20代半ばから約10年にわたり低用量ピルを愛用してきた筆者(35歳)が、血液検査の結果がきっかけでピルを飲めなくなってしまった話です。
血液検査の結果でドクターストップ!
「この数値だと、もうピルはやめた方がいいかもね」
ある日、かかりつけの婦人科で担当医に言われました。この日は、1年に1回受けている血液検査の結果を聞くための日で、いつものように検査結果が印字された紙をもらってすぐに帰るつもりでいました。
「もう少し低い数字だったら、水分補給をしっかりして様子を見ようって言うけど、この数値だと僕からは勧められない。どうしてもっていうなら仕方がないけど」
担当医が指摘したのは、血液の中で赤血球が占める比率を表すヘマトクリット値について。女性だと33.4~44.9%が標準値のところ、私の結果は48.0%。ちょうど48%を超えると血液が“ドロドロ状態”とされ、脳梗塞や心筋梗塞、ピルの副作用のひとつである血栓症のリスクも高まるので、服用を続けるのは勧められないという話でした。
そうか、私の血液ってドロドロだったのか……。
きっかけはPMSと生理不順
そもそも、私がピルを飲み始めたのは社会人になって数年目のこと。当時、住んでいたシェアハウスでピルを飲んでいる子がいて「生理痛で寝込むことがなくなった」と嬉しそうに話していたのがきっかけでした。
私の場合、生理痛はそれほどひどくないのですが、生理前のPMS(月経前症候群)に悩まされていました。生理が近づいてくると、ひどい便秘になったり、体がむくんだり、しっかり寝ているにも関わらず昼間に眠くなってしまったり……。私は精神面での不調はあまり感じていませんでしたが、人によっては生理前にイライラや抑うつなどの症状が出るとも言われていますよね。
加えて、普通1カ月に1回くるはずの生理がなく、健康診断などで生理周期について聞かれたときは「だいたい40日周期です」などと答えていました。(本来は1カ月に1回生理が来ない=立派な生理不順です)
その後、婦人科にかかり、処方されたピルを飲み始めてからは、生理不順やPMSに悩まされることは一切なくなりました。さらに、私が飲んでいたのは最長で120日間飲み続けられるタイプのピルで、連続服用することにより出血の回数や量も減るので、生理用品を購入するための出費も少なくなりました。
ただ、保険適用内で購入する場合は1回の診察につき3シート(3カ月分)しかもらえないので、3カ月に1回は婦人科にかかる必要があります。1シート3000円程度で、そこに診療代が加わるので3カ月で1万円、1年で4万円ほどかかりますが、そのくらいの出費はまったく気にならないくらい快適な日々を送っていました。
片頭痛持ちはピルが飲めない?
場面を婦人科の診察室に戻します。
「あとさ、問診票の『閃輝暗点をともなう片頭痛の経験あり』のところにチェックしてるけど、そもそも片頭痛の人はピルを飲んじゃダメなんだよね。血栓症が起こる確率をさらにあげるから」
閃輝暗点(せんきあんてん)。
片頭痛のない人には聞きなれない言葉かもしれませんが、片頭痛が起こる前に起きる前兆のことです。突然、目の前がチカチカして、まぶしい光の輪っかのようなものが視界の中心に現れます。その光が邪魔をして目の前のスマホやパソコンに視点が合わなくなり、視界が狭くなってきて、片方の視野が見えにくくなってきます。
その数十分後にこめかみを中心に、ズキンズキンと何も手につかないくらい激しく頭が痛くなり、(私の場合は)1時間後くらいには収まります。これが「閃輝暗点をともなう片頭痛」です。私は20代前半から、この片頭痛に悩まされていました。
片頭痛があっても閃輝暗点がない人もいるみたいです。ちなみに、一説によると作家の芥川龍之介も閃輝暗点の経験者だったとか。
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