「他人が家にいる」恋愛結婚した妻に興味が湧かない夫の胸中

並木まき ライター・エディター
更新日:2022-05-14 06:00
投稿日:2022-05-14 06:00
冷酷と激情のあいだvol.90〜女性編〜」では、夫であるヒロムさんと心が通い合っていない虚しさに苦しむ妻・夏夜さん(仮名・37歳)の憂いをお届けしました。
 表面的には何の問題もない夫婦に見えるふたりですが、妻は長期にわたって夫婦関係に悩んでいます。では、ヒロムさんは今の夫婦関係についてどう考えているのでしょうか。

まさに“好きの反対は無関心”

「妻に対して興味が湧かないんです」

 ポツリとこう話し始めたヒロムさんは、寂しそうな表情で言葉を続けます。

「興味が湧かないって言い方は申し訳ないなって思うけれど、他の表現が見つかりません。妻とは恋愛結婚でしたが、今では、交際中から僕は妻のことをそんなに好きじゃなかったのかもしれないって思い始めています。

 よく、“好きの反対は無関心”とかって言うじゃないですか? まさにアレですね。怒りとか憎しみとかが湧けばまだいいんだろうけれど、妻に対しては何ひとつ興味が湧かないんですよ。

 同じ家で暮らしていますが、他人が自分の家にいるなっていう程度で、愛おしいとか感謝とかの気持ちが湧いてこなくて、僕自身も戸惑っています」

“いい妻”だろうけど幸せは感じない

 結婚して3年。妻の夏夜さんは、ひと通りの家事をきちんとこなし、パートで仕事もしていて「一般論で言えば、“いい妻”なんだろうと思う」と話すヒロムさん。「だけど、何のために一緒にいるのかと聞かれれば答えに困るし、妻と一緒にいる毎日に幸せを感じるかと聞かれれば答えは“NO”です」と続けます。

 妻から何度も、夫婦関係について話し合いを求められ、その度にヒロムさんも応じてきたとのこと。しかし夫婦間に大きな問題があるわけでもないので、話し合いはいつも抽象的な内容で終わってしまい、関係の改善には至っていないそうです。

「問題があるわけじゃないからこそ、関係が改善することは期待できないですよね。僕は妻に対して感情をぶつけるパワーも湧きませんし。

 浮気ですか? していませんよ。僕はもともと女性に対しては、そんなに積極的なほうではありません。妻と付き合ったのも、夏夜さんのほうから猛アプローチをしてくれて、“こんな僕にそこまでの愛情を向けてくれるなら……”というところからスタートしました。

 結婚するまでは別々に暮らしていたので、会うのは月に数回でした。だから、会っているときだけ夏夜さんに気を遣えばよかったんですけど、結婚しちゃったら毎日一緒じゃないですか。そうなると、妻の前でずっと演技をし続けるのも難しくて。

