出汁をとったアサリでもう一品!
口に入れるとトロッとした長芋の食感にアサリのうま味が上品に広がります。
「暑い夏にはさっぱりしますよ。長芋は冬の野菜ですが、冷たいつまみは冬に出しても喜びが少ないので」と出口さん。
冷たいけれど、生ではないのがポイント。寿司屋はどうしても生ものが多くなってしまいます。出口さんは火の通った料理を提供してお客さんに喜んでもらいたいと、ひと工夫しているそうです。
アサリが多いほど出汁のうま味が出るそうですが、出汁をとったアサリはどうしたらいいのでしょうか。
「醤油、みりん、鰹出汁でアサリを軽く煮て、刻みショウガを混ぜれば手軽にもう一品できます」(出口さん)
こういうアイデアが料理上手への道なのです。
材料
・長芋 1本 約1キロ
・板ゼラチン 2枚半
・オクラ(またはキュウリなど緑色の野菜) 1片
・水 360ミリリットル
・アサリ 15個から20個
・塩 一つまみ
・みりん 大さじ2
・生醤油 大さじ2
・鰹出汁(ほんだしなど) 大さじ14
レシピ
(1)板ゼラチンを水で30分ぐらいふやかす
(2)鍋に、アサリが十分漬かるくらいに水を張り、一つまみの薄塩を入れ、沸騰させる
(3)アサリを取り出した2に1の板ゼラチンを入れ、弱火で溶かす
(4)火を止めて冷ましている間に、長芋の皮をむき、おろし金でおろす
(5)鍋が冷めたら4を入れて混ぜ、タッパーに流し込む。冷蔵庫で5時間ほど冷やす
(6)鍋にみりんを入れ沸騰させ火を止め、生醤油と鰹出汁を入れて混ぜ、冷ます
(7)5を4センチ立方程度に切りとり、器に盛る。仕上げに6の出汁をかけ、緑の野菜(オクラ)をのせる
本日のダンツマ達人…出口威知朗さん
▽出口威知朗(でぐち・いちろう)
1987年、東京都生まれ。女性向け情報誌で食や美容・健康にまつわる編集を担当したのち独立。ナッツ料理研究家、フードコーディネーター、フードプロデューサーとして活躍し、2016年にナッツ専門店をプロデュース。2020年3月、東京・外苑前にグルテンフリーバインミー専門店「Bánh mi Tokyo 」をオープンさせた。マッシュルーム料理専門店「マッシュルームトーキョー」、江戸前寿司×現代アート「すし玲」など話題の店舗にも携わっている。
▽ひさいち
祖父の代から85年続く寿司屋を継ぎ、2005年10月に「久いち」として開業。焼き、〆、煮などの江戸前や熟成のお寿司がオススメ。寿司の合間には野菜や果物を用いた多彩な料理も提供され飽きない。四季を通じて暖簾をくぐりたい。東京都台東区浅草3―18―8。
(日刊ゲンダイ2021年8月24日付記事を再編集)
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