木村拓哉が切り開く“俺流”名優像…家族ネタ放出で何が悪い?

こじらぶ ライター
更新日:2021-09-25 06:00
投稿日:2021-09-25 06:00

「いいオンナ捕まえたしなぁ」

 さらには同日放送された「ホンマでっか!?TV」(フジ系)で、「どうしても捨てられないもの」として、22歳当時、アメリカの牧場でカウボーイからもらったというカウボーイハットと投げ縄の現物を披露した。別れ際、「日本に帰ってこの投げ縄でいいオンナ捕まえろ」と言われたとも明かし、MCの明石家さんま(66)から「いいオンナ捕まえたしなぁ」と妻・工藤を連想させるようなコメントを投げられた。木村は自慢げに頷きながら、投げ縄を掲げ、音声は聞こえなかったが口元は「はい」と応えていた。

役者・木村拓哉の決意

 この家族ネタ解禁からは、娘の芸能活動のアシストという意味合い以上に、ファンの恋愛対象である“アイドル”を卒業し、1人の役者として確固たる地位を築いている木村の、ありのままの自分をさらけ出していこうとする意図があるように思う。

 キムタクのアップデートのもうひとつには、大ベテランになっても忘れないサービス精神だ。前述の「ホンマでっか!?TV」の後半では共演の芸人たちと共に、印象評論家から「ヤンキー座り」の座り方の指導を受け、その格好が海外でモテると説明されると、率先して芸人たちに「ちょっと、もう一回(やろう)」と声をかけ、全員で「便所座り」ともいえるそのポーズを再度、実践してみせた。

ニューヨークのマイナーキャラまで“完コピ”

 また16日放送の「櫻井・有吉THE夜会」(TBS系)では共演した長澤まさみが大好きだという芸人・ニューヨークが登場し、彼らのマイナーキャラ「ぺち」の「ん~ぺちぺちー!」と両手人差し指を突き出す持ちギャグを見せられると、木村は「最初に、こう?」と自らポーズを覚えるため確認。

 そしてニューヨークが次の仕事へと移動しなければならなくなった時、木村は「あ~残念だったなー、そういう時はぁ~?」と長澤や有吉弘行(47)、櫻井翔(39)も巻き込んで「ん~ぺちぺちー!」と誰より本意気でやって見せ、ニューヨークを感嘆させた。

芸歴34年の“大御所”でも全力でバラエティ

 これが「バラエティも全力で頑張るSMAP」時代なら分かるが、木村はもう芝居1本でやっていける、芸歴34年の大御所とも呼ばれるアラフィフだ。それでも番組を盛り上げるために、自ら体を使って笑いを取りに行く。

「なにをやってもキムタク」と揶揄されてもきたが、最近は「高倉健はずっと高倉健だし、田村正和はずっと田村正和だった。スターってそういうものかも」と稀代の名優と比して語られるようにもなった。

 そこに所帯じみた話もするし、笑いにも貪欲となれば、キムタクパイセンは新たな名優像を開拓しているといえるのではないだろうか。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


田中麗奈、45歳。心も体も変化するなか、ずっと変わらない“芝居”への気持ち
 多くの人の心をつかんだ「なっちゃん」のCMの初代キャラクターに始まり、映画『がんばっていきまっしょい』『はつ恋』、近年...
望月ふみ 2025-08-24 11:45 エンタメ
『あんぱん』のぶ、山に登って「ボケー!」は“征服欲”の成せる業か? アンパンマンの原型がついに爆誕
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の別居生活が続く中、登美子(松嶋菜々子)から嵩の名前の由来を聞いたのぶは、ひとり山へ向...
桧山珠美 2025-08-28 15:04 エンタメ
ラウール、22歳の色気が破壊級!「愛の、がっこう」は“代表作”になると断言してもいい
 夏ドラマも中盤にさしかかりました。そのなかでも回を重ねるごとに盛り上がっているのが、木曜劇場「愛の、がっこう」(フジテ...
【芸能クイズ】松本人志が福山雅治と「HEY!HEY!HEY!」で作った“オリジナル料理”の名前は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「あんぱん」羽多子らの“あの言葉”にあんぐり…のぶも感動してる場合か。落語家の年齢も気になる
 嵩(北村匠海)は「まんが教室」という番組に出演してほしいという健太郎(高橋文哉)の頼みをしぶしぶ承諾する。そして第1回...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
「あんぱん」のぶ、議員のコネ入社なのに“クビ”の謎。急成長したアキラ君と老けないオトナ達に酔いそう…
 嵩(北村匠海)が書いた詞にたくや(大森元貴)がメロディーをつけて生まれた「手のひらを太陽に」は、「みんなのうた」でも紹...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
スキャンダル続出の花田優一、美女にモテまくるのは何故? 不誠実男に学ぶ「悪名は無名に勝る」メリット
 元横綱・貴乃花光司と元フジテレビアナ・花田景子を両親に持つ“親の十四光り”の花田優一。  現在、元テレビ東京アナ...
堺屋大地 2025-08-17 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか
 舞台公演は成功裏に幕を閉じる。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩(北村匠海)。そこに、また一緒に楽しい仕事をしようとた...
桧山珠美 2025-09-04 12:26 エンタメ
カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