野良猫はタダ?避妊・去勢手術代は?お迎え時の費用について

コクリコ 編集者
更新日:2021-04-18 13:14
投稿日:2021-04-04 06:00

医療費などの実費は里親(自分)が負担

 さて、遺棄されていた野良猫だったとしても保護団体から譲渡される際には「タダ」というわけにはいきません。ミルクボランティアさんはボランティアですので、ノーギャラでお世話してくださっているわけですが、ワクチンなどの医療費は実費がかかっています。

 私が譲渡していただいた保護団体からは、ワクチン2回分の費用に加え、マイクロチップ埋め込み手術、コクシジウム症の治療、避妊・去勢手術の費用の負担をお願いされました。2匹のトータルで63000円ほどです。避妊・去勢手術は病院によって価格が変わるので、これは安い方だと友人に言われました。高い病院では1匹につき6万円ほどかかることもあるそう……!

 譲渡にかかったのはこれだけで、あとは自分で用意したケージやトイレ、おもちゃ、爪とぎ、ベッド、脱走防止柵、ペットキャリーなどでトータル5万円くらいだったでしょうか。ここまでですでに10万円超の出費ですが、全然苦になりません。お金ならある(ないけど)。

猫ちゃんたちの名前はどうつけた?

 猫2匹に名前をつけました。茶トラ柄とサビ柄(見た目はグレーっぽくキジトラにも見えるけど、ちょっとだけ茶色が混じっている)なので、ナビスコの姉妹商品である「リッツとオレオ」や、ライオンキングの登場人物「シンバとナラ」などが候補にありましたが、結局、「天(てん)と虹(にじ)」にしました。

 高校時代から好きな漫画から取ったものですが、太陽みたいに明るい毛の「天」と、いろいろな色の混じった「虹」という、あとづけの理由がとてももっともらしく聞こえるので気に入ってます。虹の発音をよく人に聞かれますが、いま読んだ読み方ではなく「に」の方に強めにアクセントをつけていただければ。

 譲渡された当日、友人たちが帰ったあと、はじめて3人(正しくは1人と2匹)で鼎談です。あなたは天ちゃん、あなたは虹ちゃん、わたしはおかあさんです、とまずは名前を教えます。聞いちゃいなかったけど。

 5月のお見合いのときから、天ちゃんはシャイで怖がり、虹ちゃんは勝気で活発だったのですが、大きくなってもそのまま。天ちゃんはちょっと大きな音がするとソファの下にもぐり、虹ちゃんはいたずらばっかりしていました。なんでも噛む。ひもをちゃいちゃいする。

「早起きラブコール」の洗礼を受ける

 基本的に猫は縄張りの中で生きる生き物で、場所が変わるとストレスを抱えて具合が悪くなったりするそうですが、まだ子猫だったので、環境の変化にはすぐ慣れたように思えます。とはいえ、ミルクボランティアさんの広ーいおうちでは兄弟5匹と、別の子猫兄弟3匹と計8匹で遊んで暮らしていたのです。それがいきなり、こんな狭いおうちにたった2匹になってしまって寂しくないだろうかと心配し、おもちゃを取り出してはおもてなししていました。

 私が寝ている間に、コードをいたずらしたり、なにかを誤飲したり、どこかのすき間に入り込んで抜けなくなったりしないように、しばらくの間はケージで寝てもらいます。私が寝るときにはケージにしまって、鍵をかけて。当然ですが、水とトイレはケージの中に入れています。

 そして翌朝。夏の夜が白み始めた5時頃から2匹がケージの中でお騒ぎ。お腹がすいた! 出せ出せ! ギャングです。ご飯を用意して鍵を開けると鉄砲玉のように飛び出してきて、カリカリとフードを食べ、水を飲み、トイレをして、2匹で追いかけっこをして走り回ります。寝てられねー。

 コクシジウムは駆虫できたそうですが、虹ちゃんはずっと下痢が続いているそうで、わが家にきてもずっと下痢。ミルクボランティアさんから下痢止めはいただいていましたが、「近いうちにまた病院へ連れて行ってくださいね」と言われていたので、早速病院に連れていきます。

病院でおかあさんデビュー

 実家で犬を飼っているので動物病院には慣れていましたが、自分の名前とペットの名前を書く欄に記入していると、なんだかくすぐったいような、気恥ずかしいような気持ちになり……。これまた先生が「虹ちゃんのおかあさん」って呼ぶんですわ。はい! 虹ちゃんのおかあさんです!

