草彅剛「罠の戦争」で復活!山P、キンプリ脱退組も影響必至

こじらぶ ライター
更新日:2023-01-28 06:00
投稿日:2023-01-28 06:00

鈴木おさむ氏の小説で描かれる「公開処刑」の“リアル”描写

 その、鷲津が時折見せるやや常軌を逸脱した思考回路や行為、怒りを押し殺し座り切った眼差し。それは我々が本来、草彅に対して抱いてきた朗らかな“いいひと”とは違う。

 それを彼の部下である蛯沢眞人(杉野遥亮・27)も「鷲津さん、時々急に表情変わりますよね。優しい人なのか怖い人なのか……」と表現している。

 草彅は97年、彼自身の素をあぶりだしたようなドラマ「いいひと。」(カンテレ・フジ)で、俳優としてブレーク。以来、彼の“いいひと”のイメージはこの26年、そのまま変わっていない。

 それどころか、昨年12月9日発売の「文藝春秋」2023年1月号(文藝春秋)および「文藝春秋 電子版」(同8日公開)に掲載された鈴木おさむ氏著の「小説『20160118』」では、彼の底抜けの“いいひと”ぶりがあらためて、明らかになった。

「スマスマ」の放送作家を務めていた鈴木氏の「小説」によると、15年末にSMAPの解散騒動が出たのち、一度はSMAPは解散しないことを決め、それを「スマスマ」の生放送で謝罪した。スーツ姿のSMAP5人のその姿は「公開処刑」とも呼ばれることになる。

「謝る機会を木村君が作ってくれて…」

 草彅はその中で、「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、今、僕らはここに立ててます」という言葉を自らの口でファンに、視聴者に伝えた。

 ほぼノンフィクションと思われるこの小説によると、鈴木氏はもっとマイルドに円満に生放送を収めようとしたが、“ジャニーズの女帝”によって台本は書き換えられ、前述のセリフが加えられたという。

最も酷なセリフを草彅が発言したワケ

 SMAPが4対1の構図であることも、どちらが上の立場にあることも分かってしまう最も酷なこのセリフを、4人のうちなぜ草彅に言わせることになったかについて、鈴木氏は「彼の優しさに甘えるしかないと思った」と表現している。

 かのセリフを口にするのは、草彅にとって屈辱的なことだったに違いないが、番組に関わる多くの人々が事務所の思惑に振り回される中、無事その日を終えるために、悔しさを噛み殺し、嫌な役割を引き受けたのだろう。

「罠の戦争」第1話で復讐を心に決めた鷲津は、

「力のあるやつはどんな要求でも通るのか。弱いやつはどんなことでも飲み込めっていうのか。ふざけるな!」

勧善懲悪ドラマを超越したカタルシス

 と鬼気迫る表情で、体を震わせ、りんごを握りつぶし怒りを露わにした。このセリフと、ここからはじまる復讐劇は、2016年以来、草彅が味わってきたであろう屈辱と、そこからの復活劇と重なって見えて、ただの勧善懲悪ドラマを超越したカタルシスへと昇華するのではないか。ともかく、「罠の戦争」の鷲津が見せる「“いいひと”とは真逆の顔」は、草彅の役者としての力量を存分に示している。

「辞めジャニ」の希望の光に…

 こうした草彅を筆頭とした「辞めジャニ」である新しい地図の躍進は、昨今増えている、彼らに続いた「辞めジャニ」にも希望の光となっているのではないだろうか。

 たとえば、元NEWSで20年にジャニーズ事務所を退所した山下智久(37)は、目指すところが海外進出という違いはあれど、草彅らと同様にその人気・実力にはそぐわない干され方をした1人だ。ただ、ハリウッド映画や、Netflix配信ドラマなどでの功績を着実に残してきた。

 21年放送の「ドラゴン桜」(TBS系)続編では、05年放送の前作の主な生徒役が続々と出演する中で、山下だけが声のみの出演にとどまった。しかし、草彅同様、地上波の中でもまずはNHKで、主演ドラマ「正直不動産」を大成功に導く。

 NHKはファンや視聴者の圧倒的な反響に答え、2度も同作放送期間内に再放送を組んだ。ここまでくれば、山下が草彅のように民放ドラマに復活できる日も遠くないと感じられる。

キンプリの平野、岸、神宮寺も…

 こうした一連の業界での動きが、今年5月22日にKing & Princeを脱退し、「辞めジャニ」になることが現状確定している平野紫耀(25、1月29日で26歳に)、岸優太(27)、神宮寺勇太(25)の退所後の露出についても、徐々に緩和に向かわせるのではないだろうか。

 まだまだ多くのしがらみはあるだろうが、草彅が新たな道を切り開いていることは間違いない。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


