卵黄を混ぜると酒盗の香りがマイルドに
これから暑くなる季節には、梅肉と大葉のサッパリした味わいがうれしいですよね。
「脂が乗っていない、この時季ならではの春かつおを使います。秋かつおは脂が乗り過ぎているため、たたきにして脂を落としますが、春かつおは刺し身のままおいしく食べられます。塩をして水分を抜くだけで、うま味が引き出されます」
酒盗は市販のもの。酒盗好きなら、好みで多めに入れてもOKです。梅の酸味と酒盗独特のクセのある味わいが絶妙なバランス。深みがあり、香りづけのいりごまが味を引き立てます。パリパリの海苔を巻いて食べると、さらに美味しい。お酒のアテにピッタリですが、炊きたての白ご飯も欲しくなります。
「スーパーで売っている赤身のかつおで十分です。春らしくするため、ちょっとグリーンがあると見た目もキレイになります。穂じそがなければ、木の芽とか小口ねぎでもいいですよ。塩味や酒盗の香りが苦手な場合は、卵黄を混ぜるとマイルドになります」
脂の浅い春かつおならではのアテ。春を感じられます。
材料
・かつお 100グラム
・梅干し(はちみつ漬け) 20グラム
・酒盗(かつお) 10グラム
・みりん 小さじ1
・酒 大さじ1
・濃い口醤油 小さじ1
・大葉(みじん切り) 2枚
・いりごま(白) 適量
・焼き海苔(8分の1サイズ) 適量
・穂じそ 適量
レシピ
(1)酒・みりんを火にかけ、アルコールを飛ばす
(2)冷ました1に酒盗、濃い口醤油、大葉、細かく叩いた梅干しを合わせる
(3)かつおをさいの目切りにする
(4)2と3を混ぜ合わせる
(5)器に盛り、いりごまを振り、穂じそをお好みで
(6)焼き海苔で巻いて食べる
本日のダンツマ達人…梯隆司さん
▽梯隆司(かけはし・たかし)
1982年、大阪・堺市生まれ。料理人に憧れ、「自分の店を持ちたい」という夢をかなえるため銀行マンになった異色の経歴の持ち主。大卒後、銀行に就職して経営のノウハウを学び、3年後、飲食の世界に飛び込んだ。
魚介中心の料理屋や割烹料理店などで修業を重ね、30歳で独立。行きつけだった居酒屋の店主から、現在の店舗を譲り受けた。日本酒の知識は、日本酒を知り尽くしたその店主からの直伝だ。
▽お酒とさかな かけはし(おさけとさかな かけはし)
2013年オープン。魚介の質や産地、鮮度にこだわり、食材はすべて国産の天然もの。お造りや焼き物が人気で、季節によって旬の素材を生かした料理が味わえる。お酒もすべて国産。冷酒20種、お燗20種、ワイン40種、プレミア焼酎20種、ウイスキーが用意されている。ご主人は料理人仲間と勉強会を開いて、オリジナル料理を考案するなど探求心旺盛だ。大阪市福島区福島2―7―20。
(日刊ゲンダイ2021年4月7日付記事を再編集)
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