3. 彼にイライラするときの対処法
ホルモンの分泌量が減少するプレ更年期や更年期が原因で彼にイライラするとき、覚えておきたい対処法を4つ紹介します。
3-1. 婦人科の受診
頭痛やほてり、めまいや食欲不振など、イライラに限らず不調があらわれた場合には、婦人科や更年期外来を受診しましょう。婦人科や更年期外来では血液検査によって卵胞ホルモンや卵胞刺激ホルモンの数値を計測し、更年期が始まっているかどうか診断してもらえますよ。
更年期が始まっていない場合も、かかりつけの婦人科医を見つけておくことは重要です。更年期が始まってからは、骨密度の低下やコレステロール値の上昇、子宮体がんのリスクの上昇が考えられるので、不安なときに相談できるような相性のよいかかりつけ医を見つけておきましょう。
3-2. 生活習慣の改善
生活習慣を改善することで、イライラなどの更年期症状を抑えられることがあります。
食生活では、気持ちを安定させる効果が期待できるカルシウムや、ストレスによって消費されるビタミンCが多く含まれる食品を摂りましょう。カルシウムは乳製品、ビタミンCはアセロラやレモンに多く含まれていますよ。
心身をリラックスさせるセロトニンの分泌量を増やすためには、原料となるトリプトファンを摂ることや、朝日を浴びることも重要です。バナナやアボカドでトリプトファンを摂取しつつ、朝日を浴びる習慣をつけてください。
3-3. 彼との話し合い
更年期症状を乗り越えるためには、彼や家族、身近な人と話し合うことも大切です。家事がつらいときは代わってもらったり、イライラしているときはそっとしておいてもらったりするなど、自分や周りの人が生活しやすいように話し合いましょう。
3-4. 漢方薬の服用
女性ホルモンの変動による不調には、自律神経やホルモンのバランスを整える効果が期待できる漢方薬の服用もおすすめです。婦人科や更年期外来では、更年期症状の根本改善を目的に漢方薬が処方されることもありますよ。
<更年期の不調におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):ホルモンバランスの乱れに伴う気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状のほか、ホットフラッシュやのぼせに用いられます。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):からだの余分な熱を冷まして精神を安定させることで、動悸や不眠、更年期のイライラや抑うつを解消します。
スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
4. 更年期前の不調には早めに対処して!
「私、今まで生理や更年期とかのホルモンバランスの不調って、自分が我慢しないといけないと思っていました。病院に受診したり周りに協力を求めたりする解決策もあるんですね…」
えりのボスの話を聞き、ミスズさんは驚きながらも晴ればれとした顔をしています。
「目には見えない不調だからこそ、周りの人に頼ることも大事よ。彼には八つ当たりしたことを謝りつつ、2人でこれからの生活について話し合うきっかけにしてみてもいいんじゃない?」
「はい、ありがとうございます…! 帰ったら、早速彼と話し合ってみます!」
「同じホルモンバランスの変動でも、不調によって対処法は異なるわ。また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
優しい表情でサロンを去っていくミスズさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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