そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。
今回は、早苗さん(33歳女性/仮名)からのご質問です。
「すみません。ご相談させていただいてもよろしいでしょうか?」
早苗さんは、どこか体調が悪そうな様子でえりのボスのところにやってきました。
「体調が悪そうね。どうしたの?」
「実は、PMS症状がひどくて異常な眠気に悩まされているんです。生理前になると会社を休みがちになるので、婦人科を受診して『当帰芍薬散料(とうきしゃくやくさん)』を処方してもらいました。
一週間飲み続けているのですが、今度は下痢が続くようになって、仕事に集中できないんです」
「あら、今度は下痢の症状に悩まされているのね?」
「そうなんです。漢方薬も効いているのかわからないですし下痢が続くので、漢方薬を飲むのをやめて病院に行くべきなのか、もう少し様子を見るべきなのか。どう思われますか?」
早苗さんはつらそうな顔で、おなかをさすっています。
「そうね。当帰芍薬散自体はからだを温める漢方薬だから、からだの冷えは考えにくいわ。となると、副作用または好転反応の可能性が高いわね」
「好転反応ってなんでしょうか?」
「なるほど、漢方薬についてよくわかっていないのね。好転反応を含め、漢方薬のメカニズムを説明するわ」
これは放っておけません!
2. 漢方薬で体調不良を起こすメカニズム
「漢方薬に副作用があるのは知っていると思うけれど、似たように体調を崩す好転反応っていうものがあるの」
「好転反応って、漢字的にいい方向に進んでいる感じがするのですが」
「その通りよ。好転反応は効果があらわれているからこそ起こる体調不良なの。漢方薬の効果でからだから余分な毒素が排出されるから、一時的に体調が悪くなったり、肌の状態が悪くなったりするの。
だけど、体調が悪くなったら拒絶反応を起こした副作用と考えて、対処したほうが安心よ」
「なるほど」
早苗さんは真剣な眼差しで頷きます。
「好転反応の場合は、徐々に落ち着いていくから使い続けても問題ない。だけど、副作用の場合は使い続けたら重篤な病気に発展することもあるの。
現に、早苗さんは体調不良を起こしているから、その漢方薬は体質に合っていない可能性がある。好転反応だろうと安易に考えず、少しでも異変を感じたら、漢方薬を飲むのはやめて医師に相談したほうがいいわ。肝機能障害とかにはなりたくないでしょ?」
「絶対になりたくないです! でも……会社を休みがちになって、周りに迷惑をかけるのもいやです」
半泣き状態で訴える早苗さん。
「いい? PMS症状はストレスがかかると余計に悪化しやすいとされているの。だからまずは、リラックスして、会社を休んでしまっていることを気にしすぎないようにしてね。大丈夫よ。PMS症状には自分でもできる対策方法があるから、まずは試してみてちょうだい」
「本当ですか! ぜひ、対策方法を教えてください!」
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