちあきなおみ(76)だろう。

「ちあきは92年に最愛の夫の郷鍈治さん(享年55)を肺がんで亡くしてから、芸能活動を一切休止しています。しかし、引退を発表した訳ではありません。表舞台から姿を消してから30年以上が経ちますが、未だに復帰を望む声は止みません」(芸能ライター)

 ちあきは1969年に21歳で日本コロムビアからデビュー。70年リリースの「四つのお願い」が大ヒット。その年のNHK紅白歌合戦に初出場。それ以降、音楽番組に引っ張りだことなったが、ちあきは幼いころから波乱万丈な人生を送ってきたことが明らかになった。

「当時、人気音楽番組だったフジテレビ系の『夜のヒットスタジオ』には、歌手本人に内緒で縁のある人がスタジオに登場する人気企画“ご対面コーナー“というのがありました。ちあきはご対面コーナーで、その相手が父親だとわかると会うのを拒絶してしまったのです」(番組制作会社関係者)

 この件をきっかけに、筆者はちあきの生い立ちの取材を始めた。母親の影響で4歳でタップダンスを覚え、5歳で日劇の舞台を踏んだちあきは小学校入学後、「五条エミ」の芸名で米軍キャンプなどで歌ってきた。一方、父親については悪評しか聞こえてこなかった。ちあきが父親との対面を拒んだ理由をうかがい知ることができた。

■美川憲一とタンスにゴンのCMで大ブレークも…

「次から次にヒットを飛ばし、72年に『喝采』で日本レコード大賞を受賞。78年には当時、俳優で故・宍戸錠さんの実弟の郷さんと結婚しました。その後、ちあきはコロムビアから契約解除されます」(前出・芸能ライター)

 ちあきを知るレコード会社関係者はこう話す。

「契約解除の理由はちあきが“自分の歌いたい歌を歌いたい“と主張し、社の方針に反したからと言われていましたが、どうやら真相は郷さんとの結婚にあったようです」

 その後、ちあきは東京・港区の広尾で喫茶店を郷さんと経営しながら、音楽活動を続けた。水面下ではちあきの復帰を音楽プロデューサーが画策。88年にテイチクレコードに移籍し、「紅とんぼ」の大ヒットで紅白に返り咲いた。91年には、美川憲一(77)とKINCHOの“タンスにゴン”のCMでお茶の間人気を集めたものの、翌年9月11日に郷さんが肺がんで死去。以降は芸能活動を休止、芸能界との関係を断ち切って姿を消した。

 郷さんの月命日の9月11日には、港区にあるお寺に必ず墓参するという情報を得て、筆者は2度ほど直撃したが、無言で取材拒否された。ちあきが歌手活動を休止してから、今年で33年目を迎える。

「たびたび発売されているちあきのヒット全集が売れているのは、それだけ復帰を期待しているファンが多いといことです」と言う前出のレコード会社関係者はこう続ける。

「一度は芸能界を干されながらも復帰したのは郷さんがいたからです。彼を失ってから、芸能界への未練はなくなった。それに定期的にリリースされるベスト盤やカラオケなどの歌唱印税が入ってくるほか、不動産を所有しているから生活には困らない。復帰するつもりはないと思います」

 ちあきは生ける伝説として語り継がれている。

(本多圭/芸能ジャーナリスト)

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