 虹ちゃんは、とりあえずお薬を続けることと、「下痢パネル」というPCR検査を勧められました。そして後日、そのPCR検査でわかったのは、虹ちゃんが猫コロナウイルス陽性であるということ。2019年、世界がまだ新型コロナウイルスを知らなかった頃のことです。

 次回に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


戦うべき相手は過去の自分 時には昇ってきた階段を振り返る
 時には昇ってきた階段を振り返る。ずいぶんと上がった、と誇りに思うこともあるし、まだこんなところか…と凹むことも。 ...
親を嫌いになってもええやん? 40女が手放せた“無理と我慢”
 早いものでもう2月。新年をきっかけに、今年こそは! と決意を新たにした方も多いのではないでしょうか。  筆者もそのう...
コミュ力ゼロ、ママ友関係が苦痛でしかない…テッパン切り口&対処法
 子育てをはじめるともれなくついてくるのが、たくさんの人間関係。保育園や学校、ママ友との交流の機会が多いので、コミュ力の...
愛しいおんにゃの子に猛アピール♡“たまたま”君の恋の行方は
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
悔やまれる添い乳よ…子育てが落ち着いた40代ママが語る育児後悔エピ
 子育て期間中は、何が正解なのかわからないまま日々育児と向き合わなくてはなりません。しかも、子供によって成長の速さも性格...
世界的にフラワーバレンタインが来てる!愛の告白より感謝を伝える日に
 立春(2月4日)を迎え、暦の上では春。ですが、この記事を書いている最中にもテレビ画面には「本日関東地方は雪」ニュースが...
入籍お知らせで赤っ恥!させていただきますはダメ、巷でよく聞く変な敬語
 日本語って本当に難しいですよね! 中でも、日本人ですら間違えてしまうのが、敬語です。    案外、正解を知っている...
飛び立つのは怖いけど…いくつになっても思い切りって大事
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
“万年毛玉ジャージ”のママ友ん家がレベチ!良くも悪くもドン引きしたエピ
 人は見かけでは判断できません。特に、相手の本当の部分が垣間見えるのが「家の中」です。  いつも綺麗な人なのに家がすご...
朝寝坊にイチャイチャバレ…夫の実家に帰省した時の“珍”失敗談4つ
 結婚すると、長期休みや年末年始に夫の実家に帰省する人が多いですよね。そして、夫の実家への帰省中に、夫の家族から引かれる...
発達障害児の長男 児童精神科で勧められた「プレイセラピー」を受けたら
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
ちょいワルと見せかけて…実はおしゃべりな“たまたま”にキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
鉄橋の間をゴーゴーと風が通ってゆく…ここは夢と現実の境目
 鉄橋の間をゴーゴーと風が通ってゆく。眼を閉じて、橋と共に吹き飛ばされる自分を想像してビクッとする。  と思ったら...
太陽のように明るく!「娼」の成り立ち、知っていますか
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ソロウエディングってなに? 痛いとは限らない意外なメリットと注意点
 最近流行っている「ソロウェディング」をご存知ですか? ソロウェディングは、一人で結婚式を挙げたり、ドレスを着たウェディ...
中途入社ちゃん「ご迷惑では ご都合は ご連絡は」接客AIか?気遣いすぎ
 人への気遣いは大切。まったく気を遣わなければ、ギクシャクしたり口論になったりするため、最低限の気遣いは必要でしょう。 ...