マンションの広告チラシからわかること&その注意点とは?

日下部理絵 マンショントレンド評論家
更新日:2020-05-01 06:00
投稿日:2020-05-01 06:00

 マンションを購入したいと思ったときに、SUUMO(スーモ)などの不動産ポータルサイトのほか住宅情報誌や新聞で探すという方法もあります。住宅情報誌などで探すメリットは、写真や間取りなど物件情報が一目でわかりやすいことです。また、広いエリアで物件を探す際にも有効です。

 現在、住んでいる周辺の物件情報が欲しい場合は、地域のミニコミ誌などの折り込みチラシやポスティングされている不動産会社の広告チラシを見るのもいいでしょう。

 マンションの広告チラシには、価格や部屋の広さ、築年数、間取り図、入居時期など様々な情報が記載されています。

 しかし、なかには誤解を招く表示や実際の物件よりも優良と見せかける「誇大広告」も存在します。たとえば、「日本一」「業界初」「当社だけ」といった他社よりも優位性を誇張する言葉や、「最高級」「厳選」などの最上級、一定の基準で物件が選別された表現、「希少」「激安」「破格」といったお得感を表現するような表示を不当表示といい、宅地建物取引業法と景品表示法によって禁止されています。

 また、不動産業界の「不動産の表示に関する公正競争規約」という規約では、広告表示の仕方や基準などが定められています。

 このように、宅地建物取引業法や表示規約では書いてはいけないことだけでなく、書かなければいけないことも定められています。不動産広告のポイントは次のとおりです。

不動産広告のポイント

1.「明るい」「広い」など主観的な表現の禁止……見る人によって感じ方が変わるため、広告では使用禁止。

2. 建築年月日の表示……中古物件の場合、建築年月日の表示が義務付けられている。

3. 建物面積(延床面積)……バルコニーやベランダは共有部分にあたるため、建物面積(延床面積)には含まれない。

4. 取引形態の表示……不動産広告には「売主」「貸主」「媒介」「代理」のいずれかの取引形態を表示することが義務付けられている。「媒介」は業界用語で「仲介」と同じ意味。

「おとり広告」に注意

 さらに、気をつけたいのは「おとり広告」です。

 実際には存在していない物件の広告を出し、住宅を探している方の反響を得ようとしている広告です。

 なかには少し前まで存在していた物件の掲載が残っているだけということもありますが、故意に成約(売却済みの物件)を掲載し続けている場合もあります。それは、人気の物件、好条件な物件であれば、反響を得やすいためです。

 たとえば、「このマンション気になる!内覧したい」と思い、不動産会社に問い合わせをしたら、そのマンションは「契約済みです」「いま商談中です」といわれ、別の物件の紹介がはじまる、といった場合です。連絡先を聞き出すため、あえて「確認して折り返します」と電話を切るようなケースもあります。

 自宅で過ごすことが多い今だからこそ、不動産ポータルサイトや広告チラシから気になるマンションをたくさん見つけましょう。

 その際、類似物件より好条件の物件は「誇大広告」「おとり広告」の可能性があることを忘れないでくださいね。

日下部理絵
記事一覧
マンショントレンド評論家
2001年実施、第1回マンション管理士試験に合格。維持管理の側面から既存マンションの実態に精通する。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。著書に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『負動産マンションを富動産に変えるプロ技』(小学館)など多数。
日下部理絵オフィシャルサイトhttp://office-kusakabe.com/

ライフスタイル 新着一覧


そこまでやる!? 節約ガチ勢の爆笑テクニック「焼肉の匂いはご馳走です」夫の節約はどう操縦する?
 少しでも生活を楽にしようと節約に挑戦している人はたくさんいるはず。独特な節約方法を編み出した強者もいるようです。 ...
夜職の沼…ホステスが“出戻る”ふたつの理由。まずはお金、もうひとつは?
 スナックというものに関わりはじめて十数年。働く側としてもお客さん側としても、いろんなことを知り、経験してきて、やっぱり...
も~鬱陶しいなあ! なぜか“鼻につく”人の8つの特徴。否定から入られると不快なんです
 あなたが「鬱陶しいわ」「なんかイライラする」と鼻につくのはどんな人ですか? きっとさまざまな意見が飛び交うでしょう。 ...
優しさのつもりが…「ホワイトハラスメント」に要注意! 部下のやる気と成長機会を奪っているかも
 セクハラ、モラハラ、カスハラ、マタハラ…。ハラスメントに厳しい昨今、次々と「これはハラスメントだ」といわれることが増え...
令和の王者・にゃん太郎の“たまたま”、この雄姿を見れるのは今だけ! 去勢避妊手術が始まる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
本当のルッキズムってなんだ? Z世代が支持するグループ「HANA」が社会に“No”を突き付けた影響
 社会に深く根付き、日々私たちを苦しめる「ルッキズム」。そんなルッキズムが支配する社会に対し、Noを突きつけるアイコニッ...
借りパクは許さん! 催促LINEの“波風立たない”お手本集。日傘や漫画にお金…どうする?
 人に貸したものを返してくれなかった時、催促するのは気まずいと感じる人が多いですよね。今回は、LINEで相手に嫌な思いを...
何のためだっけ…「美容ガチ勢」が“闇落ち”する瞬間6つ。天然美人をみて虚無になる
「美容ガチ勢」と聞くと、美容を全力で楽しんでいるキラキラした女性が頭に浮かびますよね。でも、美容ガチ勢の女性は美容を楽し...
もう嫌~!ダメ上司を撃退する4つの方法。配属ガチャで泣く前に試して
 転職や人事異動など、新しい環境で仕事がはじまったはいいものの、めっちゃ仕事ができないハズレ上司を引いてしまったー! な...
「超人でないと子育てと両立できない」なんて、そんなバカな|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』
 子育てと仕事、どちらも完璧を求められる令和。「ちゃんとした育児」は本当に必要なのでしょうか? 無理せず幸せに暮らすため...
「はいはい、なるほど」は印象わる…好かれる人が実践してる“好感度100%”の相づち6つ
 仲を深めたい相手、良好な関係を築きたい相手と会話をするときは、相手が気持ちよくなる相づちを打つよう心がけてみてください...
漆黒の猫プリンスが再降臨! 気品溢れる“にゃんたま”ポーズの美しさよ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「暇です」ってだから何? “誘われ待ち”アピがウザい! 嫌われる受け身LINE3選
「自分から誘うのは勇気がいる…」なんて人は意外と少なくないはず。でも、毎回「誘って!」「プラン立てて!」という受け身スタ...
【女偏の漢字探し】「醸(ジョウ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
今さら「バリキャリ」にならなかったのは“自己責任”と言われましても|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』
 昭和から令和へ。時代とともに「女性の働き方」は大きく変化しました。求められる女性像に翻弄された今の40〜50代は今何を...
寝起きの“スマホいじり”で頭がボンヤリ…やりがちな「朝のNG習慣」4つ
「朝起きたら、お布団の中でぬくぬくしながらスマホをいじるのが至福なんじゃ〜♡」と感じている方、要注意。朝のスマホいじりの...
2025-06-21 06:00 ライフスタイル