社長が社員と恋愛関係になるなんて
――こら、酔いすぎだよ。
そう言った刹那、玲子さんが顔を上げたんです。次の瞬間、僕たちは唇を重ねていました。熱い吐息がぶつかり、酒と唾液の匂いがまじりあう。
ずっと憧れていた玲子さんとキスをしている…僕は信じられない思いに包まれました。
――ご、ごめん…。
僕はとっさに顔を背けました。社長が社員と恋愛関係になるなど、許されるものではありません。ましてや歓迎会でキスなんて…。踵を返そうとした時、
――なぜ、謝るんですか? 社員さんたちに示しがつかないから?
――えっ?
――私は社長が好き…。別に悪いことじゃありませんよね? 私も社長も独身ですから。
彼女からの驚きの指摘
予想外の言葉が告げられました。そう、玲子さんが言う通り、決して悪いことはしていない。社員への後ろめたさはあっても、僕たちは自由に恋愛できる関係なのです。
――僕も玲子さんが好きだ…。
――嬉しい。
――ただ…社員たちの手前、大っぴらにできない。しばらくは秘密にしてくれないか。
――もちろんです。私は真剣にお付き合いしたいと思っていました。
――なぜ、僕を…?
――だって…社長ったら、カッコいいのにいつも自信なさそうなんだもの。きっと私みたいなテキパキした女がそばにいたほうが安心してお仕事できるわ。
玲子さんはニッコリ笑いました。それがまた可愛くてね。ただ、彼女に『自信がなさそう』と指摘されたのには驚きです。
――自信がないように見えたのか?
――ええ…なんか、引け目に感じてるというか、大きなコンプレックスがある感じ…。良かったら聞かせてほしいな。
――やめとくよ。ドン引きされたら困るから…。
――ドン引きなんてしないです。これから真剣に付き合おうって言う男女は話し合わなくちゃ。
この時点で僕はすごく迷いました。サイズで悩んでいるなんて、口が裂けても言えません。でも彼女は『教えてくれないと、皆の席に戻れない』と食い下がってきて…」
次回
に続く。
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