本当に離婚でいいの? 別居期間で歩み寄れた夫婦のケース

山崎世美子 男女問題研究家
更新日:2020-10-17 06:00
投稿日:2020-10-17 06:00

別居10年で同居を再スタートした夫婦

同志のような存在(写真:iStock)
同志のような存在 (写真:iStock)

 24歳の時に6歳上の男性と結婚したAさん、現在58才。結婚当初から二世帯同居からスタートしました。近所には独身の小姑がいて毎日自宅にご飯を食べに来るという、新婚劣悪環境下で暮らすこと26年。

 口数の少ない夫は頼りにならず、プライバシーのない生活に疲れ果てその限界を感じた時、家を出ることを決意したと言います。

 水面下で準備にかかり、まずは家を借りて少しづつ自分と当時高校生の娘さんの荷物を運んでいました。家の中の物が減っていることに気付いたご主人さんが「なんか様子がおかしい」と話を切り出したのをキッカケに「ここを出たい」と告げてAさんは家をでました。

二世帯小姑付きの劣悪環境婚

 冒頭のB子さんと同じく3年ほど、ほぼ必要以外は連絡もない状態が続き、その後も時々要件があるときだけ話すという希薄な夫婦関係でした。別居から8年後に義父が亡くなり、喪主の妻として葬儀に並んで出席している姿に周囲は驚きを隠せなかったそうです。「もう離婚してたんちゃうん?」ってな感じなのでしょう。

 その葬儀が終わった後、少し意地悪だった姑がこんな事を言ってくれたそうです。

「これからのこともあるし、そんな家賃を払って別々に住まなくてもこっちで一緒に住んだらどうだろう」

 続けて姑さんは、息子が嫌なら1階と2階で別々に住むことも出来るという提案もくれたそうです。 

 ちょうどその時、Aさんは足を悪くしていて将来的な不安感もあることから、10年の別居生活には幕が下りました。

10年ぶりの同居夫婦のその後

「新婚の時より仲良しですよ~」と幸せそうなAさん。

「好きだ愛してるとか、お互い言ってるんですか?」

 そんな、しょーもない質問をぶつける筆者に、笑いながら首を大きく横に振りました。

「ありません。ありません。夫婦生活もありませんし。でもね、一緒に旅行に行ったり食事に行ったり楽しいですよ」

 Aさんにこんな質問をしてみました。「Aさんにとってご主人さんはどんな存在ですか?」

 少し間をおいて考えたAさんは「そうですね。主人は……同志です!」

 なぜでしょう。その言葉はとても心に響きました。

まとめ

ちょっとだけ待ってみて!(写真:iStock)
ちょっとだけ待ってみて! (写真:iStock)

 私の父が亡くなった時、遊び人の父とよく喧嘩していた母に同じ質問をしたことがあります。父は母にとって最後は「親友」であったそうです。Aさんの「同志」も同じようなニュアンスに感じました。

 お互い好きになって結婚しても……長い歳月が流れると惚れたや好きだの感情は必ず目減りします。年を重ねた後、夫婦生活もなくなってからが、本当の夫婦の始まりなのかもしれませんね。

 結婚より離婚する方が言い方は変ですが、たやすく実行できます。

 白黒ハッキリつけるより、その真ん中の選択肢「別居」をしてみて距離を置くと答えも変わってくるかもしれませんね。

山崎世美子
記事一覧
男女問題研究家
「平成の駆け込み寺」として、人間関係、男と女をテーマとし、さまざまな悩みを抱える相談者に的確なアドバイスを送り、心のケア・親身なカウンセリングで一躍人気者となる。TV、ラジオ、雑誌、さらに講演会などからも依頼が多数。いま最も注目されている専門家である。YouTube「せみこの恋愛大学」毎週水曜配信中。
公式HPブログInstagramTikTok

