「飲めるよね」と当然のように
――Oさんはフェラチオさせながら射精をほのめかした。その後をお聞かせください。
「はい、彼は『ダメだ、もう出るよ……』と切羽詰まった声を上げたんです。私は、口内にねじこまれたペニスを吐き出そうとしたものの、彼の手は私の後頭部を押さえたまま。逃げるのを許してくれません。まさか……このまま口内発射?と思う間もなく、のど奥深くでドクドク、ドクドクと精液が放たれました。
私は『くううっ』と悲鳴を上げてもがきましたが、彼はずっと私の頭を押さえつけた状態です。やっと手が緩んだのは、ザーメンを最後の一滴まで絞り出してからです」
――いきなり口内射精とは、驚きです。
「私もです……すごく雑に扱われているな……と悲しくなりました。
芸能人でイケメン俳優の彼だから、多少の強引さは許されてきたのかもしれません。ただ……さらに驚いたのは、口内に残っているザーメンを吐き出そうと、テーブルの紙ナプキンに手を伸ばした時です。
彼、興奮に息を荒らげながら『俺のザーメン、飲んでよ。飲めるよね』と、当然のように言ってきたんです」
――信じられません。
「ええ、なんて傲慢な男だと思いました。
でも、ここで反抗すると、もう会ってくれないかもしれないと思って……興奮したまなざしの彼の前で、そのままコクン、コクンと飲み干しました。私、今まで精液なんて飲んだことはありません。好きな人の体液とはいえ、やはり生理的にイヤで……でも、あの時は飲むしかなかった。ドロリとした精液がのどに落ちていく瞬間、あまりの生臭さに噎せそうになりました。
粘つく液体がのどに張り付いて、テーブルにあったウーロン茶で一気に流しこみました。今にも吐きそうになる私に、彼は「ほら、飲めるじゃん」と嬉しそうに言ったんですよ。
初対面、しかもカラオケボックスの個室で……私への配慮などいっさいなしで、欲望をぶつけた彼に、腹立たしくなりました。
でも、ずるいんです。彼は私をじっと見つめて『ありがとう。嬉しいよ……好きだ』って……。優しく言われたら、もう怒ることなんてできません。もっと好きになっていく自分がいました」
垣間見えた傲慢さとナルシストぶり
――恋心は止められませんものね。
「はい、改めて『人を好きになるって理屈じゃない』『本能の前では、理性って、なんてちっぽけなんだろう』と思いましたね。
その後、彼はティッシュでペニスを拭き、すっきりしたように『カラオケでもしようか』と、棚からマイクとデンモクを取りだしました。彼が『R子ちゃんは、歌手ではだれが好き?君の好きな歌を歌うよ』と訊いてきたので、『Oさんの得意な歌を聴きたいな』と、まだ口内に残っているザーメンに嫌悪しつつ、笑顔を作りました」
――大変でしたね。
「はい、とにかく精液の後味が気持ち悪くて……でも、ここでも彼の気分を害したくなくて、平静を装うのに必死でした。彼はご機嫌なまま、EXILEの歌を歌い始めたんです。俳優の稽古には歌のレッスンもあるようで、抜群の歌唱力でした。
ただ、私がテレビ画面を見ながら聴いていると、『どこ見てるの?歌ってる俺を見てよ』って言うんです。それが命令口調なので、またしても驚きましたね。この人、傲慢なうえ、そうとうなナルシストだって……」
――聞くほどに驚きです。
「Oさんは、『なぜ俺が歌っているのに、画面の中で踊るEXILEを見てるんだ』と再度言ってきたんです。私は『あ、ごめんなさい』と、何も言い返せず、命じられるまま気持ちよさそうに歌う彼を見つめていました。
しかし、やはり芸能人です。彼の歌う姿は、あまりにも素敵でした。歌唱力はもちろん、立ち姿や表情もカッコよくて、ああ、やっぱり別次元の人だなあって……そんな彼と私はただならぬ関係になったし、これからも、彼を応援したい。そう思わせる要素がいっぱいあるんです」
――続けてください。
「その後、私も歌うことになったのですが、彼は歌う私を見ずに、画面に目を向けていました。もう、笑うしかありませんよね。でも、こんな軽々しくぞんざいな扱いを受けても、彼のそばにいられるのが幸せだったんです。
帰り際も、ギュッと抱きしめられて『また会おうね』って。完全にノックアウトですよ」
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