欲しかったのは経済的な安定…年上女性と再婚した男の打算

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-01-02 09:29
投稿日:2021-01-02 06:00
「冷酷と激情のあいだ〜女性編〜 vol.27」では、再婚直後にコロナ禍に突入し、結婚を後悔している女性・Rさんの叫びをご紹介しました。
 では、Rさんの夫であるTさんの真意はどこにあるのでしょうか。

再婚の決め手は妻の経済力

「Rが、このところ僕と離婚したがっているのは、薄々気づいています。ちょっと前とは僕への態度も口調も違うので、おそらく気持ちも冷めているでしょうね。

 だけど、僕は妻から何を言われても離婚するつもりはありません」

 出会いから結婚までは、かなりスムーズに展開したふたり。Tさんは、妻であるRさんと知り合った直後から「再婚するならこの女性だ」と感じたそうです。その理由は?

「お金ですよ。以前の結婚では、前妻が稼げないタイプで苦労して、それが嫌で離婚しました。なので、再婚するときには僕よりも稼げる女性を選ぼうって決めていたんです。

 だけどコロナ禍になる前だって、景気はそこまでよくなかったし、僕より経済的に頼りになる女性との出会いが、なかなかありませんでした。

 なので、Rと出会って名刺を交換した瞬間に『この人だ!』って思ったんです。それで、僕から熱烈にアプローチして付き合ってもらうことにしました」

 コロナ禍に入る直前に再婚をしたふたり。ともに再婚同士なので、大人らしい結婚生活が営めるものとTさんは期待していたそうです。

経済的に不安になるよりマシ

「だけど、結婚してみたら女性って。みんな同じようなところに文句を言うんですね(笑)。僕の稼ぎが悪いだの、生活態度がおかしいだのって。

 Rは2歳年上だし、そういうことは言わないだろうって思って結婚したのに、誤算でしたね」

 再婚では、口うるさくない女性を妻に選びたかったと言うTさん。しかし、コロナ禍で顔を合わせる時間が多くなり、口論をする時間も増えたとのことです。

「口論を重ねるうちに、どんどんお互いの気持ちって離れるじゃないですか。正直、僕だってお金のことがなければ、Rとは離婚してもいいかなって思っているくらいです。

 でも、これからコロナ禍が明けても、しばらくは経済的に不安定な社会が続くでしょうし、だったら、経済的に頼りになるRとは離婚すべきじゃないなって思うんです。

 ガミガミ口うるさく言われる生活は、ストレスになりますけど、離婚して経済的な不安を抱えていくよりマシです。

 最近は、僕と一緒に居たくないのか、テレワークだけど妻は朝から夕方まで出かけてくれているし、家にいるのも快適です」

結婚生活なんてなんてそんなもの

 妻から離婚を突きつけられても、絶対に離婚届にサインをするつもりはないと断言するTさん。何度か妻からは「このままだと離婚」と告げられてはいるものの「協議が整わなければ、調停やって、それでもダメなら裁判だと思うので、粘れるところまで粘るつもりです」と口にします。

「Rと愛のある結婚生活を営むのは、おそらくもう無理でしょうね。でも、結婚生活なんて、多かれ少なかれそんなもんなんじゃないですか? 経済的な理由から離婚したくないって言うのは、珍しい話でもなんでもないと思うんですよね」

 ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


男運がないの、自分のせいじゃん! “ダメ男ホイホイ”女の4つの共通点「私だけが理解者」って違うから
「いつもダメ男に引っかかっている気がする…」と思っていませんか? もしかしたら、あなたがダメ男に引っかかるタイプの女性だ...
恋バナ調査隊 2025-08-26 08:00 ラブ
返信が来ない…彼は「回避型男子」では? 6つの“恋愛あるある”から学ぶ攻略法
「彼から好意を感じるけど、アプローチされない」「なかなか彼との距離が縮まらない」と悩んでいるそこのあなた。もしかしたら彼...
恋バナ調査隊 2025-08-26 08:00 ラブ
「姉がいる男性は沼る」ってマジか! 実は“難易度高め”な彼らの恋愛あるある。小賢しいテクは通用しない?
 姉がいる男性って、どこか女性に慣れていて自然体な雰囲気がありますよね。話しやすくて優しいのに、時々ドライで現実的な面も...
恋バナ調査隊 2025-08-25 08:00 ラブ
その“オレ通信”いらんわ! 距離感バグってる男たちのLINE6選「オレに一番似合う色は?」「角栓の写真送る!」
 仲良くもない男友達から、毎日届く俺通信…。あまりにうざいと、「あの日LINEを交換するんじゃなかった」と悔やんでも悔や...
恋バナ調査隊 2025-08-24 08:00 ラブ
「妻が出て行けばいい」“無駄遣い”は原動力だと言い切る夫。資産形成や貯金の要望を拒否する呆れた理由
「冷酷と激情のあいだvol.260〜女性編〜」では、ミーハーな暮らしを好む夫との離婚を決意したミニマムライフを好む真琴さ...
並木まき 2025-08-23 11:45 ラブ
「人生設計が狂いました」妊活に失敗した妻、浪費家の夫といる意味が見いだせない。離婚願望が強くなる日々
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-08-23 11:45 ラブ
「宝塚の男役みたいで…」夫には秘密、女性同士の濃密な関係。昂ぶる想いが“執着と嫉妬”に変わるまで
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-08-22 11:45 ラブ
「ほんと、ちょろい」裏アカが暴いた彼の本性。優しい言葉は全部ウソだった…SNS二重人格男の恐怖
「優しそうで誠実な人がいいな」――そんな言葉を繰り返していた友人のマキが、「まさに理想通りの人に出会った」と目を輝かせて...
おがわん 2025-08-22 11:45 ラブ
イケメンより優しい人より「筋肉男子」好き! 今、そんな女性が増えているワケ。背景は“社会情勢”にあり?
 筋トレ男子が人気です。今までは「マッチョはちょっと怖い」と言っていた女性も、「やっぱり逞しい人がいい」と気持ちが切り替...
内藤みか 2025-08-21 11:45 ラブ
なんで付き合ってるの? 友達の彼氏に“ドン引き”したエピソード。カスハラに束縛男って無理すぎ!
 友達の恋愛は応援したいですよね。でも「その彼氏はやめておいたほうがいい!」と思うときもあるはずです。今回はそんな体験談...
恋バナ調査隊 2025-08-20 08:00 ラブ
「優しい男はモテない」説の真実…女が語る“ガッカリした”5つの瞬間。神対応は私だけじゃなかったの?
 多くの女性が理想の男性像に“優しい人”を挙げるものの、“優しいのにモテない男性”が存在します。この矛盾はいったいなぜ生...
恋バナ調査隊 2025-08-19 08:00 ラブ
彼氏に「見知らぬ土地で置き去り→バックレ」って最悪じゃん! 人間性終わってた男の最低エピ5連発
 恋愛は、人の数ほどストーリーがあります。胸が熱くなる純愛エピソードもあれば、時には信じられない最低最悪彼氏に出会うこと...
恋バナ調査隊 2025-08-19 08:00 ラブ
「ホテル行かん?笑」にキモッ!男友達との友情が崩れたLINE3選。冗談でもムリだけど
 あなたは、男女の友情はあると思いますか? もちろん「ある」と答える女性もいるでしょう。でも、友達だと思っているのはあな...
恋バナ調査隊 2025-08-17 08:00 ラブ
「女の役目でしょ」帰省を拒む妻がムカつく――47歳夫の譲れない家族観。絶対に同行させたい理由とは
「冷酷と激情のあいだvol.259〜女性編〜」では、コロナ禍に定めた「夫の実家にはもう帰省しないでいい」というルールを、...
並木まき 2025-08-16 11:45 ラブ
「夫と子どもで帰省してよ!」妻から“夫婦のルール”を破る男への抗議。義母と相性最悪なのになんで?
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-08-16 11:45 ラブ
「私と結婚してほしい」障害のある恋、成就した女が決めた5つのルール。捨てられる女との違いはどこに?
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-08-15 11:45 ラブ