関連キーワード

ラブ 新着一覧


アラサーアラフォー女が年下彼氏に冷めた瞬間 可愛いと思ったけど無理!
 恋愛に年齢は関係ないといわれますが、あなたが男性に自分以上の経験値や頼りがいを求めるのであれば、年下だと物足りなく感じ...
恋バナ調査隊 2024-03-29 06:00 ラブ
子供の前で夫婦喧嘩を始めてしまった…どんな悪影響がある?
 愛し合って結婚しても、違う環境で育った二人です。時には、価値観の相違から夫婦喧嘩をする日もありますよね。でも子供の前で...
転職したいママ必見! 面倒くさい夫の理解を得る方法とベストタイミング
 共働き夫婦が多い現代、生活スタイルの変化に対応するためや、スキルアップを目指して女性が転職を考えることも少なくありませ...
恋バナ調査隊 2024-03-28 06:00 ラブ
超絶依存の恋愛モンスターが離婚せず、結婚15年を迎えた自己分析は…
 私事で恐縮ですが、先日結婚記念日を迎えました。早いもので、結婚生活も15年目に突入です。  結婚が決まった時、様々な...
40代彼女の「ここが嫌」を大告白! 僕たちが冷めた6つの瞬間
 今回は、40代の彼女がいた男性から“冷めた瞬間”について話してもらいました。  40代といえば包容力あふれる大人のオ...
恋バナ調査隊 2024-03-27 06:00 ラブ
車大好き男のうざいエピソード集 万年金欠、助手席で口まで出してくる!
 車好きの男性は多いですが、そんな男性を彼氏にすると厄介な出来事が起こることも…。「マジでうざい!」と幻滅する女性も少な...
恋バナ調査隊 2024-03-27 06:00 ラブ
彼女とセックスレスなんだ…ワンチャン狙い?男友達の床事情に隠れた本音
 男友達から「彼女とセックスレスなんだ」と相談されたら、あなたはどんな反応をするでしょうか?  信頼している男友達だと...
恋バナ調査隊 2024-03-26 06:00 ラブ
「星の瞳のシルエット」に恋した中学生…48歳で男を知るこじらせの根源
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。2年前の48歳まで性体験がなかったよもやま話を綴っていま...
mirae.(みれ) 2024-03-25 06:00 ラブ
「女が追う恋愛」ってどう思う?男性が意外な本音をコクハク
 よく「女が追う恋愛はうまくいかない」とか「男には追わせるべき」なんて恋愛テクを耳にしますが、いったいなぜなのか理由まで...
恋バナ調査隊 2024-03-24 06:00 ラブ
大谷翔平が母親似の真美子さんを妻に選んだ必然…夫婦仲も長続きする説
 思いがけない“一平ちゃんショック”でドジャース大谷翔平(29)の身辺がめちゃくちゃ騒がしいが、妻・真美子さん(27)の...
「俺不幸っス」と嘆きヒモ生活 勤労意欲ゼロ男が妻に内緒で企むUターン
「冷酷と激情のあいだvol.187〜女性編〜」では、事実婚7年目になった夫・ユウタさん(46歳・仮名)が、不整脈の診断を...
並木まき 2024-03-23 06:00 ラブ
不整脈診断で働かないのに夜はお盛ん…グータラ事実婚夫に怒る38歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-03-23 06:00 ラブ
陰キャ女性の恋愛あるある5つ「全部当てはまるじゃん!」なら要注意確定
 今回は陰キャ女性の恋愛あるあるを5つ、紹介します。どれか当てはまったら、あなたも陰キャ女性の気質があるかも? いくつ当...
恋バナ調査隊 2024-03-23 06:00 ラブ
「恋人が精神安定剤」は高リスク! 孤立をかえって深める可能性が…
 恋愛依存体質の女性の中には、「恋人が精神安定剤」と思っている人が多いですよね。でも、恋人がいないと安定しない様子は、周...
恋バナ調査隊 2024-03-23 06:00 ラブ
蠍座の男に恋したら♡ 恋愛傾向を把握→「喜ぶキス」で落としちゃお
 あなたは好きな男性の星座を知っていますか? 実は、彼の星座の特徴から、恋愛傾向や基本的な性格がわかるのです。  今回...
恋バナ調査隊 2024-03-22 06:00 ラブ
3月で異動や退職する同僚男性にアプローチしなきゃ…上手な方法はある?
 春は別れの季節。密かにいいなと想っていた同僚男性が異動や退職などで離れることになった人も少なくないと思います。  去...
内藤みか 2024-03-21 06:00 ラブ