草彅剛の栄冠に二宮和也が涙のワケ 天才撤回された過去も…

こじらぶ ライター
更新日:2021-05-01 10:51
投稿日:2021-03-27 06:00

授賞式会場では…

 放送では流れなかったが、草彅が照れてか泣き笑いの表情で少しうつむいていると、二宮がそれに気づき笑いながら草彅の背中に手を添え、祝福していたと複数の観覧者からネット上に報告があがった。二宮含め、会場にいる誰もが納得の最優秀主演男優賞だったのだろう。

 今回「ミッドナイトスワン」で夜の世界を生きるトランスジェンダーという難役を圧巻の演技で務め、最優秀作品賞も手繰り寄せた草彅。いまでは役に完全に入り込む憑依型の天才と各方面から認められている存在だが、人気俳優として駆け出しの頃、天才との評価を“撤回”された過去がある。

天才は取り消す、その真意とは

 草彅は、90年代に入り人気グループとなったSMAPの一員としてドラマ出演を重ね、他のメンバーから少し遅れて97年に「いいひと。」(フジテレビ系)で役と本人の人柄が相まってブレイクを果たした。そして99年、つかこうへい氏が作・演出を務める代表作「蒲田行進曲」の主演に抜擢される。つか氏は記者会見で一度、草彅を「天才」と称したが、後日に行われた別の記者会見では「前回天才といったけれど、あの言葉は取り消す」と言い出したのだ。

 かなり衝撃的な発言で、この会見の模様を取り上げた報道番組を見ながら「剛くん、何か失礼なことをしてしまったのか、やはり実力が足りなかったのか……」と心配していた筆者。ところが、つか氏が続けて力強く放った言葉は、「草彅剛は天才じゃなくて、大天才だ!」であった。しかしこの一回下げて思いっきり上げる遠回しな褒め方は相当なインパクトがあり、当時SMAPにおいて視聴率面で大ヒット作を連発していたのは木村拓哉(48)だったが、“真の実力者”は草彅なのだな、と明確に感じさせられたものだった。

「芝居の大天才」草彅剛の堂々返り咲き

「ミッドナイトスワン」の内田英治監督もかつてはアイドルそのもの、そしてアイドルをはじめスターありきの日本の映画作りを批判していた。だが今作でトランスジェンダーの凪沙になりきった草彅について、「芝居ではなく同化」「作る演技を超えている」と絶賛している(「マイナビニュース」2020年9月27日配信)。

 地上波放送のある日本アカデミー賞で最優秀作品賞と最優秀主演男優賞受賞の二冠を達成した草彅。芝居の大天才がその実力でメインストリームに堂々と返り咲いた瞬間だった。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...
寅子版「自分会議」はユニークな演出だった! “ラスボス”百合さんに俄然注目
 結婚したら、自分か航一(岡田将生)のどちらかの名字が必ず変わることに、改めて気付いた寅子(伊藤沙莉)。  自分が...
桧山珠美 2024-08-20 15:30 エンタメ
【写真特集】ゆきぽよ、涙の水着謝罪&体重5キロ増の等身大パネル
【この写真の本文に戻る⇒】 ゆうちゃみの「オジサン転がし」を嫌悪するな。藤田ニコルも辿った一流ギャルタレントへの道
ゆうちゃみの「オジサン転がし」を嫌悪するな。藤田ニコルも辿った一流ギャルタレントへの道
 今をときめくギャルタレントである古川優奈こと「ゆうちゃみ」。『Popteen』モデルを経て『egg』の専属モデルを長年...
堺屋大地 2024-08-19 06:00 エンタメ
【写真特集】♥田辺誠一と大塚寧々の結婚発表会見♥(2005年撮影)
  【この写真の本文に戻る⇒】セレブとはなんぞや? 日本版「スカイキャッスル」の楽しみ方と“伸びしろだらけ”俳優
セレブとはなんぞや? 日本版「スカイキャッスル」の楽しみ方と“伸びしろだらけ”俳優
 本家韓国版「SKYキャッスル」に比べてチープ過ぎる、と酷評されている「スカイキャッスル」(テレビ朝日系)ですが、私は毎...
蠢く2組の恋模様。“台所公開プロポーズ”で攻める航一、漢・轟太一は堂々のカミングアウト
 直明(三山凌輝)と花江(森田望智)はそれぞれの同居に対する思いを語る。猪爪家を離れるのが寂しいと言う直明に対し、花江は...
桧山珠美 2024-08-17 06:00 エンタメ
論破王ひろゆき氏ばりに反論!直明の婚約者、放送終了間際でも爪痕を残す
 結婚しても同居を続けたいと主張する直明(三山凌輝)と、同居に反対する花江(森田望智)の対立は続いていた。どちらの気持ち...
桧山珠美 2024-08-15 16:20 エンタメ
再び東京編で“嫁姑”。花江はサザエさん、寅子はこんもりマダムヘアーに
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、互いの思いを確かめ合う。  そして昭和30年、東京に戻ることになった寅子は...
桧山珠美 2024-08-12 17:00 エンタメ
【写真特集】ぎらついていた時代のKAT-TUNメンバーたち
  【この写真の本文に戻る⇒】中丸雄一はいつまで地下に潜む? “アパ丸君のざわめく時間”を描く日は来るのか
中丸雄一はいつまで地下に潜む? “アパ丸君のざわめく時間”を描く日は来るのか
 いやあ、驚きました。人は見かけに寄らないというか。KUT-TUNの中丸雄一(40)のことです。  女子大生とのア...
朝ドラ史上に残るラブシーン。インテリはこれだからー!視聴者をやきもきさせた深夜の本庁トーク
 優未(竹澤咲子)から、思わぬところに優三(仲野太賀)の手紙が入っていたことを教えられた寅子(伊藤沙莉)。寅子のことばか...
桧山珠美 2024-08-10 08:58 エンタメ
寅子と航一どうなる? 花江訪問、涼子忠告、優三ラブレターの“一押し”3連チャン
 予想していなかった人物の突然の訪問に、喜びを爆発させる寅子(伊藤沙莉)。優未(竹澤咲子)と稲(田中真弓)も加わり、4人...
桧山珠美 2024-08-08 17:00 エンタメ
フワちゃん炎上で再評価? 竹内涼真ら「誤爆」で好感度が上がった芸能人
 タレントのフワちゃん(30)がお笑い芸人のやす子(25)に向けて放った暴言が大きな騒動を巻き起こしている。8月4日、X...
【写真特集】懐かしい!16年前の渡辺梓さん
  【この写真の本文に戻る⇒】「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になって...