SEXはコミュニケーション…オナニーは自身の“快楽の追求”

大泉りか 作家・コラムニスト
更新日:2019-05-11 06:00
投稿日:2019-05-11 06:00
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと主体的に性を楽しめるようになる。女性の様々な性癖に迫ります。

オナニーは“膣内”の感触を確かめるのが好き

 初めて女性器を覗いた日の衝撃は、今でもはっきりと覚えています。ふっくらとした肉畝の間からはみ出している襞を両手でかき分けて開くと、その先はビックリするような鮮烈な粘膜で、「見てはいけないものを見てしまった」という感覚をおぼえました。以降、たまに気が向いた時に見てみるものの、いつまでたっても慣れずに、直視できないのは、どうしてなのでしょうか――。

 女性に性癖を教えていただくこの連載の二回目に登場いただくのは、直美さん(仮名、35歳、宮城県在住)です。

「わたしは、セックスとオナニーは完全に別物と捉えています。セックスはコミュニケーションで、オナニーは完全に自分自身の快楽のみ。セックスはセックスで、もちろん気持ちいいです。けど、イケなくてもそれはそれでいいってタイプで。セックスの良さは、肌の密着感ですかね」

 一方で、オナニーは、指で自分の“膣内”の感触を確かめるのが好きだという直美さん(仮名)。

「中の感じを想像しながらいたすのが一番好きです。オナニーする時も、自分自身の中身を想像してやっています。なので、オカズってものを必要としていないんです。膣内って、つるっとしてるとき、ふわふわしてるとき、ざらついてるとき、筋張ってるとき、結構バリエーションあるんですよ。入れるのは中指か、中指と薬指なんですけど、自分で特に意識して締めてなくても、締まる強さも違うし、ぎゅーって包まれていく感覚は、指も気持ちいい」

 自分の膣の様子そのものに興奮することに気が付いたのは、中学2年生の時。指を始めて入れて以来、“膣内”を愛でることが性癖になったという。その理由はというと……。

「自己愛が強いタイプなので、『わたしのまんこ、かわいい!』って本気で思っているんです。だって、まんこってかわいいですよね。たまにモザイクなしのAVを見ると、かわいくないまんこもありますけど……。わたしにとってのかわいくないまんこは、ぷるっとしていないやつ。唇とおなじですよね。唇でも、グロスぬってるほうが可愛いじゃないですか。カサカサっとした小陰唇とか、幸薄そうにみえますね。最近はグロスって、あんまり流行ってないですけど」

女性器がイク時の変化を感じ面白みを得る

 しかし、セックスの時に、とくに“性器を見られたい”という欲望があるわけではない。あくまでも直美さんにとって、他人とのコミュニケーションであるセックスと、自分自身の快楽を追求するマスターベーションとは、別なのです。

「わたしが自分でかわいいと思ってるだけでいい。むしろクンニとかも、『したければすればいいよ』くらいです。それで、オナニーの話にもどるんですけど、イッてる時って膣が、不随意運動してるじゃないですか。それを、いつも10回ビクビクするまで数えるクセがあります。あれって1、2回ビクビクするだけじゃそんなでもなくて、5回超えるともう一回波がくるんですよね。10回以上だと『よし!』って思います。オナニーでは不随意運動はマストです。逆にセックスでは、お相手がイケばゴール」

 膣内に指を挿し込んでオナニーをすることで、女性器がイク時の変化をしっかりと感じ取り、そしてそこに面白みを得る。自分の身体を愛するということは、そういうことなのかもしれません。

「自分で見たことない、触ったことないって人もいるんですよ。嘘でしょ?!と思います。見たこともないのに、他人に触らせるの? って。そこは責任もたないと。だから、みんな見たほうがいいです。かわいいから」

 そういえば、わたしも久しく自分のアソコを目にしていないことに気が付きました。直美さんからいただいたエールを胸に、とりあえず自分のアソコを鏡で見てみようと思います。願わくば可愛いと思えますように!

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大泉りか
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作家・コラムニスト
ライトノベルや官能を執筆するほか、セックスと女の生き方や、男性向けの「モテ」をレクチャーするコラムを多く手掛ける。新刊は「女子会で教わる人生を変える恋愛講座」(大和書房)。著書多数。趣味は映画(映画館で年間100本以上)、海外旅行。愛犬と暮らして14年目の犬飼い。X

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