便秘下痢便秘下痢…つらループ!おなかの弱い“ご自愛”ケア【専門家監修】

コクハク編集部
更新日:2023-06-08 06:00
投稿日:2023-06-08 06:00

4. 胃腸の調子を整えるには漢方もおすすめ

 腸の不調には、漢方で内側からアプローチするのもおすすめです。

 過敏性腸症候群のような胃腸の不調は、ストレスや緊張、冷えによる腸の働きの低下、過労などが原因で生じると考えられています。

 胃腸の不調が気になる人には、

・自律神経のバランスを整えて、ストレスや緊張により低下した腸の働きを改善する
・おなかを温めて腸の動きを正常化する
・胃腸の機能を回復して、便秘や下痢、ガスだまりを改善する

 といった働きの生薬を選び、根本改善を目指します。

 漢方薬は根本からの改善を得意としているので、服用することで胃腸の調子がよくなるだけでなく、疲労やストレスに負けないからだを手に入れることができます。

 また、漢方薬を選ぶときは、漢方薬に精通した薬剤師に相談すると安心です。自分の体質などに合わないものを選んでしまうと、副作用が出やすくなる場合もあるため注意しましょう。

「バランスのいい食事やストレス対策を毎日欠かさず続けるのは大変……」という場合でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合ったものを服用するだけなので、無理なく続けることができますよ。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5. 便秘・軟便の症状におすすめの漢方

便秘と軟便にお悩みの人におすすめの漢方薬を紹介します。

5-1. 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

 便秘型の過敏性腸症候群の人に適した漢方薬です。「気」「血(けつ)」のバランスを整えることで、腸の動きを整えて排便しやすくします。

5-2. 大建中湯(だいけんちゅうとう)

 便秘型の過敏性腸症候群の人に用います。おなかを温めて腸を適度に刺激し、冷えや腹痛、膨満感がある人の便通を改善します。

5-3. 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

 下痢型の過敏性腸症候群の人に適しています。「気」の流れを助けて胃を落ち着かせつつ、腸の機能を調整します。消化不良や胸やけなどにも用いられます。

6. くり返す便秘と軟便への対処には、ストレス対策が重要

「今日はありがとうございました、えりのさん。とても勉強になりました!」

 やす子さんは、明るい笑顔でえりのボスにお礼を言いました。

「さっそく今日から、ストレスをためこまないように気をつけてみたいと思います。食事や生活リズムのことも、見直すいい機会になりました」

 えりのボスも明るい笑顔を返します。

「心も腸も健康に。自分の心やからだの声に耳を傾けて、自分を労わってあげてね。それでも不調が続くようなら、無理せず医師に相談しましょうね」

「はい!」

 晴れやかな笑みを浮かべて去っていくやす子さんを、えりのボスは送り出しました。

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 ストレスの多い現代社会。日々のあわただしさに、ついついがんばりすぎてしまうときもあるかもしれません。

 皆さんも、心と腸を労わるすこやかな暮らしを意識してみてくださいね。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)

 薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


気分がズーン…その症状「冬季うつ」じゃない? 寒い季節でも元気になる“かんたん習慣”【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ショック!生理が大事な予定に直撃…早く終わらせる方法ないの?【医療従事者監修】
「楽しみにしている予定や大事な会議と生理が重なるかも」と不安になったことはありませんか? 生理中は体調が優れなかったり気...
肌がくすむ理由は「腸冷え」だった? 意外な改善ポイント4つ。“何となく不調”は気を付けて!【医療従事者監修】
「からだの重さが気になる」「下痢や便秘が続く」「肌の調子が悪い気がする」このような不調は、腸の冷えが原因かもしれません。...
放置厳禁!「ビニール肌」って知ってる? ツルツルなのに実はトラブルだらけ…原因とリスクを解説【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
キィー!生理のイライラ、前より酷くなってない? 40代の“不安定”を改善するセルフケア【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
大バズり中!KATEの「クラゲコンシーラー」は大人の肌にも合うのか? 40代の“最適解”な使い方を見つけた♡
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
話題の「はちみつ美容」でもちツヤ肌に♡ お風呂タイムに実践できる“保湿ケア”をスペシャリストが解説
 乾燥によってお肌の不調が気になる季節になりましたが、あの“はちみつ”に保湿&もちツヤ肌になれる素晴らしい美肌パワーがあ...
美容通が注目!ベストセラー『はちみつ本』著者に “美肌パワー”の効能を聞いた。揺らぎやすい秋冬肌の対策に♡
 とろりとした舌触りと、独特な甘みがおいしい「はちみつ」は、ビタミンやミネラルなど栄養素が豊富で、スーパーフードとしても...
7時間睡眠でも眠い…実は「中途覚醒」してるのかも。簡単セルフチェックで確認してみる?【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
どれを選べばいいの!?  サプリ迷子に捧ぐ“目的別・賢い選び方”。必ず確認したい2つのポイント【薬剤師監修】
「からだにいいことをしたい」と思ったら、食生活を整えるのが大事。とはいえ、毎日の食事に気を配るのは難しく、手軽なサプリメ...
売り切れ続出!「ババアの粉」は本当に若返るのか? 40代美容家が実践した“神ハイライト術”
 SNSで「#ババアの粉」「#BBAの粉」と呼ばれ、バズり続けている『セザンヌ トーンフィルターハイライト 01 フィル...
手足が寒くて眠れない…!「冷え不眠」に心当たりない? 悪化の要因とぽかぽか快眠テク【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
食欲の秋が到来!旬の味覚に秘められた“健康”パワー。サツマイモの美肌効果に注目【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
高市首相もメイクで激変! 強そうな女→柔らかな女に印象を変える“3つの鉄則”ポイント
 第104代首相に選ばれ、今やメディアで見ない日はない高市早苗さん。かつては黒々とした力強い眉が印象的でしたが、最近では...
「生理が終わったのにだるい…」その原因、加齢じゃなくて“鉄分不足”かも。食後のコーヒーは注意して【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
夏の紫外線+秋の乾燥でボロボロ…化粧水だけじゃない「うるおい対策」で肌を守ろう【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...