南蛮みその奥深い味
「アクセントになんばん(青唐辛子)を入れて、辛味を出しています」
宮本さんは、もともとオーナーシェフの三國氏が行きつけにしていた都内のイタリア料理店で腕を振るっていました。出身は宮城県です。
「宮城県といったら牛タンですよ。辛味のある南蛮みそを添えて食べるのが定番です。今回はそれにバルサミコ酢やバジルを使ってイタリア風にしました」
まず、ナイフを入れるとお肉がなんとも軟らかい。カットしなくても、繊維が勝手にほぐれていきます。少し甘めでこっくりとしたみそ味に、すっきりした酸味や香味、後からピリッとした辛味がやってくる奥深い味です。
「バジルソースは、夏に採れたバジルをペーストにして保存食のように使っています」
冬の北海道は雪深い大地だから収穫できるものが限られます。夏に採れた新鮮野菜や果物をこうして加工し冬にも使います。最近は雪の下に、じゃがいも、にんじん、大根などを寝かせて越冬させることも。低温貯蔵で熟成が進み、ぐんと甘味が増すのだそうです。
【材料】(4人前)
・煮てある牛タン 1本
〈南蛮みそ〉
・みそ 100グラム
・青唐辛子 20本
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ1
・サラダ用野菜 適量
・バジルソース 適量
・バルサミコ酢 適量
・粉チーズ 適量
・バージンオイル 適量
【レシピ】
(1)煮てある牛タンが入手できない場合は、牛タン1本まるごと、大きめにカットした玉ネギ1個分、ニンジン1本分(ともに分量外)と一緒に水から軟らかくなるまで煮込む。
(2)南蛮みそをつくる。青唐辛子を小口切りにして油で軽く炒める。そこに他材料をすべて入れて好みの硬さになるまで練り上げる。
(3)薄くスライスした牛タンをフライパンで焼く。またはバーナーで炙る。
(4)3をお皿に広げて、南蛮みそ、バジルソースをかける。上にサラダをのせて、バルサミコ酢、粉チーズ、バージンオイルをかけて出来上がり。
本日のダンツマ達人…宮本慶知さん
▽宮本慶知(みやもと・よしとも)
東京・四谷のイタリアン「La Vita」にシェフとして在籍中、常連客だった三國シェフの目に留まり上川のプロジェクトに抜擢。1年間、札幌のテルツィーナで堀川シェフのもとで腕を振るい、「フラテッロ・ディ・ミクニ」のオープンシェフとして陣頭指揮を執る。
▽フラテッロ・ディ・ミクニ
ガーデンレストラン&ヴィラ。オーナーシェフは「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三氏と「トラットリア・ピッツェリア・テルツィーナ」の堀川秀樹氏。大雪山の大景観の素晴らしさと農業者たちの思いを伝えるべくオープン。食材だけでなく、地元の木材や石材を店内インテリアに使う。
北海道上川郡上川町菊水旭ケ丘
(日刊ゲンダイ2020年4月25日付記事を再編集)
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