パンにもご飯にもぴったり
「パリに住んでいる人が自宅にお客さんを招いたとき、決してゴージャスではないけれど、普段よりちょっとだけ張り切って作る、そんな家庭料理を出す店にしたいと思って、阿部シェフに渡した本があるんです」と鳥山さん。
その本「パリっ子の食卓」(河出書房新社)の中から、よく「賄いに作ってほしい」と鳥山さんが阿部シェフにリクエストするのが、鶏レバーのレモンクリーム煮です。
「おつまみって、手間がほとんどかからない簡単なものか、凝っていたとしても鍋ひとつでできるものが基本。これも鶏レバーをレモン汁と生クリームで和えただけのフライパンひとつでできる料理です。ポイントは、タマネギを透き通るまでしっかり炒めて甘味を出すことと、隠し風味程度にカレー粉をほんのひとつまみ加えること。パンにもご飯にも、よく合います」と阿部シェフ。
もったりしたレバーのうま味をキリッとしたレモンの酸味が引きたて、マイルドな生クリームがやさしく包み込んでくれます。
「ワインはアルザス地方のピノ・グリの蜜っぽい味わいが、カレーの風味によく合うと思います」と鳥山さん。
【材料】
・鶏レバー 150グラム
・タマネギ(中) 4分の1個
・バター 大さじ2
・カレー粉 ひとつまみ
・白ワイン 大さじ2
・レモン汁 4分の1個
・生クリーム 50ミリリットル
・パセリ(みじん切り)、塩、 こしょう 適量
【レシピ】
(1)レバーは血抜きをし、ひと口大に切る。タマネギは繊維に沿って薄くスライスする。
(2)フライパンにバターを熱し、タマネギを中火で炒める。
(3)タマネギが透き通ったらレバーを加え、中~強火で炒める。焼き色がついたら塩、こしょう、カレー粉を加えてからめる。
(4)白ワインとレモン汁を加え、水気がとんだら生クリームを加え、半量くらいまで煮詰まったら出来上がり。器に盛り、パセリをちらす。
本日のダンツマ達人…阿部真子さん
▽あべ・まさこ
1986年、東京都生まれ。そば職人の父と料理好きの母のもとで育つ。高校卒業後、料理の専門学校を経て、19歳で東京・中目黒の「レストラン ムッシュヨースケ」に就職。9年の修業を経て、2014年6月にオーナーの鳥山由紀夫さんが外苑前にオープンした「アミニマ」のシェフとなる。
▽ アミニマ
東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口から徒歩6分。ワインとフランス家庭料理が気軽に楽しめるパリスタイルのバー・ラ・ヴァン(ワインバー)。ワインはボトルのほか、グラス12種。カウンター6席、テーブル12席、大テーブル6席があり、ひとりでも、友人とでも、グループでもOKの使い勝手のよさが魅力。東京都渋谷区神宮前2―5―6 アマデウスハウス1階。
(日刊ゲンダイ2018年8月11日付記事を再編集)
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