憧れの女優のダンナ様が常連客に連れられて…
「Kさんと不倫したという自覚は、さほど強くないんです。どちらかと言えば、彼の妻である、憧れの女優・美咲さん(仮名・30代)と間接的にセックスできた喜びのほうが勝りました」
そうキッパリ話すのは、銀座でスナックを経営する邦子さんだ。
四十代には見えない肌艶の良さに、くっきりした目鼻立ち、肩までのロングヘアを丁寧に巻いた彼女は、黒のシンプルなワンピースをとてもオシャレに着こなして、待ち合わせ場所に現れた。
職業柄だろう、表情は豊かで、話し方も淀みがない。
――不倫相手の彼・Kさんとの出会いを聞かせてください。
「はい、元々私は女優・美咲さんのファンでした。彼女の出るドラマや舞台は必ず観るし、舞台の時は出待ちもする。ある意味「追っかけ」ですね。スナックのお客様で芸能関係者がいると、『私、美咲さんの大ファンなんです』と伝えていました。いつか、本人が来店してくれたら嬉しいなというささやかな夢もあったんです。そんな時、彼女のダンナ様であるKさん(一般人・会社勤務)が常連客に連れられてきたんです。
――その時は、どんな気持ちでしたか?
「まずは、素直に嬉しかったです。大ファンである美咲さんに一番近しい人が店に来てくれたのですから。ただ、「ここのママ、君の奥さんの大ファンなんだよ」と紹介されても、Kさんは「へえ、そう」と言葉を濁します。その時、「ああ、ダンナ様は一般人だから、有名女優の奥さんの話題をあちこちで出され、本人も居心地悪いんだろう」と、すぐに悟りました。なので、その後は一切、奥さまの話はせず、別な話題で盛りあがりました」
――その機転の良さが、Kさんとの距離を縮めたかもしれませんね。
「そうですね。初めて会ったにもかかわらず、『帰り、二人でソバでも食べていこうか』と誘われて、深夜まで営業しているへぎそばを食べました。その間も、奥さまの話題は一切なし。他愛ないバカ話をしてその日は別れたんです。
――その後は?
「二日後、Kさんが一人で来店してくれたんです。少し酔った彼にお水を渡すと、『ママ、今夜空いてる?』って……また二人だけでアフターに行きました。でも、行先は、彼が泊まっている外資系のホテルだったんです」
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