一回目はコチラ
知人女性からの衝撃的なLINE
――フリータイムで盛りあがったAさんからのお誘い。その後をお聞かせください。
「はい、彼に『一時間……いや、三十分だけでもいいから、話したい』と言われて、近くのカウンタバーに行きました。時刻は二十二時。
夫には『夜の部のウォーキングレッスンの生徒さんたちと、少しだけお茶して帰ります』とメールを送り、三十分だけ話そうということになったんです。Aさんには、パーティー中から好意を寄せられて、いい気分になっていたのですが、バーでも『I子さんを独り占めできて幸せです』なんて言われて……。さらに、ときめいちゃいましたね。
銀縁メガネが似合うクールさと、時おり見せる『大人の男の無邪気な笑顔』に魅せられて……。だから、カウンターでさりげなく腰を抱かれた時も、拒みませんでした」
――続けてください
「あまり時間がなかったので、まずはLINEの交換をしました。そして、互いの家庭のことを話しました。
私は『夫とはまあまあ仲良しですが、子供もいなくて、これから作る予定もない。そもそも、もう女として見られていない』旨を正直に告げました。
Aさんは『僕の家は高2の娘がいるけれど、女房と娘の仲が良くて、男の僕だけのけものですよ』なんて笑っていましたね。
私が『素敵な旦那さまとパパがいらして、ご家族は幸せですね』と言うと、Aさんは私の目をまっすぐに見ながら『娘は可愛いけれど、妻とはもう家族ですよ。お互いを異性として意識していた時期は、とっくに終わっています』と言われて……。私、返答に困りました。
その時、私のLINEの着信音が鳴ったんです。見れば、既婚者合コンに誘ってくれた知人女性でした。Aさんに『すみません』とひとこと詫びてから、内容を読んで驚きました。
『今日はありがとう。こっちはラブホでエッチ中。彼、今シャワーなの♡ 既婚者合コン参加者はエッチ目的の男女が多いから、I子さんもどんどん楽しんで、素敵なセカンドパートナーを探してね♡』というあからさまな文面で、ギョッとしました」
出会いから2週間後再び…
――セカンドパートナー……ですか?
「はい、ものは言いようですね。要するに、家庭ではすでに『家族愛』になってしまった男女が、再び男と女に戻ってお互いを求める出会いの場でもあったんです」
――そんな現状が……
「もちろん、単に日常を忘れて異性と交流を深めたい人もいるかもしれません。ただ、Aさんも私も初参加でしたが、すでにこうして「非日常」を楽しんでいる。横に座る相手と今後どうなっていくのかドキドキしている……それが、いずれセックスする仲になっても、自然なことだと思えてしまって……。
その後、Aさんとはバーを出たのですが、帰り際に抱き寄せらせ、キスされました」
――続けてください
「すごく嬉しかったです。帰りの電車で、いくども彼とのキスを反芻しました。柔らかな唇や、少しだけ髭がチクチクする感触を思い出すと、胸が高鳴ってしまって……。
彼と再び逢うことになったのは、それから二週間後です。汐留にある高級ホテルの一室をリザーブしてくれて――。私は出かけるときに念入りにシャワーを浴びて、彼に脱がされるであろうシルクの黒いランジェリーを身に着けました。
洋服は、下着に合わせた黒のシックなワンピース。
すでに体は火照っていましたよ。四十二歳の体を見られてガッカリされないか、すごく心配でしたが、彼に抱かれる期待のほうが勝りましたね」
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