更新日:2021-10-29 06:00
投稿日:2021-10-29 06:00
答えはまだ…少しだけ自然に身を任せてみよう
――その後はどうなったんでしょうか?
「久しぶりのセックスに夫は照れ臭そうにしていました。
ただ、子供の件はまだ決まっていません。産むならすぐさま病院に行って不妊治療を再開しなくちゃいけませんし、相当の覚悟も必要です。
早く答えを出さねばと思いながら、A美とも逢瀬を重ね、レズビアンの悦楽にも浸っているというのが現状です。
ただ、不思議な気持ちでいっぱいです。41歳になってレズビアンの恋人ができ、そのうえ、ずっとセックスレスだった夫とふとしたことからセックスをしてしまった。どちらも私に凄絶な快楽を与えてくれる――なんか、神様に悪戯されているようで……。
でも、人生って捨てたものじゃないと思います。どんなにふしだらな女だと思われても、A美も夫も大切な人には変わりません。
少しだけ自然に身を任せてみようと思っています」
――W美さんは唇をつぐみ、困ったような、しかし、満ち足りた表情を浮かべた。
「人生捨てたもんじゃない」と告げた彼女の瞳に曇りはない。
筆者の胸奥に「行雲流水」という言葉がよぎる。
いずれにせよ、全てがうまくいくよう願うばかりだ。 了
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