低用量ピル愛用歴10年でドクターストップが!2022.6.9(木)

コクハク編集部
更新日:2022-08-19 23:48
投稿日:2022-06-09 06:00

片頭痛持ちの中では軽い方だけど…

 片頭痛持ちにとってピル服用が禁忌と知らなかったかといえば、そんなことはありません。

 低用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモン成分が配合されており、この2つのうち、卵胞ホルモンの方に血液を固める作用があります。なので、特に“前兆のある片頭痛”の人は「脳梗塞のリスクが上昇するためピルを飲んではいけない」という説明は以前に通っていた婦人科で聞いていました。

 片頭痛持ちの人の中には、日常生活を送ることもままならないほど重症の人もいます。ハンドボール元日本代表の宮﨑大輔選手は、小学生の頃から重度の片頭痛に悩まされていたそうで、週に数回、ひどいときは1日に2回起こることもあったと、以前インタビューで語っていました。

 ただ、私の場合は多くても数カ月に1回起こるか起こらないか程度。以前、通っていた婦人科の先生からは「そのくらいの回数ならあまり問題ないから、毎年必ず血液検査を受けて数値を確認すれば大丈夫」と言われていました。

ピルがだめなら「ミレーナ」があるじゃない!

 血栓症リスクは少し心配ではあるけれど、血液検査で問題ない数値を保ちながら、今後もピルを飲み続けられると思っていた私にとって、今回の“ピル中止宣告”はショックでした。

「また、生理不順とPMSと経血に悩まされるのか……」と暗い顔をしていたら、「ピルがだめでもいろいろ方法はあるからさ」と提案されたのが、子宮内膜症の治療に使われる黄体ホルモン系の薬の服用とミレーナでした。

 ミレーナは膣内に入れる避妊リングの名前で、子宮内に入れることで黄体ホルモンを持続的に放出する薬剤徐放性システムのこと。避妊だけでなく、月経痛の緩和や子宮体がんの予防など様々な効果があります。先日、タレントの益若つばささんがミレーナを使用していることを公表して話題になったので、知っている人も多いかも。

 ミレーナや黄体ホルモン系の服用薬に血栓症のリスクを上げる卵胞ホルモンは含まれておらず、片頭痛持ちや血液検査の結果がよくない人でも使用できるというわけです。

 年間4万円ほどかかるピルに対し、ミレーナは5年で4~5万円ほどなので、コスパ面ではミレーナの方が優秀。ただ、装着する前にいくつかの検査が必須で装着できる時期も決まっています。私は医師と相談の上、しばらく服用薬の方で様子をみて、どこかのタイミングでミレーナに移行しようという話になりました。

おわりに

 婦人科でピル中止宣告を受けたあと、別の脳神経外科に片頭痛の薬をもらいにいく機会がありました。そこの医師に事の顛末を話したところ、「脳神経外科からすると、ピルで血栓症が起こるって非常にまれだし、リスクが上がるっていっても微々たる数字だけどねえ」と言われました。同じお医者さんでも専門や個人によって考え方は異なるようです。

 どの医師の言うことを信じるのか。どのリスクを取って、どのリスクを取らないか。自分の体のことは自分でしっかり考えて、今後もできるだけ慎重に判断したいと思います。

 ※注釈:文中の効果等は筆者の体験に基づいた個人的な感想です。

(編集M)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


熱狂する韓国コスメブームに違和感。顔につけるのに、低価格、パケ買い、なんとなく…だけで買って大丈夫?
 つい先日、資生堂の最終赤字が100億円超との報道がありました。主な理由は中国での事業不振にあるそうですが、実際のところ...
急に夜が淡白になり、枯れてしまった彼氏…【薬剤師監修】浮気以外で考えられる原因は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代で「実年齢+5歳老け見え」は絶対回避したい!【美容家激推し】お助けアイテム3選
 40代を迎えると、ちょっとした老け見えにも落ち込みますよね。「43歳なのに、48歳くらいに見られた…」なんてしょんぼり...
お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美...
腹痛だけと思ったら大間違い!本当は怖~い「便秘」の5つの影響【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
冬でもテカる! 厄介な「油田肌」3つの原因と対策3カ条。逆効果のケアしていませんか?
「夏はまだしも、真冬の今でも肌がテカるのなんでなの!?」とキレている女性の皆さま、必見!  今回は冬でも肌がテカる原因...
40代に高額な美容液は必要なの? 愛すべきプチプラではなく、全力で投資すべきデイリーコスメは…
 40代半ばを過ぎてくると「高価な美容液に変えるべき?」の疑問が湧いてくる人も多いよう。実際に私のもとへも、「プチプラ美...
脱ネガティブ! マインドフルネスって何?【専門家監修】1日5分から始める簡単メソッドを解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
美容家熱弁!40代以上に大人気のプチプラで“買い”な最新作(UV対策、ポイントメイク、ヘアアレンジ)は?
 ここ数年で「プチプラ」と呼ばれるコスメのレベルが、格段に上がっていますよね!  大人世代が使っても納得と満足の両方を...
噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
洋服でお金を浪費する人の特徴4つと回避策。通販サイトは“鬼門”かも?
 お金は稼いでいても、なかなか貯金が貯まらない人に多い特徴が「洋服でお金を浪費している」ケースです。なかには、洋服はたく...
お風呂から出てもすぐに足先が冷えるのはなぜ?【専門家監修】温活で全身ポカポカにする秘訣とコツ
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代が実例チェック! アラフォー女性がハマる“逆パンダ”アイメイクの罠
 アラフォー世代のみなさ~ん。若々しさを意識して華やかなメイクをしたつもりなのに、気づけば目元が浮き上がり、さながら“逆...
夫がハゲてきた…プライドも頭皮も傷つけない伝え方と妻にできること3つ
 夫婦の間でも、デリケートで伝えにくいのが「夫のハゲ問題」です。ハゲてきたと感じても正しい伝え方をしない場合、夫を傷つけ...
ダイエット成功の秘訣は「楽痩せ」【薬剤師監修】過去の失敗は“宝”。本当に好相性な超簡単ダイエットは?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「なんだかキマらない…」【美容家厳選】“メイク下手”40代こそ使いたい! 優秀プチプラ3選
 40代以上の自称「メイク下手」女性の多くが悩む「昔と同じようにメイクをしても、なんだかキマらない」問題。きちんとメイク...