【おむすびにモヤっと】弁当開発に「病院の管理栄養士」の売りはもう不要? “新型コロナ編”にも懸念が…
 新型コロナウイルスの感染が日本で初めて確認されて病院で警戒感が漂う中、コンビニ弁当の開発をしないかという幼なじみの菜摘...
桧山珠美 2025-03-10 17:30 エンタメ
火曜深夜が熱い!FANTASTICS冠番組の対抗馬は純烈? 映画ぼくまほの八木勇征は大スクリーンで観るべき
 映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』(ポニーキャニオン配給)を観て来ました。タイトルに“魔法”がつくと、まるで魔法...
【おむすびにモヤっと】なっちゃん抜け駆けで「栄養はエエヨ~」は結(橋本環奈)に相談しなかった?
 コンビニ弁当の開発案を豊岡部長(隈本晃俊)にプレゼンする菜摘(田畑志真)は、今の説明ではダメだと言われ、結(橋本環奈)...
桧山珠美 2025-03-08 06:00 エンタメ
「芸人=女とギャンブル」の時代は終わった。M-1王者・高比良くるまの謹慎がもたらすもの
 吉本芸人の相次ぐ「オンラインカジノ」問題。M-1王者令和ロマンをはじめ、ダイタクや9番街レトロなど劇場の人気者たちが次...
帽子田 2025-03-07 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】商品開発7年目なのに、なっちゃんの知識不足設定と結への謝罪が不憫すぎる
 結(橋本環奈)と菜摘(田畑志真)は、考案したコンビニ弁当がなぜダメだったかを製造担当の管理栄養士から聞き、開発を断念す...
桧山珠美 2025-03-05 18:15 エンタメ
【おむすびにモヤっと】変顔炸裂の第22週。名も無き管理栄養士が大手コンビニで商品共同開発の“ミラクル”
 結(橋本環奈)は仕事柄、栄養指導をする立場にあるため、患者から怖いとか厳しいと言われ、そのことに複雑な気持ちになってい...
桧山珠美 2025-03-03 17:30 エンタメ
大倉忠義“授かり婚”でますます追い風…イクメン俳優花盛り! 林遣都は赤ちゃん言葉で子育て奮闘
 大倉忠義(39)、結婚! またひとり独身イケメンが旅立ってしまいました。お相手は<一般女性>とのこと。またしても<一般...
【朝ドラおむすび】通夜の親族席最前列に知らない中年女2人…永吉の娘? 一言の台詞もなく忽然と姿を消した
 聖人(北村有起哉)の大学進学用のお金を勝手に人に貸した永吉(松平健)の行為が、米田家の呪いである人助けだったのかどうか...
桧山珠美 2025-03-01 06:00 エンタメ
【朝ドラおむすび】気の毒過ぎる委託会社の栄養士・柿沼。大鶴義丹チョイ登場で気になる“大鶴の恩返し”
 結(橋本環奈)は、聖人(北村有起哉)に永吉(松平健)が大学進学用のお金を何に使ったのかを話し始める。結は米田家の呪いの...
桧山珠美 2025-02-26 17:30 エンタメ
SNSで目立つ「新生timelesz」への厳しい声 オーディション番組なぜ荒れる? マニアでも予想不能な展開に
 話題のオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)が最終回を迎え、待...
【おむすび】米田家4代食卓トークにモヤっ。盛り上がらないドラマで盛り上がらない万博の“宣伝”効果は?
 福岡・糸島に住んでいる永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)が神戸にやって来る。結(橋本環奈)はてっきり聖人(北村有起哉)の...
桧山珠美 2025-02-24 17:30 エンタメ
新生timeleszに国民的人気グループの目。タイプロ開催で佐藤、菊池、松島メンバーの3人が自ら選んだ意義
 旧ジャニーズのグループのなかでも「Sexy Zone」という名前はいかがなものかと常々思っておりました。中国表記だと「...
現役芸人が見た『ホットスポット』のすごさ。お笑いのテクをドラマに落とし込む「バカリズム脚本」の妙
 バカリズムが脚本を担当したドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系、日曜22時30分~)が話題だ。毎回の放送終了後にはS...
帽子田 2025-02-23 06:00 エンタメ
【最新回のおむすびにモヤっと】優秀ドクターと管理栄養士の描き方に違和感。次週予告編では喪服姿ちらり…
 結(橋本環奈)たちは、病院で外科医の蒲田(中村アン)から聖人(北村有起哉)の胃がんの手術がうまくいったが、今後5年は経...
桧山珠美 2025-02-22 14:37 エンタメ
KAT-TUN解散で「男性アイドル25周年の壁」説が再燃…SMAP、嵐も超えられないその理由とは
 2月12日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のKAT-TUNが、3月31日をもって解...
こじらぶ 2025-02-22 06:00 エンタメ
矢口真里の「クローゼット不倫」は許された?『Mステ』出演に誕生日会、異様な精神力を高めた結果の大復活
「クローゼット不倫」というパワーワードを生み出してから早10年以上。元・モーニング娘。の矢口真里が、1月20日に42歳の...
堺屋大地 2025-02-20 06:00 エンタメ