そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。
1. 朝にスッキリ起きられない…熟睡できていないかも?
今回のご相談は、まどかさん(38歳女性・仮名)から。
「最近、朝にスッキリ起きられなくて。睡眠時間は前と変わらないのに、ぐっすり眠れた感じがしないんです」
憂鬱そうな表情で、まどかさんはこぼします。
「眠りが浅いと、つらいわよね。私も寝起きがスッキリしないと、1日ぼんやりした感じになってしまうわ……」
共感しながらうなずくえりのボス。
「眠りが浅くなる背景には、ストレスや体内時計の乱れなど、さまざまな原因が考えられるのだけれど。30代後半になって眠りの質が悪化したのなら、『プレ更年期』が影響している可能性もあるわね」
「プレ更年期?」
「ええ。本格的な更年期に入る前のおよそ10年間のことを、一般的にプレ更年期と呼ぶの。更年期は閉経前5年、閉経後5年の45~55歳頃の時期のことだから、プレ更年期はだいたい35~45歳よ」
「じゃあ、私もプレ更年期なんですね」
「プレ更年期には女性ホルモンの分泌が乱れて、眠りが浅くなる人もいるのよ。眠りが浅くなる以外にも、寝つきが悪くなったり、夜中に発汗して目覚めてしまったりと、プレ更年期にまつわる睡眠トラブルは人それぞれよ」
「ふむふむ……詳しく聞かせてください」
真剣な表情で聞き入っているまどかさん。
これは放っておけません!
2. 眠りが浅くなる原因
「えりのさん。どうしてプレ更年期になると、睡眠のトラブルが出やすくなるんですか?」
「女性ホルモンの分泌低下が自律神経に影響を及ぼすからだと考えられているわ。女性ホルモンは卵巣から分泌されるものなのだけれど、卵巣の機能が低下して女性ホルモンが減少すると、自律神経のバランスも崩れてしまうの」
女性ホルモンの分泌や自律神経のバランスには、脳の視床下部という部分が関わっています。
プレ更年期や更年期に卵巣からの女性ホルモンの分泌が低下すると、視床下部は卵巣からより多くの女性ホルモンを分泌させようとします。
しかし、卵巣は視床下部の命令通りに女性ホルモンを出すことはできず、結果として視床下部の働きが乱れて自律神経にも影響が出るのです。
自律神経のバランスが崩れると、睡眠のトラブルや動悸、イライラ、急な発汗などの症状が出る場合があります。
「プレ更年期の睡眠トラブルに対処するには、自律神経の乱れを解消することが大切よ」
「乱れの解消……? なんだか難しそうですね」
「心配しなくても大丈夫。自律神経に働きかけていくための、具体的な方法をお伝えするわね」
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