そうだ「縁切りスポット」に行こう 2022.03.10(木)

コクハク編集部
更新日:2022-03-10 18:38
投稿日:2022-03-10 06:00
 突然ですが、あなたは縁を切りたいと思った相手がいますか? 筆者にはいます。その相手はズバリ父親です。身内の恥をさらすようで恐縮ですが、うちの父はいわゆる毒親の部類だったと思います。殴る蹴るの暴力はなかったものの、しょっちゅうお金をせびられておりました。

突然の父の電話

 しかしながら、筆者が就職し家を出てからは、金の無心は徐々に減り、結婚後は1度もありませんでした。多少のモヤモヤは残るものの、とりあえずは穏やかに過ごしておりました。

 が、しかし。あったんですよ。この間。久しぶりに、父からの借金の申し出が。珍しく平日昼間に電話がかかってきたと思ったら、「ちょっと9万円貸してくれ」と言われました。9万円って数字がリアルでしょ(笑)。

 もちろん丁重に断りましたが、ひどく動揺しましたね。情けないやら、虚しいやら。ふさぎ込む日々が続く中、思いついたのが「縁切りスポット」へのお参りです。

於岩稲荷田宮神社へGO!

 前置きが長くなりましたが、そんなわけで、こちら都内でも有数の縁切りスポット「於岩稲荷田宮神社(おいわいなりたみやじんじゃ)」でございます。「四谷怪談」で有名な「お岩様」をお祀りしている神社です。

 住宅街に突如現れる小さなお社ですが、なんだか独特の雰囲気がありました。ピリっと澄んだような空気が流れていて、異次元に迷い込んだようです。

縁切りのお作法

「縁切り」祈願の“絶対お作法”として、相手の不幸を願うのはNGなんですって。

 危なかったー。全身全霊でネガティブな感情を炸裂させてしまうところでしたよ。

 前向きな気持ちでお参りをしなければならないそうです。とはいえ、なかなか難しいですよね。

 お社の隣には、お札が入った箱がそっと置かれていました。参拝の記念にどれでも好きなお札を持って帰っていいそうです。小さな心遣いが、弱ったメンタルに染みますね。

 筆者が選んだのは「電光石火」と書かれた一枚。これで「先送り癖」とも縁を切れるといいのですが。いつもお財布に入れて持ち歩いています。

陽運寺へGO!

「於岩稲荷田宮神社」のななめ向かいにあるのが「陽運寺(よううんじ)」。こちらも縁切りスポットとして有名です。

 こちらの本堂にはお岩様の木像が安置されており、歌舞伎興行の際には安全と成功を願って役者等関係者が必ず参拝するとのこと。

お岩様にお願い

 境内には「心願成就の石」があり、なんでもこの石の穴の中に「叶玉」3個を投げ入れると、願いが叶うそうです。「叶玉」は3個100円で本堂の横に用意されていますよ。

 お岩様に届け、この思い。

縁切りしたかったのは父親じゃない

 いえね、「縁切り」と言ったって、本当に父との縁が切れるなんて思っていないです。残念ながら、親はずっと親。法的に戸籍上の親子の縁を切る方法というのも存在しないそうです。つらい。

 それならばせめて、自分の中のどろどろとした思いと決別したかったんですよね。「娘にお金をせびる父はおかしいのではないか?」「いやいや、親の要望に応えられない自分がおかしいのでは?」etc……。

まとめ

 借金を断って以来、父からの連絡はありません。

 資金繰りがうまくいったのか、諦めたのかはわかりませんが。

 筆者の気持ちもだいぶ収まりました。また借金依頼の電話があるかもしれない。でも、その時はまたきちんと断ればいいだけのこと。そう考えられるようになりました。

 2つの縁切りスポットへのお参りで、自分の感情をリセットできたのだと思います。親であっても「縁を切りたい」って願うのは間違いじゃないんだと、自分を肯定できました。

 ◇  ◇  ◇

 人間関係でなにかモヤモヤしている方は、一度「縁切りスポット」に出かけてみるのもいいかもしれません。自分の気持ちを見つめなおすことができますよ。

「於岩稲荷田宮神社」
address:東京都新宿区左門町17

「陽運寺」
address:東京都新宿区左門町18

(編集K)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


お客様は神様…じゃないよ! 地獄の“カスハラ”5連発。「400万払え」の脅しで転職に追い込まれ
 接客業をしているとお客さんから理不尽なクレームを受けたり、必要以上のに暴言を吐かれたりなど、カスタマーハラスメントを受...
一目惚れした“にゃんたま”様に会えるかな、美しい島で奇跡の出会い。ふと見上げた先に…いた!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「最後の命を燃やしてるみたい」海中カメラマンの話に植物の“終わり”を思う。花が教えてくれた“命”の使い方
 「やっぱり生態系が崩れていると実感する」  猫店長「さぶ」率いる我がお花屋に、沖縄の友人が数年振りに遊びにやって...
おばさんが目撃した「奇妙な痴漢」。若い女性を守るため、どうするのが正解だった?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
令和の嫁は泣き寝入りしない! 姑への仕返し経験談4つ「私への暴言を録音して流しました」
 息子を奪われた気になって、嫁に嫌がらせをしたり嫌味を言ったりする姑は令和にもいるものです。  しかし嫁たちだって...
SNSの誹謗中傷、なぜするの? こじらせアンチ勢の心理8つ。冗談のつもりが攻撃に…
 SNSには匿名であることを利用して、批判や否定、誹謗中傷のコメントなどを繰り返す人がは一定数いるものです。そんな“アン...
ちょ…「パチンコ通ってそう」ってどういう意味!? 身近な女のイラつくLINE6選
 口調や仕草で可愛らしさをアピールする「痛い女」に、気遣いができない「自称サバサバ女」。女の敵はやっぱり女? あなたもこ...
にゃんたま総長、おやつをどうぞ! 猫族の頂点に君臨する風格はさすがです
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第102回「夏のバカンスだワン!」
【連載第102回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
【漢字探し】「妍(ケン)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
夫の「相手」と直接対決した結果…妻が抱いた不思議な感情。ベッドでありえない“未来”を夢想する夜
 亜理紗は夫・慶士の不自然な泊り大阪出張の真相を探るべく、浮気相手である女のインスタを見て、大磯のプールリゾートへやって...
“清純系”女の視線にゾッ…地獄を見せるはずだったのに。29歳の妻が企んだ稚拙な復讐
 亜理紗は夫・慶士の不自然な泊り出張の真相を探るべく、浮気相手である女のインスタを見て、大磯のプールリゾートへやってくる...
「なめられてたまるか」出産直前、夫は女と沖縄へ…密会場所に乗り込む“元ギャル妻”の計画
「明日の本社への出張さ、やっぱ早朝に出て新幹線で行くわ」  1カ月前から予定されていた夫・慶士の大阪出張。 ...
「ウチは犬派だ」で険悪に…義両親との会話がハードモードすぎ! 帰省時のテッパン会話5つ
 お盆の帰省で、頭を悩ませるのが義実家との付き合いです。義実家とは年に数回、長い休みの時しかにしか会わないという方も多い...
65歳の男が「完璧な人間=幸せ」じゃないと気づいた瞬間。やっぱり人間は好きなことでしか頑張れない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
スナックで見た! 実際にあった“ホステス同士”の陰湿なバトル「京都の女、嫌いなんだよねー」にヒヤッ…
 夜の世界を描いたドラマや漫画、きっとみなさんも一度は見たことありますよね。  その中に出てくる女同士のケンカって...