2度退学したニシダは正真正銘の”クズ”!「ラランド」の出会いは上智大外国語学部イスパニア語学科
【続・あの有名人の意外な学歴 】#9
ニシダ&サーヤ(ラランド)
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「お父さんは重役」をネタにしてきたお笑い男女コンビのラランド。クズが売りのニシダ(31)の父・西田祐樹氏が国内有数の化学メーカーUBE(旧・宇部興産)の役員を務めているのは本当の話。今年4月に社長に就任した。ただし、ニシダは親不孝を繰り返し実家から出禁に。この事実もネタとして使われてきた。
ネタ作成者のサーヤ(29)がニシダを初めて見たのは2人が入学した上智大外国語学部イスパニア語学科の教室。周囲に「早稲田も受かったんだ」と吹聴している男子がいた。それがニシダだった。現役の時は全滅。1浪して上智2学部と早稲田2学部に合格。上智を選んだ。一方、サーヤは現役で合格している。
次にニシダを見たのはアカペラサークルの新歓コンパ。それより前に、上智に来たら入ろうと決めていたお笑いサークルをたずね、部員から「学科に太ったのがいたら連れてきて」と頼まれていた。コンパで再び顔を合わせたサーヤはイヤなヤツという第一印象がよみがえってきたが、何か面白そうだと思い直し、ニシダに声をかけた。そしていつのまにか、コンビを組むことになった。
「エッチなネタも多いが、どことなく上品さがある。わが校にとってはプラスになっている気がする」とラランドを評価するのは上智大の同窓組織「ソフィア会」の幹部のひとりだ。とはいえ、ニシダは必修のスペイン語会話の単位がとれず1度目の退学。面接試験を経て復学を許されるも再び退学するという問題児だった。見るからに非の打ちどころのないサーヤは4年で卒業し、広告代理店に就職している。
UBEの旧本社があった山口・宇部市で生まれたニシダは少年時代、父の赴任先の欧州ですごした。ドイツ・デュッセルドルフやスペイン・マドリードの日本人学校に通った。帰国すると、実家がある神奈川・鎌倉市から通学できる私立中高一貫男子校の藤嶺学園藤沢に入学。お笑い好きの大手学習塾の進路担当は「校風は質実剛健。ニシダさんのイメージとは真逆」と話す。
東京・八王子市で生まれ育ったサーヤは幼い頃、ドラマやCMなどに出演していたが、学業を優先する家庭の方針で公立小学校に上がると子役をきっぱりやめている。中学からは地元の私立中高一貫校の東京純心女子に進学。ここでも“デキる女の子”を演じ、成績は常にトップクラスだった。
ラランドの最近の悩みは勢いに陰りが差している点だ。収益の柱であるYouTubeのチャンネル登録者数は昨年12月、100万人を突破。その後も伸ばしているものの、10月に入った時点で142万人(芸人23位)にとどまっている。テレビのレギュラーは不定期を除くとサーヤがNHKEテレでMCを務める1本だけだ。「せっかくクズブームがきているのに、ニシダを生かし切れていない」とバラエティー番組のディレクター。2人の頭脳を武器にさらなる飛躍を期待したい。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)
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