ギョーザの皮でつくる詰め物パスタ
“プリン”とは言ってもおやつではありません。アニョロッティ・ダル・プリンはイタリアの北部、ピエモンテ地方の郷土料理で、ラビオリのような詰め物パスタのこと。ダル・プリンは“つまむ”という意味の方言で、もともとは残り物の肉や野菜をミンチにしてパスタで包み、ダシで食べたのが始まりだとか。
本来パスタはもちろん手打ちですが、「今回はコンビニで買えるものでイタリア料理が作れたらいいなと思って」(堤シェフ)と、パスタはギョーザの皮で、具は缶詰のコンビーフでアレンジ。
「コンビーフに赤ワインを少量加えると風味が加わって、缶詰特有の臭みも消えます。その日に飲むワインを先に開けて料理に使えば、ワインとの相性がいいだけでなく、食べる頃にはワインも開いておいしくなるので一石二鳥です」
合わせるのは、ピエモンテ地方の土着品種、ネッビオーロのワイン。「王道中の王道、バローロで。その土地の料理は同じ土地で生産されたワインと相性がいいの定説通りです」
【材料】
コンビーフ 50グラム
赤ワイン 大さじ1
ギョーザの皮 9枚
バター 30グラム
粉チーズ 9グラム
黒こしょう 少々
塩 適量
【レシピ】
(1)ボウルに入れたコンビーフをフォークなどでほぐし、赤ワインを加え混ぜて9等分にする。
(2)ギョーザの皮に1をのせ、半分に折って包む。
(3)鍋にたっぷりの湯を沸かし、1%の塩を入れて2を3分ほど茹でる。
(4)フライパンにバターを熱し、3のゆで汁を少々加えてのばす。
(5)粉チーズを8グラム加えて溶かし、茹で上がった3を入れてからめる。
(6)皿に盛り、残りの粉チーズをかけ、黒こしょうを挽(ひ)く。
本日のダンツマ達人…堤亮輔さん
▽つつみ・りょうすけ
1978年、熊本県生まれ。大学生のとき、居酒屋とイタリア料理店でのアルバイトを機に料理人を志し、中退して1年間イタリアへ。帰国後、辻調理師専門学校で学び、フランス料理店で3年間働いた後、イタリア料理へ。東京・駒沢「トゥ セイ グランデ」の料理長を経て、2013年に学芸大学に「オステリアバル リ・カーリカ」、15年に都立大学に「カンティーナ カーリカ・リ」、17年に学芸大学に「あつあつ リ・カーリカ」を開く。
▽あつあつ リ・カーリカ
東急東横線学芸大学駅から徒歩2分。イタリアの郷土料理をベースに、和のテイストも織り交ぜた創作料理と自然派ワインが楽しめるバル。わずか7坪の店内はカウンター12席とスタンディングのみ。
東京都目黒区鷹番2―20―4。
(日刊ゲンダイ2018年11月27日付記事を再編集)
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