ついに睡眠の悩みが襲ってきた!朝スッキリ起きるための改善法と漢方薬

コクハク編集部
更新日:2023-07-06 06:00
投稿日:2023-07-06 06:00

4. 眠りが浅い人には漢方薬もおすすめ

 漢方薬は婦人科や内科、心療内科などの医療機関でも処方される自然由来の治療薬。眠りが浅くて困っている人には、漢方薬もおすすめです。

 不眠の原因は生活習慣の乱れやストレス、過労や血行不良などと考えられています。

 不眠の対策には、

・自律神経の乱れを整えて、睡眠の質を改善する
・興奮を鎮めて寝つきをよくする
・血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く
・栄養を全身に届けて、心身を整える

 などの作用をもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく根本からの体質改善が目指せるので、不眠になりにくいからだを手に入れることもできます。

「1日3食の食事で栄養バランスに注意したり、運動を毎日続けたりするのは大変……」という人でも、漢方薬なら症状や体質に合ったものを継続服用するだけなので、無理なく続けられますよ。

 眠りの浅さで長期間悩んでいる人は、漢方薬もチェックしてみてはいかがでしょうか。

5. 浅い眠りの症状におすすめの漢方

 浅い眠りに悩む女性に、おすすめの漢方薬をご紹介します。

5-1. 加味帰脾湯(かみきひとう)

 胃腸の機能を高めて、「気(き)」(エネルギー)と「血(けつ)」(栄養)を補うことで、不眠を改善する漢方薬です。虚弱体質で血色の悪い人に用いられます。

5-2. 酸棗仁湯(さんそうにんとう)

 心身ともに疲れ、弱っている人に向いている漢方薬です。全身を巡る栄養分を補い、からだにこもった熱をとり去って、「疲れているのに眠れない」という症状を改善します。

5-3. 抑肝散(よくかんさん)

 イライラや緊張で眠れない人に用います。精神の高ぶりを落ち着ける漢方薬であり、神経症や不眠症を改善します。

6. 生活習慣を見直してぐっすり眠れば、翌朝スッキリ!

「今日は勉強になりました。えりのさん、ありがとうございます」

 スッキリした表情で、まどかさんはえりのボスに言いました。

「眠りの浅さにプレ更年期が関係しているかもしれないなんて、今まで考えたこともありませんでした。えりのさんのアドバイスを活かして、生活習慣を見直してみたいと思います!」

 えりのボスは、にこやかに笑ってうなずいています。

「運動したり、寝る前にリラックスしたり。心身をいたわる生活を意識してみてね。それでも眠りのトラブルが続くようなら、漢方薬を試したり、病院で相談したりするのも大切よ」

「わかりました」

 まどかさんは、晴れやかな様子でサロンを去っていきます。

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 まどかさんが今日はぐっすり眠れますように……そんな願いを胸に抱き、えりのボスはまどかさんを送り出したのでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)

 薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


暑くて無理~! “ドライヤー”キャンセル界隈に捧ぐ、お風呂上りの汗だくを回避する6つの方法
 お風呂上がり、せっかくすっきりしたのにドライヤーをかけてるうちにまた汗だくに…。こんな経験、ありますよね。  髪...
30歳から「骨活」のススメ。将来の“寝たきり”リスクを防ぐため大切な3つの対策【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
健康診断でわからない「隠れ貧血」のリスク。 だるさ、イライラの原因は年齢以外にあり?【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ブルドッグ顔におさらば! 3秒でできる若見え“メイク”テクニック。コンシーラー1本で激変するコツ【美容家解説】
 夏の疲れが、顔に出ていませんか? 鏡を見て、「なんだか不機嫌そう…」と感じるなら要注意! 年齢を重ねると、どうしても顔...
37℃の熱がダラダラ続くのなぜ? たかが微熱と放置しないで。日常に潜む「体温が上がる」生活習慣【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
えっ、納豆にタピオカも!? 実は“カロリーお化け”な食材4選。じゃあ、美容効果バツグンなおやつは?
 ダイエットの大敵といえば、「おいしい食べ物」ですよね。でも、完全に我慢するのは逆にストレス…。多くの人はできるだけ低カ...
汗が止まらない→頭痛や倦怠感の原因に。実はリスクだらけの多汗、自宅でできるセルフケア【医療従事者監修】
「服の汗染みが恥ずかしい」「毎日タオルが手放せない」こんな滝汗に悩んでいませんか? 汗はからだの正常な働きですが、多すぎ...
日焼け止めも日傘もめんどくさい! ズボラ女に捧ぐ夏の「美肌キープ」対策。高級コスメより大切なことって?【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
そのダイエット、骨格タイプに合ってないかもよ。診断別に“理想の痩せ方”がある? ナチュラルは全身運動が◎【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
女性は“脱水リスク”が高い理由。猛暑で「喉が渇いた」時にはもう遅いって知ってた?【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
髪の日焼け、忘れてない? 夏の紫外線対策とヘアケア方法をおさらいしましょ
 夏の強い紫外線が、肌だけでなく髪の毛にもダメージを与えるのをご存じですか? 毎日しっかりスキンケアしていても、髪がパサ...
ギリギリ…恥ずかしい“歯ぎしり”どうすればいいの~!? 睡眠不足や肩凝り、4つのリスクと対処法【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
実は損する? 2wayコスメは「のっぺり顔」の危険アリ。かしこい買い方を美容家が教えます
 美容でも、節約を心がけたい! けれど、もしもその節約術が「間違いだらけ」だったとしたら…?  時短美容家の並木まきが...
「腸活」で“幸福感”が上がるってホント? 嬉しい4つの効果と手軽に始められる3つの方法【医療従事者監修】
 最近注目されている「腸活」は、腸内環境を整えることで免疫力や代謝、メンタルまでサポートしてくれる健康習慣です。  実...
粉薬×ジュースは“相性”があるってホント? 飲みにくい粉薬はこう対処するのが正解【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
日焼け止め、重ねたら「効果もアップ」するの? 下地を塗る順番も聞いてみた/医師監修
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...