「リアル峰不二子!」の声にドキドキ
――お父様が元気になられて良かったですね。続けてください。
「社長業にも徐々に慣れていきました。社員たちがファミリーのように仲が良く、人間関係に悩まなかったのもありがたいですね。父が築いた会社は本当に素晴らしいと、今さらながら再認識したものです。
玲子さんも社員たちと打ち解けて、時々、女性社員と日帰り温泉に行くこともあったようです。
休み明け、女性社員たちが『びっくりしたわー。玲子ちゃんたらナイスバディなのよ!』『まさにリアル峰不二子!』なんてはしゃいでいて、男性たちのほうが『こら、逆セクハラだぞ』なんて困ったように笑っているんです。僕もドキドキしました。
(ああ、仕事中だよ…マズい)
パソコンの前で、僕は腹に力を込めました。難解な数式を思い浮かべたり、歴代総理の名を羅列したり…。そうでもしないと下腹が熱くなっていく。あの時ばかりは、サイズのコンプレックスなどそっちのけで、必死に肉体コントロールに努めましたね(笑)。
会社の飲み会で急接近
彼女と一気に距離が縮まったのは、会社の飲み会です。以前から『社長就任祝いと玲子さんの歓迎会をしよう』と言われていたので、近所の居酒屋で会を開いたんです。
普段から仲のいい連中ですから、飲み会も楽しくてね。特に玲子さんは飲みっぷりも良くて、カッコいい! 女性らしいんだけれど、どこか男が惚れる男の部分もあって、その時、ふとこう思ったんです。
彼女なら、傷つけるようなことはしないのでは?
(玲子さんだったら、僕のコンプレックスを打ち明けても、励ましてくれそうだ)
あの屈託のない笑顔やスーパーポジティブな性格、仕事では迅速に正確にこなす聡明さ――彼女なら絶対に僕を傷つけるようなことはしない。
宴会もお開きになりそうな時、彼女と居酒屋の狭い廊下ですれ違ったんです。
――社長、お疲れ様。楽しくて飲みすぎちゃった。
化粧室から出てきた玲子さんは頬を紅潮させて、笑みを浮かべてきました。タイトスカートから伸びた脚がちょっとふらついていて、
――玲子さん、危ない。
思わず腕を引き寄せてしまったんです。すると、彼女は僕の胸に頬をうずめてくるではありませんか。
(えっ)
胸が高鳴りました。甘い香りが鼻先を揺らぐと、
――社長、やっぱりいい体ですね。ますます好きになっちゃいそう。
酔ったせいでしょうか、玲子さんは僕の胸や腹あたりの筋肉をさすってきたんです。
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