 夏夜さんは『付き合っているときとは全然違う』って僕に言うけど、そりゃあそうですよね。付き合っているときは、相手に不快な思いをさせないよう必死に演技してきたので」

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


【漫画】「あなたは不妊症です」婚約者も仕事も失って…私は女として“失格”なの?『できても、できなくても』#1
【『できても、できなくても』あらすじ】  「桃生翠さん…残念ですがあなたは不妊症です」――ブライダルチェックで発覚した...
順風満帆だった45歳 経営者の転落。美人CAから若い女に乗り換えるはずが…地獄の「三者面談」の顛末
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-10-10 11:45 ラブ
閉経前にもう一度…“癒し”を求める50代女性「ただ話を聞いてもらいたい」男性を求める切実な理由
 ドラマやネットなどで「女性用風俗」が取り上げられることが増え、一般の女性たちにもその名が浸透してきました。  ア...
内藤みか 2025-10-10 11:45 ラブ
「恋愛は効率か、それとも不要か?」タイパ世代に広がる新しい恋愛観。20代で結婚相談所に登録も
「最近のJ-POPは、前奏が短すぎて歌いにくい」カラオケでそう感じたことはありませんか?  我々、40代が青春時代...
男の「私たち付き合ってるよね?」への本音。告白はなくても“彼女認定”されるきっかけ
「彼からの告白はないけど私たちって付き合ってるのかな?」と、曖昧な関係性に不安を抱えている女性もいるでしょう。  ...
恋バナ調査隊 2025-10-08 08:00 ラブ
早く帰りたい…! 初デートで使える“テッパン話題”とさっさと“切り上げる”コツ。やさしいウソで後腐れなく解散♡
 マッチングアプリ内でやり取りを重ねていても、いざ初デートの日程が決まると「会話で失敗したくない」「話が弾まなかったらど...
恋バナ調査隊 2025-10-08 08:00 ラブ
絶対言えない! 夫婦が隠してる“秘密”を大暴露6連発。裏アカ妻はSNSで夜ごと発散を…
 ひとりの大人として生きていれば「他人には知られたくない秘密」が出てくるのは自然なこと。「自分のすべてをさらけ出せる」な...
恋バナ調査隊 2025-10-07 08:00 ラブ
それで別れる!? ドラマの感想で大ゲンカ→まさかの破局…恋が終わった“マジでくだらない理由”5選
 彼氏とケンカしたあと「なんであんなしょーもないケンカしたんだろう」と反省することもあるはず。そんな“くだらない原因”で...
恋バナ調査隊 2025-10-07 08:00 ラブ
なんでそうなるの!? 夫婦の“温度差”あるある6選。早く寝たい派vsいちゃつきたい派の終わらない攻防
 結婚して一緒に暮らすようになると、些細なことに「え、なんでそうなるの?」と驚く場面が増えるものです。恋人時代には気づか...
恋バナ調査隊 2025-10-06 08:00 ラブ
「無職の彼氏」最高じゃん! 私たち、お金で買えない“幸せ”を手にいれました♡ 8人の意外な告白
「無職の彼氏」というと一般的にはネガティブなイメージがありますが、中にはそれでも幸せに過ごしている人もいます。今回は彼氏...
恋バナ調査隊 2025-11-02 09:47 ラブ
「彼女もふてぶてしい」夫が明かす、義母が妻を嫌う“仕方のない”理由。再婚夫の身勝手な責任論
「冷酷と激情のあいだvol.266〜女性編〜」では、近居の義母から夫の元妻と比較され、文句を言われ続ける奈々美さん(仮名...
並木まき 2025-10-04 11:45 ラブ
「君が出ていけば?」に絶句…前妻と比べられる45歳新妻の苦悩。地主の息子と離婚か、それとも我慢か
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-10-04 11:45 ラブ
「勝手に不安になられてもw」でブロック確定! 女が別れを決意したLINE3選。愛する彼女にそれ言うか?
 いくら相手のことが好きでも、不満や不安が我慢の限界を迎えたとき、別れを決意する人が多いようです。恋人と別れたくないので...
恋バナ調査隊 2025-10-04 08:00 ラブ
「俺を見捨てるのか!」DV男に脅された34歳女性、“報復”は成功したはずが…待っていた恐怖の日々
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-10-03 11:45 ラブ
「どうせ俺なんて…」20代男子がアラフォー女性に惚れたわけ。イケメンに響いた熱意の“根気と愛情”作戦
 かなり年下の彼氏ができたという話はもはや珍しい話ではありません。しかし近頃増えているのは「かなり年下の彼氏ができたけれ...
内藤みか 2025-10-03 11:45 ラブ
心は少年、身体は老化…! 夫に感じた“若さと老い”のエピソード6選。あなたの家庭はどっちのタイプ?
 女性に比べて、男性はいつまでも夢を追いかけがち。少年すぎる考えの夫に「もっとしっかりしてよ!」と思う人もいるでしょう。...
恋バナ調査隊 2025-10-03 08:00 ラブ