4. 眠りが浅い人には漢方薬もおすすめ
漢方薬は婦人科や内科、心療内科などの医療機関でも処方される自然由来の治療薬。眠りが浅くて困っている人には、漢方薬もおすすめです。
不眠の原因は生活習慣の乱れやストレス、過労や血行不良などと考えられています。
不眠の対策には、
・自律神経の乱れを整えて、睡眠の質を改善する
・興奮を鎮めて寝つきをよくする
・血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く
・栄養を全身に届けて、心身を整える
などの作用をもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく根本からの体質改善が目指せるので、不眠になりにくいからだを手に入れることもできます。
「1日3食の食事で栄養バランスに注意したり、運動を毎日続けたりするのは大変……」という人でも、漢方薬なら症状や体質に合ったものを継続服用するだけなので、無理なく続けられますよ。
眠りの浅さで長期間悩んでいる人は、漢方薬もチェックしてみてはいかがでしょうか。
5. 浅い眠りの症状におすすめの漢方
浅い眠りに悩む女性に、おすすめの漢方薬をご紹介します。
5-1. 加味帰脾湯(かみきひとう)
胃腸の機能を高めて、「気(き)」(エネルギー)と「血(けつ)」(栄養)を補うことで、不眠を改善する漢方薬です。虚弱体質で血色の悪い人に用いられます。
5-2. 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身ともに疲れ、弱っている人に向いている漢方薬です。全身を巡る栄養分を補い、からだにこもった熱をとり去って、「疲れているのに眠れない」という症状を改善します。
5-3. 抑肝散(よくかんさん)
6. 生活習慣を見直してぐっすり眠れば、翌朝スッキリ!
「今日は勉強になりました。えりのさん、ありがとうございます」
スッキリした表情で、まどかさんはえりのボスに言いました。
「眠りの浅さにプレ更年期が関係しているかもしれないなんて、今まで考えたこともありませんでした。えりのさんのアドバイスを活かして、生活習慣を見直してみたいと思います!」
えりのボスは、にこやかに笑ってうなずいています。
「運動したり、寝る前にリラックスしたり。心身をいたわる生活を意識してみてね。それでも眠りのトラブルが続くようなら、漢方薬を試したり、病院で相談したりするのも大切よ」
「わかりました」
まどかさんは、晴れやかな様子でサロンを去っていきます。
「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
まどかさんが今日はぐっすり眠れますように……そんな願いを胸に抱き、えりのボスはまどかさんを送り出したのでした。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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