「やられた」を「やらかし」に…夫の不倫を応援した妻の思惑

うかみ綾乃 小説家
更新日:2020-07-29 05:15
投稿日:2020-07-22 06:00

「やられた」と「やらかし」の違い

不倫劇はみんな「やられた」人間扱い(写真:iStock)
不倫劇はみんな「やられた」人間扱い (写真:iStock)

 定期的に世間を賑わせる有名人の不倫劇。

 この劇の嫌なところは、登場人物全員が「やられた」人間扱いされていること。

 妻は夫に浮気をやられ、浮気相手の女は既婚男性にやられ、夫はマスコミにやられて世間にやられ。

 特に、どちらかといえば不倫する側に共感する人生を送ってきた私としては、ここぞとばかりに叩かれる夫と、名もなき、あるいはこのことでキャリアを失っていく浮気相手の女性たちに勝手に心を痛める次第。

 ただ中には、妻の立ち回りの如何によって、妻と夫が「やられた」から「やらかし」に格上げされる場合もあります。妻自身がカメラの前で、「夫がやらかしてすみません」と苦笑して頭を下げたり、マスコミの前には出ないけど叩かれる夫を支えている姿勢を貫いたり。

 ご本人の感情も事情もいろいろあるでしょうけれど、血の匂いに群がるハイエナに傷なんて見せてはいけませんし、夫や浮気相手よりも、騒いでいる世間よりも一枚上手の賢さがあります。ほとぼりが冷めればこのスキャンダルをネタに笑いを取ったり。

 そして自分たちを「やらかし」た側に置くことで、浮気相手ひとりを「やられた」側に持っていくこともできる。人間のハイエナも肉のひと切れまでは興味がないのですんなり幕が下りる。

うかみ綾乃
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小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

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