3. プレ更年期の症状を楽にする方法は?
以下は、プレ更年期の症状を楽にする方法3つです。
ただし、プレ更年期の症状が日常生活に影響を与える場合は、セルフケアだけに頼るのではなく早めに婦人科を受診しましょう。
3-1. 自律神経を整える
自律神経を整えるのに効果的なのは、毎日の生活リズムを一定にする、起床後すぐに日光浴をする、湯船に浸かるなどです。
起床や就寝、食事、入浴などの時間を決めておくと、体内時計が整い、自律神経のバランスを取りやすくなります。
また、朝起きてすぐの5~10分ほどの日光浴は、自律神経を整える効果が期待できる「セロトニン」の分泌を促します。
「セロトニン」は緊張や不安感の軽減、睡眠の質の向上などの作用もあるため、プレ更年期の症状の緩和にも役立つでしょう。
湯船に浸かると心身がリラックスして、自律神経が整いやすくなります。38~39℃のぬるめのお湯に10~15分程度浸かるのがおすすめです。
3-2. 運動習慣をつける
適度な運動は、ストレスの発散やリラックス、筋肉量の増加による冷えやむくみの予防、体力づくりに効果的です。
したがって、運動習慣をつけるとイライラや倦怠感、冷えやむくみといったプレ更年期の症状の緩和に役立つ可能性があります。
運動はウォーキングやサイクリング、スイミングなどの有酸素運動がおすすめです。
いきなり本格的な運動をするのはハードルが高いと感じる方は、家の中でラジオ体操やストレッチ、軽めのヨガや筋トレなどを始めてみましょう。まずは、短時間でも毎日からだを動かす習慣をつけることが大切です。
また、階段の利用を増やしたり早歩きをしたりなど、日常生活のなかでも運動量を増やしていきましょう。
3-3. 漢方薬を服用する
婦人科では、プレ更年期の不調に漢方薬が処方されることがあります。
プレ更年期の症状に対しては「女性ホルモンのバランスを整える」「自律神経の乱れを整える」「イライラや精神の高ぶりを鎮める」「血流をよくして倦怠感や肩こり、冷えを改善する」などの作用を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は毎日決まった量を服用するだけなので、忙しい方も手軽に始めやすい方法です。
・加味逍遙散(かみしょうようさん):女性ホルモンの乱れによる気分の落ちこみやイライラ、肩こり、ほてりなどのプレ更年期の症状に用いられます。月経不順や月経困難症、不眠、冷え症などにも用いられる漢方薬です。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血行を促して水分代謝をよくすることで、プレ更年期の冷えや疲労感、めまい、頭痛などに働きかけます。月経痛や月経異常などにも用いられる漢方薬です。
ただし、漢方薬はその方の体質に合っていないと十分な効果が得られないだけでなく、思わぬ副作用が起こる場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
4. プレ更年期の症状を楽にして、毎日元気に過ごそう
「最近感じていた体調不良がプレ更年期だとわかってスッキリしました。症状を楽にする方法も教えていただきありがとうございます!」
ゆかりさんは明るい笑顔でえりのボスにお礼を言いました。
「プレ更年期のうちに対処法を身につけておけば、更年期も乗り越えやすくなるわ。また、プレ更年期の症状はストレスや疲れで悪化しやすいから、自分を労わるのも忘れずにね」
「今回教えてもらったセルフケアを継続できるように、仕事や家庭ばかりではなく自分の時間も大切にしていきたいです」
「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
優しい表情でサロンを去っていくゆかりさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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