「24時間テレビ」でわかった日テレと旧ジャニーズとの蜜月関係復活
【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
なんだかんだと言いながらも、結局見てしまうのが「24時間テレビ48 愛は地球を救う」(日本テレビ系)。他にすることもなかったので、ほぼリアルタイムで視聴した。
注目はチャリティーマラソンのランナーを務めたSUPER EIGHTの横山裕。酷暑の中、100キロ以上も走った。地球を救う前に横山を救ってやれよという思いで見た。昨年のやす子が児童養護施設育ちということで「児童養護施設募金」として募り、最終的には5億円以上の募金が集まった。そして今回の横山は自身が3歳の時に母が離婚してシングルマザーに。再婚して2人の弟が生まれ、再び離婚。母親は病気し横山は家計を支えるため、中学卒業後、建設会社に就職。しばらくは二足のわらじを履き、芸能界の仕事をやるように。弟2人は児童養護施設に預けられたとかなんとか。
あれっと思ったのは横山がニッカーボッカーをはいて稽古場に通ったのは有名だが、初めて明かすふうになっていたこと。彼の「裕」という芸名がジャニーさんの口ぐせ「YOU」からつけられたものだが、ジャニー喜多川の存在を消そうという意図からか、そのことには触れなかった。
例年、メインパーソナリティーには旧ジャニーズのタレントが起用されており、昨年は起用はなかったが、わずか1年で元通り。横山の他チャリティーパートナーにもKing & Princeの永瀬廉と髙橋海人を起用(髙橋は体調不良につき、松田元太が代役に)。結果的に横山も松田も評価爆上がり。放送終了時点での寄付金は7億円超と昨年を上回り、旧ジャニーズの底力を見せつけた。これでまたテレビがジャニーズだらけになるのではと危惧する。
例年、放送終了後は生放送で「行列のできる相談所」だったが、3月に終了し、今回はその後番組である「Golden SixTONES」のSixTONESを生放送でやることに……。これがもうグダグダで、東野幸治やフット後藤が懐かしくなった。
残念なのは6月に亡くなったミスターに触れなかったこと
今回、昨年10月に急逝した西田敏行のスペシャルドラマが放送され、松崎しげるやら杉田かおるが登場。西田との思い出話に花を咲かせたが、残念なのは今年6月に亡くなったミスター、長嶋茂雄にまったく触れなかったことだ。チャリティーパートナーに長嶋一茂がエントリーされていることもあり、徳光和夫もいることだし、日本テレビに残る膨大な映像を駆使した追悼企画をやると思っていたのだが。
とにもかくにも「24時間テレビ」は無事終了して、ここからまた旧ジャニーズとテレビ局の新たな蜜月関係が始まる予感がする。
一つの番組における旧ジャニの割合はカレーライスにおける福神漬け程度にして欲しいけど。
(桧山珠美/コラムニスト)
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